FC2ブログ
秩序のとれた海 例えば君とふたりで
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ご訪問ありがとうございます。砂凪です。
さて、今年も残すところあと3か月。
月初め、ということでお題SSへの参加を表明します。
今回の幹事は牛野若丸さん!お世話になります、ぺこり。

さて、今回のお題SSですが。
この企画、いつのまにか(ほんとにいつのまにかですみません)、ちょいちょい参加させていただいているので、作風や雰囲気をガラッと変えてみましたー!
砂凪がこんなのも書けるんだ!というご感想はもちろんのこと、『あんまり変わってない!』とか『なにを書いても砂凪!』とかの"ツッコミご意見"もお待ちしています。

では、どうぞ。

******

【茶柱信仰】

「うわぁ、立ったよ!ねぇ、ひーちゃん!」
俺と棗(なつめ)が暮らすアパートに、彼の歓声が響いたのは秋も深まったとある早朝。一緒に暮らし始めて半年経つが、台所からベートーヴェンの第九もびっくりの『歓喜の歌』が聞こえるのは4度目だ。
やれやれまたか、と布団から這いだし、オマケにくっつけました、程度の流しとシンクとガスコンロの並ぶ『台所』と呼ぶのも申し訳ないような、台所に向かう。
「茶柱!ほら、拝んで!はい、拝む!」
狭い台所に小躍りしかねない棗の声が響く。棗の前におかれたマグカップを覗くと、たしかに茶柱。形だけ手を合わせてみせると、にっこり笑って見せた棗は慎重にマグカップを口に運び「紅茶じゃこうはいかないからねー」と言う。
……こいつの『茶柱信仰』はいつになったら収まるんだ。そして、きょうも俺は朝っぱらから神社へ行かねばならないのか。棗ご推奨、『神さま茶柱ありがとう参り』。寝起きでぼんやりする頭を引き摺って、着替えの入っている透明ラックを開けた。

教祖は棗、信者は棗、『ひとり新興宗教』的な彼の茶柱信仰がはじまった原因はそもそも俺である。1年9カ月前の夕方に遡る。
なぜか俺のことを気に入っているらしい棗はいつものように遊びに来て、いつものように客のくせに俺に緑茶を淹れた。そのとき、彼の椀に茶柱が立ったのがすべての引き金。そのときはまだ『信者』ではなかった棗の最初のリアクションは「あ、茶柱」程度のものだったのだが…いきなり茶柱に手を合わせたと思ったら、「どうぞお願いします」と呟いた。なんだなんだ、と思っていたところ棗が言うに『ずっと俺のことが好き』だったらしく、『よろしければつきあってほしい』そうで。
棗は可愛らしい外見だし、実はかなり気にかかっている奴でもあったので「いいよ」と言うと飛び上がって「茶柱効果だ!」と言った。

それ以来、謎の茶柱信仰は続いていて、目下、俺らが飲んでいるのは棗の『ぼくたちの縁はぜんぶ茶柱のお陰』という主張により、毎朝晩、緑茶である。

棗はある意味、俺らの大学で有名人だ。関わると『面倒を見ずにいられない』、どこか妙ちきりん、とにかくずれている、異星人みたい、でも憎めない。それが周囲の総意的な反応。決して奇をてらっているわけではないのだが、同学科の連中の癒しの源みたいな存在だ。いや、他学科の奴らにとっても、か。棗の周囲にはいつも笑いが絶えない。あたたかな笑い。棗とつきあいはじめるまで、そしていつのまにか…というか、棗の『ひーちゃんと暮らしたい!』という願望から…共に暮らし始めるまで、ひとり淡々と日々をこなしていた俺とは大違いだ。
俺は中学のころから、自分がマイノリティである事実に気づいていたのだが…棗は性格だか興味の対象だがずれにずれた挙句『同性に恋をしている』状態なのではないかと俺は疑っている。
なぜかというと…、つきあいはじめて1年9カ月、一緒に暮らして半年経つのに、俺らの間には見事なほどになにもない。そういう雰囲気になることはあるにはあるのだが、棗があまりよい反応をみせないので、無理強いするわけにもいかない…たぶん。彼の反応が芳しくないのはなぜなのか。棗のことであるが故まったくの謎。

神社への道を並んで歩きつつ棗は跳ねながら「きっといいことあるよ!」とか「茶柱ってほんとにうれしいよねぇ!」とか、信者らしい発言を繰り返す。アパート近くのわりと立派な神社の鳥居をくぐる前に一礼、手水所で手を洗い、参道の真ん中を通らないように気をつけながら本殿へ。こういう、まめな神社での振る舞いは棗も俺も全く知らなかったのだが、一度目の『神さま茶柱ありがとう参り』の際に、棗がスマホ検索した。
いわく茶柱にかかわることすべてにおいて『俺ら』はまめにならなくてはならないとか。さすが、茶柱信者。

本殿の鈴をがらんがらんと棗がものすごい音で鳴らし、二礼二拍、でお祈り。特に『棗とヤりたい』以外に願いもない俺は、それを神社で祈るのもどうかと思われたので適当に『じゅげむじゅげむ、ごこうのすりきれ!』と投げやりに唱え、一礼。隣を見遣るとまだ祈っている。彼のお祈りが終わるのを待ち、帰ろうとすると棗がおみくじを引きたがった。
「だって、おみくじで大吉が出るように祈ったんだ」
呆れて言葉も出ない、というのはこういうことだろう。
「…その割に長々祈ってたな」
「念押しするために3回祈ったから」
神さまは流れ星かなんかか。というか、『神さま茶柱ありがとう参り』じゃないのか。いつものごとく、棗のマイペースに巻き込まれる形でおみくじを引くのを見守る。くそ真面目に緊張した面持ちで一枚選び、白い紙を開いた棗の顔がぱっと綻んだ。
「ひーちゃん、ほら!大吉!」
ひらひら振ってみせる。確かに大吉だ。
「すごいねぇ、茶柱効果!」
神さまのおかげじゃないのかよ、祈ったくせに。
「おぉー」
と棗が歓声をあげた。今度はなんだ。
「『恋愛』…いくよ。『今の相手が最善。迷うな』だってー!」
無邪気に言うと自分より幾分高い俺の肩をバシバシ叩いてくる。女子高生か、おばさんのノリである。
「お前なぁ!」
さすがに語気を荒げると、棗がびくっとした。なに?と見上げてくる。
「俺の鬱屈も知らないくせに、勝手に最善とか言うな!」
「ひーちゃん、鬱屈してるの?なんで?ぼくといるの楽しくない?」
常に周りの連中から『棗といると飽きない』と言われている、俺と正反対の彼はさも心外だ、と言わんばかりに、じとっと睨んできた。いやいや、そうではないのだ。
「俺はなぁ…さっさとお前が」
言いかけて、やめた。神社で話すことじゃないような気がする。神さまに失礼というか煩悩そのものというか。
「棗」
「なに?」
「帰ろう。話がある」

テレビの部屋、と棗が呼ぶ部屋のローテーブルに向き合って座る。棗は背筋を伸ばし、腹が痛いときのような顔をしている。なんでだ。ローテーブルの上には、昨夜俺が眠ってから書いたらしい棗の…なんだこれ?…絵、らしきものが置かれている。
「お前さ、棗」
「…はい。別れ話?」
「なんでそうなる!」
「ひーちゃん、鬱屈してるー…、って言ってたから」
「全然ちがう。お前さ、朝っぱらからなんかあれだけどさ、俺とヤりたいー!とか思わないわけ?一緒に暮らして半年経つのに」
言い終え、気まずくなって棗から目を逸らす。
「うーん、結構思わなくも…ない、けど……」
「…はい!?」
『結構』、プラス、二重否定の…婉曲なんだか直球なんだかわからないノリで返されるとは思っていなかったので、頓狂な返事をしてしまった。
「茶柱がねぇ…、ぼく、決めているんだけど」
茶柱信者。そうだったよ。いったい茶柱がどうなればそういう運びになるんだ。
「お茶を淹れて、茶柱がひとつのお椀に3本あったら、そのときにしようかなー…って」
しようかなー…ってなんだよ。よもや、ふたりのことを勝手に決めているとは。しかも、それ、ハードル高すぎやしないか?茶柱3本。アンビリーバブルな世界である。
「なんでだよ?」
「え、だってさ、そのくらいおめでたい日じゃないと…できないよ、ねぇ…」
棗いわく、『茶柱が結んだ縁なのだから、茶柱に祝福されないとならない』らしい。もうこうなってくると完全に、シューキョーである。茶柱教。なんたる信仰心、というか、克己心。つきあいきれない、と思う俺と、だからこそ棗!と思う俺が心のなかで会話している気分だ。
「でも、ひーちゃんがぼくのせいで我慢してるんだったら、別に」
軽く手を振って棗のことばを遮った。
「それで、いい」

棗は棗らしくあったほうがいい。

「いいよ、棗」
え?と棗が目をあげた。
「待ってるよ。茶柱の日まで、待ってる。その代わり」
とある苦肉の策を思いつき、条件を出す。
「明日から、俺が緑茶係な」
「いいよー。早起き頑張ってくれれば」
早起きでもなんでも頑張ってやる。苦肉の策。つまり、緑茶の茎を多めに茶を淹れる。茶柱パーセンテージ、大幅アップ。棗の茶柱信仰も守れる、俺の煩悩も遂げられる。苦肉どころか最高の策じゃないか。
神社で引いた大吉のおみくじをセロテープでテレビに貼っている棗を見ながら、ちょっとにやにやしてしまった。
「なに笑ってるの?」
「……いや、なんでもない」

秋も深い、とある朝の話。

******

ランキングに参加させていただいております。

ブログランキング・にほんブログ村へ
スポンサーサイト

【2014/10/01 09:51】 | お題SS。
|

萩野ベル恵さんへ
砂凪
こんにちは、萩野さん!
読んでくださり、感想をくださり、ありがとうございます。

ひーちゃん…かわいいですかー。
作戦って練っているときが一番楽しいものですが
(幼少期、保育園児の友人といたずらしていたころの『ごっこ遊び』)
この作戦に限っては、そうとも言い難いですね。
だって作戦うまくいったら…(*´艸`*)

棗はほんとうに書いていて『おもしろかった』子です。
はじめて書いていて「こいつ楽しいなぁ…」と思えました。

いえいえ、こちらこそ、ありがとうございますっ!

拝読しました
荻野ベル恵
こんにちは。拝読いたしました。
茶柱を3本立てる作戦を練るひーちゃん可愛いですね。
ぜひ成功させてほしいです。
私はリアル茶柱を見たことがないので茶柱にハマる棗の気持ちが分かるような気がします。
いいことがあるかもって気分になれますよね。
楽しく読ませていただきありがとうございました、。

あいみさんへ
砂凪
あいみさん、こんにちは!

実はですね、このSSにはあのくだりを読んだ時点で、第九が頭のなかに流れる仕組みが…うそです、すみません。
ものすごくめでたい朝!を想像していただき、ありがとうございます。

教祖・信者ともども棗。
ひーちゃん、責任重大ですね(笑)
がんばれー!と一生懸命に応援したくなっちゃう子です。

ほんと、いつのことやら。
棗は天然でその『焦らし作戦』を活用しているのかも…なんて思いました。
彼ならば、自然体で、地でいける作戦!
そしてそれを、うけいれるひーちゃんも心が広いのかなんなのか(笑)

コミカルで明るい!
別世界の雰囲気で書いてみましたよー。
意外と雰囲気変えても、すーっと書けるものですね。
案の定、暗くて重い話もあったのですが(笑)いずこかへ消えました。棗パワー!

続編、今日で終わりなのですよ~…。
奏ちゃんとバイバイするのが寂しくてたまらない管理人です。

お読みいただき、感想をくださり…ありがとうございました!


とおりあいみ
お題SS、拝読しました。
自分の頭の中にも「第九」が流れてきましたよ♪
その音楽と共に、「うわ~、……」という台詞が!
教祖・信者共に棗。でもひーちゃんはそんな棗にした責任というものを果たしてもらわねばなりませんね(笑)
しかしそれはいつのことやら。
まぁそれも、ひーちゃんが悪いので(*^_^*)
もしかしたら棗、焦らし作戦なのかしら、とか深読みまでしちゃいました。
ちなみに、茶柱がたったことは一度くらいしか自分はないかな?
コミカルで明るい話、楽しまさせて頂きました。
例の続編も楽しみにしてますね!
ありがとうございます。

可賀さんへ
砂凪
こんにちは!
こちらこそ、はじめまして。
当ブログの管理人、砂凪と申します。

棗が精神的に大人…おお、棗『おとなポイント』もらったよ!っていう感じです(笑)
読み手さまによっていろんな解釈があるのがおもしろいなぁ…と思います。
確かに大人ですよね。
そして、ひーちゃんを試しているという…。

おとなっぽい振る舞いができるひとが、必ずしも『おとな』とは限らず。
可賀さんのコメントで、ふっとそんなことを思いました。

棗、かわいいってありがとうございます!
感想をいただけてうれしいです。
ありがとうございました。


可賀
初めまして。楽しく拝読しました。
この二人、ひーちゃんが棗の面倒をみているようで、実は棗のほうが精神的に大人なところからひーちゃんの成長を見守っているようなイメージでした。……全然違うかもしれませんが!
だからこそ「茶柱が三本立たないと!」なんてかわいいこと言っちゃう棗が余計に可愛かったです。

甘楽さんへ
砂凪
こんにちは、甘楽さん。

若丸さん宅でお題を頂戴してから、呪いのように『茶柱』が脳裏から離れず…。
これってまじめ路線でいけないよね…と思い、コミカルにしてみました。
書けたー!と自分でいちばんびっくりしました、たぶん。

一年九ヵ月は長いですよね…。
しかも半年一緒に暮らしているという設定なのに。
神社でどーしようもない願い事…でも切実な気持ち…しても罰は当たらないと思いますが…。
なんだかんだといって攻のひーちゃんは常識人なのです。
棗のほうが「あんたよくそれで今まで生きてこれたね!」みたいな子になっちゃいました。

『茶柱に願いを』(笑)
このタイトルにしてもいいかなぁ…と思っていたのですが、
書いているうちにこのSSには『茶柱信仰』しかない!と勝手に思いこみました。
なにかに願いを込めること、わたし好きです。
さすがに、茶柱は…ですが(笑)

拝読しました。
甘楽
こんにちはー。

こういうコミカルな作品もまたいいですね!

一年九ヶ月はずいぶんと待たされていますね!
そりゃあ、神社で邪で下衆な願いをしてしまいたくなるわけですね。
そのあたりのやけくそな攻が面白かったです(^^)/
でも、じゅげむ~でやめておくのが偉いですが、頭の中で考えてしまったら神様には透けて見えていそうですよね(*´з`)
でも、その本当のお願いが成就する日は近日中なんでしょうね( *´艸`)

砂凪さんのは茶柱に願いを込めて、でしたが。
私のは大豆に願いを込めてになっているので、ちょっと似ています(苦笑)


矢島知果さんへ
砂凪
矢島さん、こんにちは。
読んでいただき、ありがとうございます。

茶柱3本、ひーちゃんの苦労話に発展させようとしたのですが…。
ほんとうにあるんですね、そんなありがたーいお茶が。
ひーちゃん!手抜きしちゃダメだから…!
もっとびっくりしたのが『茶柱のお茶の検証をしているサイトさん』。
いろんなサイトがあるんですねぇ…。
その方も茶柱に並々ならぬ愛と信仰を注いでいるものと思われます。

棗は…書いていて面白かったのですが……振り返ると謎な子です。
フィクションだから存在しうるというか。
常識人のひーちゃんが、ほんとにかわいそうです。

コミカル!とおっしゃっていただけてうれしいです。
軽く読んでいただけるように頑張りました!
いつもズーン…みたいなお話なので。

ご感想、ありがとうございました!


矢島知果
茶柱3本、ハードル高すぎると思ったのですが、そういうお茶が売られていると?
おもわずネットで検索してみました。
ありました!!売ってるんですね。そういう茶柱のお茶が。びっくりです。
茶柱のお茶の検証をしているサイトさんを拝見したところ、茶柱の片方を焼いている?みたいなことが書いてありました。
今度、茎茶を買ってきて自分でやってみたくなりましたけど(^^;)
棗はあくまで、信仰として茶柱を信じているんですよね(笑
お預けくらって、ちょっとひーちゃんが気の毒ですが(笑
こういうコミカルな作品もいいですね。
面白かったです。

コメントを閉じる▲
聡介の過去を知り、センターとの連携をとる。じきに、聡介の『影』は戻るだろう。
しかし、聡介と自分とはもう、なんら関係がなくなる。
あったとしても、『影』のある聡介に「お元気ですか?その後の体調はいかがですか?」と電話で尋ねるだけの干上がっていく関係。

美南の言う通りだ。所詮、保護官は『影遺失者』にとって…『保護官』にすぎない。
心のうちに苦々しい感情が広がってゆく。
奏は自分に言い聞かせた。
いままでも、そうだったじゃないか。これからも、きっとそうだ。『風化する絆』、『だれにとっても大事じゃない』。この仕事を選んだ時点で、その事実は『影』のようにつきまとう。仕方がない。
自分がどれほど聡介を好きだろうと、愛していようと。
そして、思い切って最後にそれを告げようと。

いつものように回収した機材をまとめていると、不意に呼吸がとまるほどさびしい思いに駆られた。
それでも、変わらぬ笑顔で聡介の家を辞そうとした。
まだ、会える。まだ、切り出せない。
自分の弱さに嫌気がさす。でも、どうしようもない。

「奏さん」
背後に、聡介の声がぶつかった。すぐ近くから。
「あと、あなたには何度お会いできますか?」

******

ランキングに参加させていただいております。

ブログランキング・にほんブログ村へ

【2014/10/02 09:48】 | ひかりのひと
|
「……え?」
「奏さんがいなくなったら、訪問がなくなったら…私はどう生きればいいのでしょう」
聡介の目がじっと見つめてくる。迷子のような顔をしている。
自分にとって都合のいいように、そのことばを解釈したい気持ちを抑えた。

「えーっと、それは遺失庁のほうからの指示がありますよ。ご安心ください」
「そうではなく……」
聡介がすうっと視線を落とした。
まるでフローリングの床に答えが落ちているとでもいうかのように。
「命の重さが人それぞれちがって、それが他のだれかによって測られるものならば…、私にはまだ、生きていてもいいほどの重みはありますか?私だけでは、わからないのです」

こんなことを。奏は思う。こんなことを考えるほどに聡介は傷ついているのだ。

「なにもなくても…保護監視が解かれても…『影』が戻っても…私は奏さんと一緒にいてもかまわないのでしょうか?今までのように、これから先も…『大丈夫だ』とおっしゃっていただけますか?」
奏はことばを失った。
『守りたいものがあれば人は強くも弱くもなる』。陳腐な、ありふれたことば。聡介を守りたいのに、自分はこんなにも弱いままだ。

けれど。
これは、聡介の心からの声だ。『再導入』された心があげた産声だ。
そこに、自分がいるのなら。

「それは」
奏は笑ってみせた。
「かまわない、と思いますよ」
聡介が絞り出すような声で、言った。
「それなら…、そうであるなら、私と一緒にいてください。ただ、だれかのため生きること、それを私にください」

******

ランキングに参加させていただいております。

ブログランキング・にほんブログ村へ

【2014/10/03 09:40】 | ひかりのひと
|
心のなかで、ガタンと音がした。心に、ことばに、何重にも厳重に鍵をかけていた。そのタガが外れた。

機材を抱えた腕から力が抜けた。散らばる機器。金属音が泣いているように聞こえた。
数歩、聡介に歩み寄ると、黙ってその手を握る。握ったまま、少し背を伸ばし彼に軽くキスをする。
たったそれだけ。
ただそれだけのことなのに、時計が刻む音がやたら耳障りだった。

「…奏さん?」
1度目のカウンセリングの帰り際、奏が驚いたのと同様、聡介の声も動揺していた。

「俺は」
ゆっくりとことばをさがす。聡介になんども繰り返した。快復をゆっくり待ちましょう、と。大切なことは丁寧に、ゆっくりとなさなければ。
「ずっと聡介さんの未来をさがしてきました。でも…」

聡介の目を見て、告げた。

「これからも、聡介さんの未来を照らしたい。あなたが『影』にもう怯えなくてもいいように、『闇』に取り込まれたりしないように。何度会う、のではなくずっと聡介さんの傍に……いたい」
「……私のことを、心配くださって?気を遣ってくださって?」
「そうじゃない!」

思わず叫んでいた。

「わかったんです。あなたの世界が俺なら、俺はしあわせな世界でなければならないんです。聡介さんの傍でしあわせな世界でありつづけながら、守りながら、ずっと…」
繋いだ手に力を込めた。
「あなたを愛しています」

めちゃくちゃだ。どんな告白だ。自分で自分を嗤いたくなる。
―…失敗したかな、彰夫。せっかく励ましてくれたのに。
大きな手が頭に触れた。指先はあいかわらず荒れているのだろう、と思ったところで自分が泣いていることに気付いた。

守ろうとすることは驕りだ。けれど、守りたいと願うことは…。

******

ランキングに参加させていただいております。

ブログランキング・にほんブログ村へ

【2014/10/04 09:16】 | ひかりのひと
|
「奏…」
奏はそっと聡介を見上げた。手が額に触れる。
「さっきのは……ずるい言いかただったな、ごめん。でもあれも本心の一部だよ。これから先も『影』が『再遺失』しそうなときに、自分で自分がわからなくなりそうなときに、奏に……光になってほしい」

大きな手のひらがゆっくりと奏の前髪を掻きあげた。
「私は…、こわかった。また、愛するものを失うのかと」
聡介が続ける。
「カウンセリングを拒んだのも、『影』を失うきっかけとなった出来事を奏に話そうとしなかったのも、訪問がなくなることがこわかったからなんだ」

聡介が話している途中、心地よい響きから敬語が消えていることに奏は気付いていた。
「クライエントとしてではなく、人として奏に接したくなったんだ。あのパズルの日から…、奏は私のなかで保護監視官ではなくなっていたよ」
額に触れた手がゆっくりと頭を撫ぜた。

「奏、信じてもいいのか?今回は、今度は失敗しなくてすむと。愛するものを失わずにすむと」

何度でも、何度でも、人は愛をする。失う痛みを味わってなお、なぜ、心を打ち明け傍にいることを繰り返し願うのだろう。脆弱さを晒し、共に生きることを。
心は再生を知っている。空気穴のあいた心に再び命を吹き込む術を。
心は溶けあいひとつになり、ちがう形に変容を遂げる。

奏は祈った。
すべての愛によって傷ついた心が、愛によって救われればいい。何度でも何度でも、甦れ。救済を望むすべての人には、治癒を望むすべての心には、きっと、救いの手が差し伸べられるのだから。

再び巡りきた季節の日差しのなか、クリーム色の壁に、完成した猫のパズルが飾られている。

******

ランキングに参加させていただいております。

ブログランキング・にほんブログ村へ

はじめての小説の連載が終わったー(*´∀`*)
しかし、あしたからは『ひかりのひと~後日譚~』が待っています。需要がなくとも!(笑)
まだ解決していない問題があることに、遅まきながら気づきました……。

【2014/10/05 09:59】 | ひかりのひと
|

とおりあいみさんへ
砂凪
こんにちは、あいみさん!

拙作を楽しんでいただけたのなら、ほんとうにうれしいです。ありがとうございます。
もうほんとに、ラブラブごっこはないわ、設定が重いわ……で不安になったりもしたのですが(笑)

最終話が収まりがわるいな…と思っていた、ら。
全然、まいた種を刈り取っておらず。はぁぁ~…でも、そんな作品ですが『おもしろい』と仰っていただけて!

ムフフなシーンが『そんな』どころか『まったく』なくてすみません…。
書くには書いたのですが(!!!)違和感満載だったので、なくてよい!という結論に至ったんです。
そういうときの最終兵器は『ほのめかし』に限ります。(笑)

最初の連載で既婚者の他者との恋愛!?という難儀な設定になってしまいました。
そこのところも、精一杯頑張ったのですが、描き切れていないなぁーと思います。
>たがいに癒し、守り守られる~…
この一文に涙が…ちょちょぎれそうになりました。
そんなあたたかい目で、この作品を見守っていただいていたのだと思うと、感謝の思いでいっぱいです。

わたしもなんです!
唯一の人間らしさ満載の子が美南なんですよね。
彰夫も好きですが、彼に悟ったセリフを言わせるためには、自分が悟らなくてはいけないので(笑)大変でした。
……あれ?メインふたりがどこ行った…(笑)

早く発表できたのは、ひとえに若丸さんの『早いお題発表』のお陰でございます…。
もう、『茶柱』が呪いのように「早く書けー…」って。
SSのほうにもご感想いただけるとのこと、ありがとうございます。

ずっと読んでくださって、なんといったら感謝が伝わるのかしれません…。
『ありがとう』しか語彙のない自分がもどかしいです。
ほんとうに、うれしいです。今後ともよろしくお願いします。

Pearswordさんへ
砂凪
こんにちは、Pearswordさん。

ありがとうございます!毎日楽しく更新しておりました。
たまに、ときどき、しょっちゅう「あー…、どうしよう!」ってなること多々でしたが。

まぁ、徐々にBLにも慣れていきましょう。←インストラクター気取り。
あれはですね…ラブシーンとは呼べないレベルです、この世界では…。
でも、うまく書けていたって仰っていただきうれしく思います。

最終章、わたしも違和感…というか『足りない』感に悩んでいたのですが
何回改稿してもこうなので、ベストと思われた下書きに書き加えました。
逆転していますか…?光になってほしい、と望んでいるところ、まだ聡介のほうが弱い…気がします←作者とは思えない気弱さ。
ジグソーパズルはずっと出してきたのですが
『枠だけ完成』→『8割がた完成』(嵐の翌日)→『もうちょっと』(カウンセリングのとき)→『完成』で、関係性とともにシンクロしているわ!という暗喩なので、敢えて軽い描写にしてみました。
着想が面白い!
すごい褒め言葉だ!(笑)

いえいえー、率直なご意見、いつもありがとうございます。


とおりあいみ
面白かったです。
砂凪さん自身は、まだ回収しきれないところの番外編を(しかも明日から???)お書き下さる、ということですが、それも楽しみにしてますね!
聡介の『影』ができたのかとか、そんなところでしょうか???

自分としては、ムフフなシーンがそんななくても「ひかりのひと」ならいいのではないかと思えました。ほのめかし、今度自分も使ってみようかしら。

どうしても、既婚者のほかの人間との恋愛となると難しいところが出てくるのは致し方ない、という括りではいけないのですが、誰かが傷つくのは避けて通れないんですよね……。
「愛によって傷ついた心が、愛によって救われればいい」という一文で、この話はまとまったのかな、とも思いました。
聡介の傷と奏の傷の種類は違うかも知れない。互いに癒し、守り守られることができるこれからがあるのなら、そしてそれがお互いでなくてはいけないのなら、これはもう、当人の心持ち次第ですよね。

個人的には美南が好きなんですが(笑)

お題SSよりこちらへ先に、コメさせていただきました。お題SS早かったですね! さらっと拝読した感じではすんごく可愛い印象ですけど、後日まだちゃんとコメさせてくださいませ。

ともあれ、お疲れさまです!

完成おめでとう。
Pearsword
 やはり最後までBL小説というジャンルに抵抗を感じたけど、むしろラブシーンはうまく書けていたように思います。でも、最終章だけちょっと違和感があるかな。聡介と奏の立場が一挙に逆転して、聡介の方が彼氏役になってしまうところが、すこし変だ。また、ラストの取って付けられたような祈りの言葉も、なんだかそぐわず、エンディングの壁に掛かったジグゾーパズルの描写が、少し杜撰なような気がします。
 もう少し、エンディングを我慢して丁寧に書ければ、もっといい仕上がりになったのではないでしょうか。着想が面白い作品だけに、惜しいです。
 いつもながら、偉そうな評価で、恐縮ですが……。

コメントを閉じる▲
桜も散り、若葉のころが巡ってきた。まだ完全には夏を語ろうとしない風は、それでも新たな季節の予感を携えている。聡介宅の玄関ドアを通り、その風は家のなかにあたらしい季節を運ぼうとするかのようだ。
ドアノブを握ったまま、聡介がぽかんと奏を眺めている。

「あたらしい…職場の…ユニフォーム」
息を切らしながら奏が言う。身につけているのはベージュのチノパンに淡いブルーのポロシャツ。

『指定居住宅』から出てもかまわない、と遺失庁から通達があったあと聡介が引っ越した賃貸マンションは、『毎日海を見下ろすという、贅。』という謳い文句だけあって、きつい勾配の坂のうえにある。
『保護監視官』として座業がメインだった奏にとって、この坂道を登るのは骨が折れる。

「…あたらしい、職場?」
「『遺失者ケアセンター』のターミナルケア部門。あれ?言ってなかったっけ?」
「いや、全然聞いてない」
「あれ?異動願いを出す…って聡介さんに言ったはずなんだけどな」
奏が首を捻る。

葉山の「奏!ただでさえ人手が足りないのに、お前はなにを考えているんだ!」という怒号と美南の「わたしの愚痴ボックスー…」という嘆きと、そんなふたりを「まあまあ」となだめる彰夫のにやにや笑いに見送られて慣れ親しんだフロアを後にして1カ月。
『ケアセンター』のターミナル部門は輪をかけた人手不足ゆえ、新人の奏は日々、覚えることばかりである。

「まぁ、私が忘れていただけだな。奏、あがっていくか?」
「ありがとう。そうする。腹減ったー…って言ったらなにか出てきたりする?」
「いまちょうど、夕飯できたところで…金曜だし、電話しようかなって思ってた」

金曜だし、ねぇ…と聡介を見上げ、意味深に奏は笑う。聡介は気まずげに目を逸らす。
聡介相手に自然に立ち振る舞えるようになったのは、『保護監視官』の任が解かれてからだ。

******

ランキングに参加させていただいております。

ブログランキング・にほんブログ村へ

【2014/10/06 10:10】 | ひかりのひと
|
「このマンションまでケーブルカー引いてほしいよ、ほんと」
奏がぶつぶつ言っていると聡介が笑う。
「日ごろのデスクワークの祟りだな」
「だから、今はちゃんと身体動かす仕事だって。ここまで来るのに余計疲れる」

ちらり、奏の服装に目を走らせ、聡介がつぶやいた。
「ターミナルケア部門……か」

さんざん奏を手こずらせた聡介の『影』が無事『再映』された。イコール、『影戻し』の成功。昨年度末のことだ。
それと同時に奏はターミナルケア部門への異動願いを出した。あっさり受理されたので奏自身驚いていたのだが。

「きつい職場だよー、聡介さん」

遺失庁から『遺失』前の職…新聞記者…の経験を活かした仕事をもらい受けた聡介は、もっぱら校正の仕事に携わっている。ダイニングのテーブルから電源を落としたパソコンをどかしている聡介に奏は震える声で弱音を吐いた。

「ほんと、人って簡単に死んじゃうんだ」
「え?」
声が滲みそうになるのを堪えながら、言う。
「今回の『遺失者』はまだ、生きることを投げていなかったのに、諦めていなかったのに…今日、あっさり逝ってしまって…」
「そうか…。まだ、慣れないか?」
「なにに?」

聡介が言い淀んだ。低い、小さな声で言う。
「……人が死ぬこと」
同時に奏を見た。いたわりが眼差しに滲んでいる。
奏は俯き、涙を堪えた。

******

ランキングに参加させていただいております。

ブログランキング・にほんブログ村へ

【2014/10/07 09:36】 | ひかりのひと
|
「…慣れないし……慣れないほうが従事者としていいのかな、と思う」
紡がれた声があまりに弱々しく、口にした奏がいちばん驚いた。

「大した決意だけど…そんなつらい思いをしてまで、どうして異動を…?」
今度はゆるぎない答えがある。顔をあげて、聡介の目をじっと見て、答えた。
「あの日、あの台風の日、聡介さんが死ぬかもって思ったこともあるし…第一あのまま『保護監視官』を続けていたら……聡介さん以外のだれかに抱かれなきゃいけないし…」

聡介が目に見えて動揺したのがわかったので、奏は笑ってみせた。同時に、『完全遺失者』であり…今日亡くなったあの女性は、なにを抱えていたのだろう、と思う。

『遺失者ケアセンター』のターミナルケア部門。
遺失庁の管轄内で最も精神的に堪えるとされる職場。
食事はおろか歩行も不可能になった『遺失者』の最期を看取るためだけに存在する部署。
『完全遺失者』の生体機能の低下は著しく、奏が働き始めてから亡くなった人の数だけで2桁にものぼる。担当になった途端に亡くなる人もいるらしい。記憶も、過去も、影も、すべてを失くしたまま。

「…あの日、聡介さんが『完全遺失者』にならなくて…よかった」
「うん」
目のまえに皿が並べられていく。

「わがままかもしれないけど…そうなったら、俺、なにもかも壊しただけになってた」
「うん」
なにも言わず、ただ相槌を打ってくれるだけの聡介が、ありがたかった。

******

ランキングに参加させていただいております。

ブログランキング・にほんブログ村へ

【2014/10/08 09:43】 | ひかりのひと
|

Pearswordさんへ
砂凪
こんにちは、Pearswordさん。

>これは蛇足ではなくて…
ありがとうございます。ここまで持ってきて、ようやく完結させた気分です。
『絡み』って…断言できますが(笑)
この程度ならこのジャンル絡んでいるうちに入んないよっ☆ケッ!と言われます、きっと。

男女のお話は苦手です。
自分が女であるだけに…なんかリアルすぎて(笑)
だからBLなんですね。

ギリシアの哲人まで引っ張り出させてしまってごめんなさい。

次回作は(たぶん)絡みはライトに終わらせるつもりです。
路線変更がない限り…!

後日譚。
Pearsword
 これは蛇足ではなくて、ここまで書いてひとつの作品なんでしょうね。僕個人としては、不要な絡みはいらないのですが、BL小説というものは、そういうものなのでしょうね。
 でも、男性同士の絡みを書けるのなら、男女の絡みも書けるのではないでしょうか。なにも、BLに拘らなくてもいいのに……。
 まあ、ギリシァの哲人も同性愛とも取れるし……。BLがダメであるとは言えないのですが。
 次回作も、読んでみます。
 

コメントを閉じる▲
壊したもの…、奈々枝と彩夏とはいまだに音信不通だ。許されてはいけないとも、許されるはずがない、とも思っている。慰謝料と彩夏の養育費だけでも払いたいのに、奈々枝は頑として受け取ろうとしなかった。
ゆっくり、ひとつため息をつく。うまくいかないことだって、ある。

「奏」
肩を落としたままでいると、ゆっくりと聡介が名を呼んだ。
「このまえも言っただろ。少なくとも、私は救ってもらったよ。『影』も『感情』も、いまの私のすべては奏に救われ、築かれたものだ」
だから、と続ける。
「『元遺失者』として、わかる。奏が懸命に介護をすれば終わって逝くだけの人でも、ぬくもりや気遣いを感じることは、できるんだ」
「……」
「なにもかも壊しただけだなんて、そんなことはひとつもないよ。奏は一生懸命やっている。それだけでいい」
目を伏せていた顔を覗きこまれる。早く食事にしよう、と聡介が言う。

『快復後』のフォローアップのため、遺失庁の『アフターケアクリニック』通いを続けている聡介の感情が日々豊かになっていくのを奏は感じていた。
他者を慮ること、励ますこと、沈黙の意味を汲むこと。
『保護監視官』だった奏が聡介を励まし続けていたのとは一転、今度は励ましのことばを受けてばかりだ。

食器を洗っていると、ゆっくりと背後から聡介の腕が回ってきた。肩に顎が乗る感触。
「……今日は、泊まっていけるか?」
その意味するところが、まだ気恥ずかしい。はっきり言えばいいのに。婉曲な表現が余計に、いたたまれない。
うなじを甘く噛まれ、危うく高い声とともにスープ皿を取り落としそうになる。振り返り、ぐいっと聡介の肩を押した。

「聡介さーん…俺、いま食器洗ってるんだけど」

俯いた顔が赤くなっているのがわかる。
聡介はいつもこうして奏を性急に求めてくる。うれしいのか恥ずかしいのか、まだよくわからない。『影遺失』状態の反動だとは、わかっているのだけれども。

肩を押した手を逆に握りこまれた。引き寄せられ、抱きしめられる。
「かなで」
低く掠れた声がなぞるように奏を呼んだ。聡介にはかなわない、と奏は後ろ手で水道を止める。

ふたつの影と縺れるような足音がキッチンから消えると、だれもいない部屋を静かに間接照明の光が照らしていた。やがて自動的に明かりは消え、海を臨む部屋は夜の色に包まれた。

******

ランキングに参加させていただいております。

ブログランキング・にほんブログ村へ


【2014/10/09 09:46】 | ひかりのひと
|

環さんへ
砂凪
こんにちは、環さん!
『ひかりのひと』、わたしの第一作。
読んでくださって、本当にをいくつつけても足りないくらいの、ありがとう!です。

物語の世界設定がありえなさすぎて、書いている途中で「しょっぱなから難しすぎるわ!」と思いついた自分を恨めしく思っていたことを覚えています。
そんな物語のなかに引き込まれた、と仰っていただけて、本当に光栄でっす!゜*・。(*´ω`*)
感情と影を遺失した聡介が、奏ちゃんの尽力と愛(!)でその双方を取り戻して。
後日譚がないと……奏ちゃんがあのまま監察官を続けていたら……ねぇ?みたいな感が漂い始めるので補足しておきました☆

これからもがっつりとやりとりしましょう!
ぜひぜひぜひ!ほかのも読んでやってくださいませー。
短編から長編まで色々取り揃えております!

こちらこそ、ありがとうございました☆⌒゜*

読了です
砂凪さん、お邪魔します。
「ひかりのひと」読了です~!

読み進めるにつれグイグイ物語の中に引き込まれました。
何も映さなかった聡介の瞳にひかりが差し込んで、それが奏くんの「ひかり」であって、自分のことながら嬉しいです。
後日譚で今後の二人の未来が垣間見れたのもよかったです。
久々に創作してる方と、作品を通して、がっつりとやりとりできて、とても嬉しいです。
ほかの作品もこれからじっくり読ませて頂きますね。
ありがとうございました。

草木栞さんへ
砂凪
こんばんは、栞さま。
わぁ、コメントいただけてうれしいです。
いつもいつも、お邪魔するばかりですみませんでした、ほんとに…。

『ひかりのひと』の世界観はどこからどう思いついたのか、完全に忘れました。
連載、楽しく書かせていただいて、みなさんに読んでいただいて、
毎日楽しかったです。
『世界をめくるとき』はタイトルを連載寸前で変更した!という裏話があります(笑)

コメントありがとうございました!
わたしのほうからも、またお邪魔しますね。

こんばんは
草木栞
砂凪様。こんばんは。草木栞です。
初めてコメントいたします。
私のブログに来ていただいて、読んで頂いて、コメントを書いていただいてありがとうございました。

『ひかりのひと』世界観が好きです。
連載お疲れ様でした。
新連載の『世界をめくるとき』も早速読ませていただきました。
楽しみです。

またコメントさせてください。
それでは失礼いたします。

あいみさんへ
砂凪
こんにちは、あいみさん!
『後日譚』、お読みいただきありがとうございました。
もう需要がなくとも、わたしこれ回収しなきゃ死んでも死にきれない!と思っていたのです。

そうなんです!
奏の職場、というか、元いた部署、とんでもないですもんね。
それがいちばんの回収ポイントだったのですが、本編にうまく入れられず…。
でも、そこのところを回収しないと『奏はなにをやっているんだ!』というツッコミ満載になっちゃいますし。
あたらしい職場環境は妹の話をもとにしております。
妹はわたしよりずっとしっかりしていて、看取るだけの仕事をしていてもそれに意義を見出しています。

聡介の快復とその後の生活(居住区からの解放、遺失庁斡旋の仕事など…)も細かく設定していたので、盛り込みたかったのですが…本編がそこのあたり中途半端に終わってしまい。

奏と立場が逆転しているわけですが、自分の立ち位置って、自分が思うほどにハッキリしていないものだと思うんです。
励ましてきたはずの親友に、逆に涙を拭いてもらったり…ということ、実際、過去にあったりしましたから。

愛する心、読み取っていただけましたか~!
わたしにとっては難題なので(そこがー!?)、うれしいです。

いえいえ、楽しんで書いておりました。
>また新作ができましたら…
今日からもう、新連載がはじまりますよっ!乞うご期待←自分プレッシャー。

ずっと読んでくださり、見守っていただき、ありがとうございました!


とおりあいみ
砂凪さん、こんにちは。
『ひかりのひと後日譚』拝読しました!
本編での伏線、といいますか、砂凪さん自身が回収したかったところすべて、描かれてましたね。
奏の職場、自分もあのまま彼が同じ所にいたら、ほかの影遺失者と……と心配してまして、異動していてほっとしました。それでも新しいところも中々心が荒みそうなところ……さらには元家族との軋轢。くじけそうな奏のフォローを聡介ができるまでに快復していて驚きました!
もう聡介は奏をしっかりと支えてくれるイイ男になったんですね。一読者としても嬉しい限りです。
聡介からすれば、自分を救ってくれた、いわば命の恩人なわけで、でもそれだけではない、奏を愛する心というものも読み取れて。
(ラストのほのめかしは自分で脳内補完済み♪)
良かったです、二人はもう、大丈夫ですね。
面白かったです。連載、お疲れさまでした。
また新作ができましたらお邪魔させて頂きます。
楽しみにしてますね!
では☆

コメントを閉じる▲
どこからお話しすればいいですか?
彼とぼくの出会いから。そうですね。わかりました。

彼はぼくが働いていた本屋の常連でした。

その頃のぼくは人生のすべてに疲弊していました。なんだか、一瞬だけでいいから、とにかくお休みがほしいような。
毎日毎日、なんのためになにをしているのかわからなくて、それでも平気なふりで表面を取り繕って、それさえもなんのためにしているのかわからなくて。
きのうはおとといの、今日はきのうの相似形をしていて、夕暮れ時になるとそれがあわあわと混じり合って、今日がいったいいつなのかさえあやしくて。そんな曖昧な日常なのに、苦しくて、泣きたくて、でも涙の流し方なんてとっくに忘れていました。

そんな頃でした。彼があの本をたまたまぼくがレジ打ちをしていたカウンターに持ってきたのは。一応、表題は伏せますね。
とにかく、そのタイトルを見た瞬間のことです。すべてが許された気がしました。すべてに、許された気がしたんです。

レジ打ちの手が止まり、まじまじとタイトルを眺めました。がたがたと全身が震え、立っていられないほどの衝撃を受けて、それでも代金を受け取り…ちょうどの金額でした…レシートを返しがてら、思わずこう口走っていました。

「この本、お読みになったら感想をお聞かせくださいね」

彼は一瞬、驚いたようにぼくを見て、それから笑って頷いてくれました。

******

ランキングに参加させていただいております。

ブログランキング・にほんブログ村へ

《管理人の独り言》
ひとり語り手法ってBLではあまり見かけないのですよ。
(あったら教えてくださいー…。読みたいので/笑)
あくまでもネット小説です。商業本は…『文庫本が読めない病』なので読んだことがなく。
『文庫本読めない病』…文庫本って手のなかで頼りない感じがして
「あなた大丈夫?」と本に言いたくなって読書どころじゃないのです。
ひとり語り手法の小説、大好きなので「ないのなら・作ってしまえ・ホトトギス」と、
ニーズがあるかないかわからないままUSBに保存していた物語です。
うん、小説というより『物語』。
よろしければ、おつきあいください。

【2014/10/10 09:44】 | 世界をめくるとき
|

すとりーとへ
砂凪
Welcome to 腐女子ワールド!

なかなか本題に入らない砂凪さんの連載。
ストーリーはどうなっていくのでしょう??
ええっ!?むずかしかったかな……。そうかな。
今回は、前回より起承転結がわかりやすいと思うよ。

ちょっと易しめもなにも、完結作だからなぁ(笑)
がんばってついてきてくださーい!


すとりぃとん
ここははじめておじゃますます

いやまだ始めだからストーリーは
どうなっていくんだろう?的な感じだけど
前のは難しすぎて読めなかった(←バカ)から
今回は読めるだろうか?そっちに関心がいってしまうというか・・・

でも読みたいなー
ちょっと易しめでお願いします☆

コメントを閉じる▲
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。