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秩序のとれた海 例えば君とふたりで
ふらふらと歩いていく。
町の様子がおかしい。アーケードのようにまっすぐに連なる、けれど脈絡のない建物や電柱や信号機。それ以外は蜃気楼みたいにゆらゆら揺れて…幻のようだ。まるで巨大な竜巻に町がさらわれてしまったように。
どうなって、いるんだ?
「どこにもいかないよ」
また、あのことばが胸をよぎる。どこにもいかない…戻ってくる…そして、約束の彼方にここにいる…?どこだろう、ここは。

「葉くん!」
後ろから名を呼ばれた。七尾のおばあさんが立っている。もう80に手が届こうというのに、やたら元気でフラダンスが趣味の七尾さん。いつもの笑顔が搔き消え、不安に顔が歪んでいる。

「この町は…どうなってしまったの?」
「わかりません。どうなっているのか…ぼくたちは多分…」
閃いた。ああ、そうか。
「ここに『来た』のだと思います」
七尾さんが「来た?」と首を傾げたその瞬間、空が大きく波打った。
声が聞こえる。ぼくにしか聞こえない、声。

(次期町長!目覚めましたか?)
この町の、声が聞こえる。
どうして、最近では意志の疎通が難しく…、また、頭痛。そして、胸を抉られるような喪失感。いったい、これはなんだろう。
とりあえず、答える。

(月ヶ原町?声を聞くのはひさしぶりですね)
取り乱した声で町からの応答があった。
(縁石に侵入者が…町長と同年代の少年が…)
町の混乱した声とは反対に、ぼくの心は安らいだ。……縁石、見つけてくれたんだ。
でも、『だれ』が?苦しい。思い出したいのに。こんなにも、思い出したいのに…この、喪失感の源を。

「葉くん?どうしたの、ぼうっとして」
七尾さんが顔を覗き込んでくる。『対町対話士』の能力のことは隠しておかなくてはならない、曖昧に笑って誤魔化す。
「いえ、どうなっちゃったんだろう…って思ったら」

七尾さんが「葉くんにわからないのなら、わたしにもわからないわ…」と首を振り振り去っていく。
これで、町と話ができる。

******

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【2015/02/01 08:02】 | CODE TOWN
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でも、と告げる声がする。
町の最後の悲鳴の通過点。『P』の『消失』ラインにあったものはなんだった?
葉が自ら消えたポイント。あれはほかでもない市立病院ではないか。
心臓がどくどくと音を立てはじめた。他者に話せば『ありえない』と一蹴されるであろう、葉の話。そして、ここに町立病院が『残って』いることも『ありえない』。
ここは、なんだろう。いや、町立病院なんだけど。なぜ、なんで、どうして、ここにある?どうして、再び『現れ』た?
『縁石』は…まさか。

「町立病院?いま、もう更地だろ」
翌日、小埜に確認する。
「おいおい、時任、どうしたんだよ。町立病院がどうかしたのか?」
「…いや、なんでもない」

考え込む。俺の勘違いではない。町立病院はもう存在しない。
なのに…あれは、あの建物は、まちがいなく町立病院だった。幻にしてはあまりにはっきりしていた。
あれから、2階に上がり、あちこちドアを開けた。小児科、消化器科、内科…どれもこれも、記憶にある通りの…というか、呼び覚まされた記憶通りの…あの病院だった。

葉、と心の中で呼び掛ける。『縁石』、見つかったかもしれないぞ。

それから、俺は幻の病院に連日通い続けた。
そう、俺の目には病院があった場所はなにもない更地ではなく、『病院』が見えた。『HELP』。あの文字列と一緒に。
まちがいない。ここが、町の『縁石』だったんだ。破壊されてしまった。
いま、現れているのは…葉が内側から揺さぶりをかけているからか、俺が『町』の断末魔に気がついたからか。

しかし。
『縁石』が見つかったのは、いい。
肝心なことがわからない。これをいったいどうしたら、葉が、消えた『ひと』や『もの』が、帰ってくるんだ?

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【2015/02/02 09:08】 | CODE TOWN
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(月ヶ原町…ぼくは、ここは、どうなっているのですか?)
(そこは、わたしの意識の内部の架空認識町だ)
内部…架空…予想通り。予想通り?また、記憶が揺さぶられる。
町が話を続ける。
(縁石への侵入者はどうしたら…?)
(あぁ、コンタクトは取れませんか?)
(でも、『対話士』の能力がないのだよ、あの子)
(じゃあ、時宜をはかってそれらしく『擬態』してみていただけませんか。ひとの姿で話せば…)
町と話しているあいだも、『だれか』をなくした心に隙間風が吹きぬけていく。
(了解した)

町の声が途切れる。
ぼくは手近にあったバスの停留所のベンチに腰掛け、考えはじめた。町は動揺しているけど、『侵入者』はぼくの味方のはず。
たしか、頼んだのだ。縁石を見つけるようにと。でも、『だれ』に?
顔をあげる。ふと、ある喫茶店の行灯に貼られた紙に気がついた。

“『追憶展覧会』”。

喫茶店で、なにかやっている?

ぎいっ、と軋んだ音を立てて喫茶店のドアを押しあける。カラン、とベルが鳴った。
カウンターの中にいた細身の若い女性が微笑んだ。石塚さん。葉くん!と口が動いた。でも、ここは彼女の店ではないはず。名取、という男性だった、いつもこの喫茶店にいたのは。

「石塚さん?どうしてここに?」
「ここの店番を卓に頼まれて…わたし、眠ってしまって。気がついたら…町がこうでしょう?」
「どうして、石塚さんがここの店番を?」
「葉くんも疎いわねー。まだちっちゃいもんね。聞くだけ野暮、ってこと」
そういうことですか、はいはい。
わたし、コーヒーなんて淹れられないしさぁ、と石塚さんは続ける。
「かといって、卓の店をそのまんま放っておくわけにいかない気がして」
「で、『追憶展』を…?」

中央に円形に並べられたテーブルのうえに、脈絡のないものが並んでいる。ハンカチ、手紙、財布、ボールペン…。

「町がこうなる前のここのお客様の忘れものよ」
説明を求める目をしていたのだろう、石塚さんが解説してくれる。
「こうしておけば、もといた町とつながっている気がしてね」
石塚さんにはある程度、事態が飲み込めているのだろう。

ひとつひとつ、眺めていく。ふと、ある手帳に目がとまった。あれ…?見覚えがある。
石塚さんの許可をとり、手にとってぱらぱら捲る。そこに、ぼくの名前が、あった。何度も目にした、見覚えのある筆跡。
記憶が潮のように満ちてくる。ああ、そうだった。そうだった。

「遥…」

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【2015/02/03 09:15】 | CODE TOWN
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ガラスの両面扉を押す。両手は軍手。埃だらけのドアや建物の壁に触れるので、自宅から拝借してきた。
もう歩き慣れた廊下をまっすぐに歩く。何度来ても、不気味だ。廃院になった病院の…。

そのとき。
不意にとんとん、と背後から背中をつつかれた。ぎゃーっ!と叫んで飛びあがる。
反射的に振り返ると、女の子がひとり、ニコニコの笑顔で立っていた。
「お兄ちゃん、毎日ここに来るんだね」
かわいい子だ……ただし、その足元が半分透き通っていなければ。
二度目の悲鳴を上げ、後ずさる。なにかに躓いて、後ろに転倒した。もうもうと埃が舞いあがり、くしゃみが止まらなくなる。

女の子の顔がさびしそうに歪んだ。
「こわがらないで。あたし、お兄ちゃんのこと、こわくないよ」
実に情けないことに、これまでの人生でいちばん震えていたのは、この5歳は年下であろう女の子に対する声だった。
「…いや、きみがこわいのは俺だから」
「でも、ずうっとここに来てるでしょ。どうして、この建物の幽霊はこわくないのに、あたしのことはこわがるの?」
「…いや、それは…建物は生きものじゃない。きみは、もともと、生きものだ。たぶん」

女の子が弾けるようにわらった。けらけらという声が、病院の建物の中に反響し、回る。ちょっと待った。建物の…幽霊?

「きみ、知っているかな。この町の『縁石』のこと…」
幽霊でもなんでもいい。それで葉が戻ってくるのなら、取り憑かれても本望だ。
「あー…、お兄ちゃんにはもう、ここが『縁石』だってわかっているんだよね」
女の子はこともなげに言う。カンは当たった。ここが『縁石』。
でも。どうしてこの子が知っている?

「それはね」
心の内を見透かしたように、女の子があいかわらず笑顔でいう。
「あたしが、『町』の『意識』だから。『意志』が形になったもの。だから、あたしはもともと、生きものでもなんでもないし、お兄ちゃんのお友達が戻ってくるかわりにお兄ちゃんを取り殺したりしないから、大丈夫だよ」
あっけらかんと言う。取り殺さないって…おいおい。
そして、あの感覚。葉から『町』の秘密、世襲制の原因である『対町対話士』の話を聞いたときの感覚。
……ぜんぜん、話が飲み込めない。

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【2015/02/04 09:34】 | CODE TOWN
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町の『消失』。彼に相談した。
この町の吸収合併。地図。町の最後のメッセージ。そして…市立病院。落下の感覚。
どうして、忘れていたんだろう、忘れることなどできたのだろう。
こちらから、町の内部から『働きかける』約束をした。欠損していく町を元に戻すため。
手帳を元に戻し、石塚さんに頭を下げ、バタバタと喫茶店を後にする。ひとりになって、町に話しかけた。

(月ヶ原町、ぼくの声が聞こえますか?)
(あぁ、よかった。葉、縁石に侵入したあの子はきみの友達なんだろう?)
(そう。すべて忘れていました。どうして…忘れていたんでしょう。縁石をさがすようにいったのは、ぼくだったのに)
苦々しげに声がする。
(静ヶ瀬市の『意識』がこちらに介入してきている。あの子のことをきみが忘れれば、きみはこちらに戻れない。静ヶ瀬が月ヶ原を合併するのが容易になる。)
(そうか…、あなたを通じてぼくの意識を混濁させたのですね)
(卑怯な手を使ったものだね)
町が腹立たしげに言う。こんなに滑らかに話をするのは、何年ぶりだろう。

(葉)
(はい)
(きみは、なにができる?)
逆に訊ねる。
(遥は今、なにをしていますか?)
(縁石のなかで歩きまわったり、考え込んだり…わたしにもあの子にも打開策が見えない)
(わかりました。こちらからも頑張ってみます)
(頼んだ。町の存亡がかかっている)
(わかりました)

町の『意識』の気配がふっと去っていく。
頑張らなくちゃ…、でも、どうやって?
いつも手を貸してくれた遥はいない。いつでも、助けてくれた彼は。
帰りたい、と思った。いや、帰るんだ、戻るんだ。『これからも、いままでも』。そう、彼に告げたのだから。

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【2015/02/05 09:51】 | CODE TOWN
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「きみが『町』の『意志』…?」
「そう」
女の子はこくん、と首をかしげる。愛らしい仕草。…でもやっぱり、その足元は半分透き通っている。
『意志』というか…幽霊、と考えかけて、やめた。ホラーは苦手だ。

「お兄ちゃんと次の町長さん、あたしを助けようとしてくれているんだよね?」
「『町』がなくなることを阻止しなくては、と思っている点ではね」
「でも、お兄ちゃんには『対町対話士』の能力はない」
だから、と続ける。
「あたしが出てきたの。ずうっとここにきてくれているのに、なんにもわかんないみたいだから」
「え?」
「それらしい人間の姿で、ここに来ればお兄ちゃんとも意思疎通できるから」
「全然…それらしく…ないけど、きみが町の『意識』…」
「そうよ。あたしと話すことは、この『町』の『意思』と話していることなの」
「でも、葉と俺は、『町』の『意識』を混乱させようとして…」
ハッと思いいたる。
「葉は…、葉は、無事なのか!?」
「無事っていえば、無事だよ。死んでいないし、こっちに戻ってこられるように頑張ってる」
あぁ…、とため息が零れる。葉も頑張っているんだ。

「あたし、5年前からずっと身体中が痛くて…最近では、だんだん、意識もなくなってきて」
廊下に座り込み、女の子…『町』の『意識』…と話し始める。
あまりに突拍子のない事態に自分の頭がどうかしたのかと思いかけたが、この子の言うことは『現実』と合致している。

「で、お兄ちゃんのお友達に最後のSOSを送ったの。気付いてくれて、よかった」
「もう、それ以外に伝達の手段はなかったと?」
「はっきりした『意志』を伝える『力』がもう残っていなかったから…」
どうしたらいいんだろう、と女の子…町の『意識』がぽつん、と言った。
「どうして、わたしの意識がなくなっちゃうんだろう」
「……行政統合の話が出たのが、ちょうど5年前なんだ。このままだと…たぶん、この町は、なくなる」
え?と女の子が目を見開く。しまった、知らなかったのか。

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【2015/02/06 09:15】 | CODE TOWN
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アイザック・ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て、万有引力を発見したという。
20代も後半の男は、28回目の恋人のいないバレンタインにそれを実感する。
心が感覚として地面にむかい垂直に落下していく感覚。
28年間、ずっと恋人がいなかったわけではない。なぜか、この日を目前に突然、彼女に振られるパターンを繰り返し繰り返ししているうちに、バレンタインには恋人と…というケースはいまだ出来していない。憧れているわけではない。それでもなぜか、『失格』の烙印を捺されている気分になるのはなぜだろう。
『なぁんだ。またロンリーなバレンタインなんだー』
彼女に振られた、と嘆く山岸智を受話器越しに笑ってくれた高校からの親友、両瀬一樹。
『呪いの日みたいだね。まぁ、毎年恒例の漂流バレンタイン会をうちでやるからおいでよ』
どろどろとした黒い氷のような気持ちとともに、智は一樹のアパートの部屋のドアを叩いた。

暖房のきいた部屋。コンビニのおにぎりをかじりながら、智は何度目かもわからないぼやきを零す。
「だからさぁ、今年はなんで俺とお前しかいないんだよ」
「だって、やっちゃんもヒーコもそれぞれ、彼氏ができたみたいなんだよ」
「なんか、ますます漂流っぽくなってきたな。ついに北極圏に突入したか。男ふたりでバレンタイン」
昨年まではこれまた高校時代からの友人の女性陣ふたりも参加する、それなりにパーティーらしきものだったのだが。
「ヒーコはそのうち戻ってくるよ、きっと」
慰めるように一樹が言った。
「なんでまた」
「つきあう前は気配りができるやさしーい奴だったんだけど、いざ、つきあってみたら酷いDV男だったとか。このまえ、電話してきて、泣いてた」
バレンタインらしくない不穏な話題。智の語調が聞き捨てならない!という色を帯びる。
「なんでお前はヒーコを救出しないんだ!」
「それでも別れたくないらしい。それでも、好きらしい」
「なんで?」
首をかしげた一樹は、万有引力みたいなもんじゃないのか、と言う。
「引力みたいに惹かれるの。傍にいる限り、どうしようもない」
「いつからお前は恋愛を説くような人間になったんだ、彼女もいないくせに」
一樹はふいっと笑った。
「ねぇ、智。俺に彼女ができない理由、知ってる?」
「甲斐性がないからだろ」
バッサリと斬った台詞。なんとも言い難い沈黙が流れる。智がしまったな、と思った次の瞬間、一樹が顔をあげた。
「あのさぁ、俺、ずっと待っていたんだよね」
「なにを?」
「お前と過ごせるバレンタイン」
智はきょとんとし、噴き出した。
「お前なぁ。漂流バレンタインパーティーと北極クリスマス会が恒例になって何年経つよ?嫌でもクリスマスとバレンタインは一緒だったじゃないか」
そうじゃなくて、といった一樹の表情が泣き出しそうに歪んでいたので、驚く。
「智と、ふたりきりで過ごせるバレンタイン」
「なんで?」
一樹が睨むように智を見る。すこし、たじろいだ。
「お前さ、キューキョクの鈍感?言わせたいわけ?」
「だからさ、お前回りくどいんだよ。なんだよ、言いたいことがあるならさっさと言っちまえ」
一樹が頑なにテーブルのうえのグラスを見たまま、むしろ滑らかに言った。
「俺、お前が好きだ。恋愛対象として」
智はぼんやりと、こいつまだ弁当食ってなかったのか、と思う。

「お前がノーマルだってわかってて、好きになったのは俺の勝手だから」
一樹のチキンを眺めたまま固まってしまった智に、早口に鶏肉の食べ主は言う。
「でも、万有引力なんだよ。惹かれるのは、どうしようもないんだ。応えてほしいとは思わないよ。思っていないから…だから」
「…嘘だろ?」
「ホントだって。ホントに、なにもいらない。言えただけでもよかった」
矢継ぎ早に肯定と、否定と、健気な台詞が重ねられる。おろおろとした口調。
「そうじゃなくて、お前が俺を好きだっていうのが」
「嘘だったらいいと思うよ。俺だって、自分の気持ちが幻ならいいと思う、でも、ちがうんだ」
気持ちなどという形のないものにも、ほんものや幻があるのだろうか。そんなものを信じるから、万有引力が生じるのだ。見えないものが生まれるのだ。苦しみは見えない。触れもしない。引力とおなじだ。
古来存在した、不可視不可触の力を発見したのは天才の称号をほしいままにする人物だけだった。『古来』も『不可視不可触』もおなじなのに…なぜ、愛を発明するのには、画期的な発見も才能もなにもいらないのだろう。
「お前の気持ちがほんものだという、証拠はどこにある?どうしていままで、なにも言わなかった?」
「証拠なんてない。それに、言えるわけがない」
ため息をつき、智は台詞を吐く。
「根拠のないものをどうして信じられる?」
「根拠のないものを信じちゃいけない理由ってある?」
質問に質問で切り返される。確かに、その理由は、ない。根拠がないから強いのかもしれない。理屈で覆すことができない。理論武装で歪めることも不可能だ。
「一樹」
「なんだよ」
「ごめんな。苦しいだろ」
目のまえの男は、笑った。智が泣きたくなるほど、切ない笑顔だった。
「苦しいよ、そりゃあ、リアルに痛いし。でも、もう二度と逢えない奴を想っているわけじゃないし」
「……そんな大げさな」
「だから、智よりかは苦しくない」
不意に、一樹の手が智の頭を撫ぜた。
「夏帆のこと、まだ好きなんだろ。だから、いつも恋人とバレンタイン前に別れちゃうんだろ」

夏帆。ずっと想っている。いつも、別れ際に言われるのだ。
『あなたは、わたしじゃない別のだれかを、わたしに見ようとしている』
夏帆。もう二度と、どんな手段を使っても、逢いに行きようがないのに。音の、光の速さで走ろうとも、心が裏返るくらいに名を呼ぼうとも。それなのにまだ、万有引力が働いている。
未練がましい、とひとは笑うだろうか。
断ち切れないものを嗤うものには、未練など存在しないのだろうか。

ケーキ食おうか、という一樹の声で我に返る。同時に頬にあたたかい手が触れた。
「泣くなよ。俺まで悲しくなるから。好きな奴が、もう二度と逢えやしない奴のこと想って泣いてるとか、まじで、つらい」
あぁ。泣いていたのか。智はどこか上の空で思う。滲んだ視界にぼやけた笑顔が映った。一樹のチキンはいつのまにか消えていた。

4人分のチョコレートケーキをどうにかこうにか、ふたりで平らげた。胃がつらい。
「お前がしあわせになるまで、漂流バレンタインパーティーはいつでも開催されるから!」
一樹はそう言うと、玄関先にたたずむ智を蹴る真似をした。
「あ、でも、来年あたりヒーコもいるかもしれないな。DV男に愛想尽かして」
智はちいさく笑う。
「万有引力は永遠じゃないのか」
「地球が滅びれば、引力もなくなるんじゃない?」
「俺の引力はとっくになくなっているはずなんだけどな、その説でいくと」
ちがうよ、と一樹は言う。
「お前も地球だったんだよ。引力を発するものだったんだよ。夏帆にとってはさ。地球は壊れていないまま。だから、お前はずうっと夏帆に囚われたまんま。ずうっと、漂流バレンタインパーティーは開催される」
「そう、かな…」
「そうだよ」
アパートのドアを開ける。おー、と一樹が無邪気に言った。
「ホワイトバレンタインだ」
雪が舞い落ちてくる。次から次へと。止むことなく。だれだったか、むかし、こういった物理学者がいたのではないか。智は思い出す。
―…雪は、天から送られた手紙です。
「なんか、切ないねぇ…」
一樹がふっとため息をついた。
これほど心に囚われているのに、だれも報われない恋。想いを受け止めてもらえない恋文。切ない白が地上を埋めていく。智は思う。雪がロマンチックだなんて、満たされた者の傲慢だ。
それでも、引力に従って手紙は空を舞う。落ちてくる。永遠というものがあるのならば、それはこんなにも虚しいものなのか。
白に未来を描いてみようとした。なにも描けない。なにも描けない未来は、なにもない未来と同義だ。なかば投げやりに、智はため息をついた。そのため息でさえ、白かった。

地球の引力に則られ、アパートの入口にふたつ、永遠にしあわせを掴み切れはしない鼓動が音を刻んでいた。さらさらと、雪の降る夜だった。空のうえで、届かない手紙が綴られる夜だった。

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【2015/02/06 11:13】 | お題SS。
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若丸さんへ
砂凪
こんにちは、若丸さん。

わたし、謎の格言を作ってしまいましたね…。
片想いガン無視(笑)まぁ、そうですよね。智くん、ほだされにくそうですね。
ほだされる…BLの商業作品をいっぱい読むと、ハッピーな脳になれそうな気がします。
わたしは、愛を求めすぎて歌詞が暗すぎる曲をメインに恋愛観を築いてきたので…(爆笑)
頑張って、これからいっぱい読みます。精進しますので、どうぞ見守っていてください。

>うまくいかない恋を描いたものが実は多い気が
バッドエンドまでは行かずとも、あいみさんおっしゃるように『メリバ』作品も多々見受けられます。
これからなにかはじまるけど、それでもなにか欠けていて…のような。
大好きなんですけどね、そういう物語(やっぱり!)

>「恋愛」描写の感覚を思い出しました
わぁ、嬉しいです(笑)
BLとしてはどうなの!?というツッコミは多々あるものの、一応恋愛ものの感覚で読んでいただけました。

こちらこそ、いつもお世話になっております。
また、3月も参加させていただきたく、よろしくお願いいたします。

拝読しました
牛野若丸
恋は引力!
一樹くんの片想いをガン無視する主人公智くんがほだされていく、BLの商業作品を読み慣れてしまうとそういう結末を無意識に期待してしまいますが(笑)、夏帆さんの存在があまりに大きすぎて。
この一方通行の愛が解決されるのはなかなか難しい、だけど可能性はゼロではないと思います〜。
そう言えば、僕がBLの商業作品で何が新鮮だったかと言うと、恋がうまくいくところでもあったんですよw
今も昔も世の中の文学作品は、うまくいかない恋を描いたものが実は多い気がします。
ここ数年お花畑のBLばかり読みまくっていたので、昔好きだった「恋愛」描写の感覚を思い出しました。
これから二人にBLマジックが起きてほしいですけどねー(笑)。
素敵なSSをありがとうございました!

可賀さんへ
砂凪
こんにちは、可賀さん。
感想をくださり、ありがとうございます。

『いま以上の不幸はないから』。
そういう捉え方もあったかー!と、目からうろこ状態です。
呪いみたいに唱えて、不幸を願うわけではないけれど、離れていくのもこわくて。
…うん、なんだかすごく実感としてわかります。

〉『しあわせになってくれなんて嘘だ、不幸でもいいから傍にいてくれ』
すごい歌詞ですね…。
でも、本音というか、きれいごとじゃないせいか、好感が持てます^^

雨。こういう場面では水分がつきものなのでしょうか…。

コメント、ありがとうございますー。
今後ともお題SSでの交流、楽しみにしております。


可賀
一樹くんは切ないですね。智くんが夏帆さんにとらわれてい続ければ今以上の不幸はないから、呪いみたいに唱えてしまうのでしょうか。
私の大好きな歌ですが、「幸せになってくれなんて嘘だ、不幸でもいいから傍にいてくれ」と叫ぶ歌詞があります。
なんとなくそのフレーズを思い出してしまいました。歌の中では雪ではなく雨が降っていたのですが。

あいみさんへ
砂凪
こんにちは、あいみさん。
SS、お読みいただきありがとうございます。
遅くなった、だなんてとんでもないです。いつでも感想、ウェルカムですよヾ( ̄∀ ̄)
腰を痛めていらっしゃるとのこと、お大事になさってください。
ちなみに、わたしも雪かきでそろそろ腰痛さん来るかしら~…、と思っています。

『らしい』!書きはじめて間もないのに"らしさ"があると仰っていただけてうれしいです。
『メリバ』…確かに2作ともそうですね。自分が好きなのもあると思います…「これ、もやもやっとした終わりかただな」という作品が。
1月SSの、丘本の気持ちが相手の『重くて逃げたんだ』発言でこの先どうなるのか…が、曖昧この上ないですよね。そうせざるを得なかった相手と重く考え込んでしまった自分。

わたしは、精神的露出狂みたいな部分があって(笑)心を突き詰めないと書けないんですね。
書こうにも心に生まれる〝露出内容"がないと、わたしの場合『なにもない作品』になってしまう気がして。
だから…あいみさんおっしゃるように、書いていてものすごく辛いときがあります。
短編ならまだいいのですが、前作『かなしい音~…』は書いていて実際に体調を崩したりもしたんです。
でも、体調が崩れると(わたしの場合は精神的に、なので)『あぁ、こういうときにはこう思うよな』って自然にしんどい部分のフレーズが生まれたりして。
どこかどこかで自分を切り崩しながら創作している部分もあります。

自分の選択肢。
ただしかったのか、まちがっていたのか、で括れない選択を書くのが好きです(メリバ好きっぽい…)
キュンとしていただけましたか!?
うわぁー、うれしいです!

次回作(長編)に取り組んでいるのですが、これまた途中に暗いエピソードがどかん、と待ち受けています。
そろそろ、諸手を挙げてハッピー!な作品を書きたいです…。

ほんと、春は名のみのなんとやら…ですね。
あいみさんも、お身体お厭いくださいね←最近覚えて、気にいっている表現です(笑)
はい☆いつでもいらしてくださいませ!
ご感想、ありがとうございました。


十織愛深
こんばんは。
大変遅くなってすみませんが、1月と2月のお題SSを拝読しました。
こちらにまとめての感想で重ねて申し訳ありません。
私事ですが、腰を痛めておりまして、長時間PCの前にいられないんです。なので、ふたつのSSについて、こちらから失礼します。

まずは1月のも2月のも、砂凪さんらしいなぁ、と思えるSSだった、というのが率直な気持ちです。
自分ではどうも、こういう『メリバ』的な物語を描きたくない病気(笑)があるため、登場人物の心の機微だとか、そうせざるを得なかった風には書けません。
だから、砂凪さんはそういった人の悲しい部分や苦しみ、切なさをこうして書けるのって、書いていらっしゃるご本人が苦しくはないのだろうかと考えてしまうのです。
勇気がありますよ。自分はそういうのが嫌で、常にハッピーに持っていきたがるものですから。
でも、ふたつの物語、登場人物はそれが自分の選択肢、だったのですものね。
全く切れることはない。けど、恋人としては振る舞えない。この、なんともいえないきゅんとした部分は『切ない系』としてとても勉強になります。
…と、書いたところで自分がそれを生かせるのかといったら難しいのですが。

これからもこの、自分には描けない世界をどうぞ、お書き続けてくださいませ。
まったくのバッドではなく、開けてしまったパンドラの箱のように、ほんの少しだけの希望が見える作風が好きです。

ではでは、まだ春遠い時期ではありますが、お体ご自愛くださいませ。
またお邪魔しま~す☆

Pearswordさんへ
砂凪
こんにちは、Pearswordさん。

恋は引力のような気がするんです!目に見えない、触れられない、でもなんとなく意識するとあっちゃったりして。

雪のシーンはわたしも気にいって書いていました。
だから、褒めていただけてうれしいです。

漢詩は苦手なのですが、そうなのですね。知りませんでした。
物理学者のことばは実際にあったものですよ。
物理も苦手だったのですが(もはや『なに言ってんの?なにしてるの?どこがわからないのかわからないよ!』というレベルで)…このことばだけは先生に教わって、覚えています。
このフレーズのためだけに、物理をやっていたのでは、と思えます(笑)

毎度毎度、コメントありがとうございますー☆

万有引力。
Pearsword
 恋の病は、万有引力とは異なる気がしないでもないが、雪の舞い散るラストシーンは、なかなか綺麗な情景でした。雪を手紙に例えるのは、古くから漢詩の世界にもあるようで、作者の教養の高さを窺わせるものである。物理学者の言葉「雪は、天から送られた手紙です」も、なかなか決まっていますね。現実の言葉か創作かは、僕にはわかりませんけど。
 
 
 

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町の意識にできるだけ、シンクロするようにした。
ぼくにとってまだ、これはとても疲れる。
父さんはずっとこうやって『同調』して町の『意向』を探っているのだけれど。我が父ながら、とんでもない気力だと思う。
……それでも、静ヶ瀬の介入に負けそうになっている。
なぜ、父さんにではなく、ぼくに町がサインを送ってきたのかわかった気がした。ぼくはもう、町長の座を担う準備ができているんだ。この町の絶対権力を掌握することになるんだ。…もし、ここから無事に戻れて、もし、静ヶ瀬が月ヶ原を吸収合併しなければ、の話だけれど。
潰れそうになる。
町から寄せられる期待。信頼。でも、応えなければ。
遥、と空を見上げて呼び掛けた。頑張る。頑張るから。

ときどき、遥のことを、彼と必死に明かした『消失』のメッセージを、忘れそうになった。
静ヶ瀬市の『意識』によるぼくの認識への混濁介入。
ぼくがすべてを忘れてここに留まれば、次期町長がいなければ、ぼくが戻らなければ、月ヶ原町は問答無用で合併されるだろう。
町長のいない町なんて…特に月ヶ原にとっては…重役がそろって消えた会社もおなじことだ。

石塚さんに頼んで、遥の手帳をもらった。手帳を両手に握りしめ、遥、と呼びかける。
名取さんの喫茶店に行っていたんだね。縁石を見つけてくれたんだね。静ヶ瀬市の介入になんて負けない。こっちからもなにか打開策を見出してみせるから。

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だれも傷つけずに生きるなんて、わたしにはできないな。
自分のすべてを好きになるのも、わたしにはできないな。
いつも、いつもいつも、器用に見えるのはまわりなんだ。

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【2015/02/07 09:31】 | CODE TOWN
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「行政統合って…月ヶ原町が…?」
「そうだよ、実質、吸収合併だな」
「だから、なのね…」
膝に顔を埋める。肩が揺れる。すすり泣く声。
「やっぱり、そういうことが起きていたのね」
胸が痛くなる。

『町は守ろうとするんだ、そこにあるものもひとも、なにもかも』
葉のことばが脳裏をよぎる。この子は、町の『意識』は、あまりにもあたたかい。

「お兄ちゃん」
女の子が顔をあげた。その双眸に涙はもう、なかった。
「あたし、合併されたくない。静ヶ瀬市と闘う。お願い、助けて」
「きみがこのまま合併されたら…」
女の子は唇を噛む。取り返しのつかないことになっちゃう…と呟く。
「あたしが『誘引』したひとやものが戻ってこなくなっちゃう」
葉、が…?まさか。

無理に『混乱』させようとしたこの『町』の『意識』。なぜか、共に闘うことになってしまった。
葉、とまた心の中に彼の姿を描く。これで、いいのか?

「別に抗争を起こそうって気じゃないの。対等にわたっていけるだけの力がこの町にあることを静ヶ瀬市に示せれば…」
「なんだか、物騒な連中のシマ争いみたいだな」
女の子が、あはは、と笑う。日曜日、翌日。
『意識』の女の子と俺は戦略を練っていた。きのうは真っ白なワンピースだったのに、きょうはTシャツに7分丈のジーンズという姿だ。『意識』といえど、やっぱり女の子。
「そうだねー。で、お兄ちゃん、どうしたらいいと思う?」
「町史」
なにかの頼りになるかと、俺が調べ上げた町史。俺が言うと少女が首をかしげた。

「静ヶ瀬市より月ヶ原町はうんと昔からある町だ」
「そうだけど…それ、どうやって活かすの?」
「亀の甲より歳の功、って知ってるか?」
歴史を活かす。それしかない。見遣ると、うんうん、と頷いている。
「この町の『記憶』を利用する。きみの『記憶』を…利用する」
「あたしの、『記憶』…」
「そうだ。『記憶』の中のなにかを使って、静ヶ瀬市に『こちらの町には関われない』と思わせる」

なにか…なにか……、ないのか?静ヶ瀬市にこちらとは関われない、と思わせる、なにか。

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【2015/02/08 09:16】 | CODE TOWN
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(葉)
町からの呼びかけがあったのは、その数日後。
(わたしの『歴史』になにか静ヶ瀬市に対抗できるようなものはないか)
(『歴史』ですか…)
幼いころから叩きこまれた、町史。頭のなかでぱらぱらと、ひも解いてみる。考えた。脳をフル回転させる。
(ええっと…ずっと昔の…旧都と新都を巡る争いの際の『あれ』は使えませんか?)

『あれ』。封じられた秘密。鎮められた、この町の『力』。代々の町長に語り継がれる、もうほとんど伝説みたいな話。トップシークレット。

月ヶ原には、『磁力』がある。どんな町の『意識』をも飲み込んでしまうだけの、ありとあらゆる市街を寄せ付ける『磁力』。
その気になれば月ヶ原は日本屈指の市街になりうる。東京もびっくりの超巨大都市に。
それをよしとしないのは、月ヶ原町の『意向』の謙虚さと…巨大都市を統率していくだけの力は『対町対話士』といえどもない、という歴代町長の賢明な判断。そして、町単位での行政、この町ののんびりした雰囲気を愛する人々の姿勢だ。

旧都と新都を巡る諍いでこの国が分かれたとき。この町は新都側の手のひらで転がされそうになった。
『力』を利用されそうになった。
どこからともなく嗅ぎつけられた『磁力』のことを悪用されそうになった。
しかし、月ヶ原町の『意向』を読めなかった者たちには、『磁力』を使いこなせず、『町の狭間』に幾人もが消えていった…という『負の歴史』。だから、封じられてしまった『能力』。

(そうか…それを、葉の友人に伝えてもいいか?)
(え…?)
(彼もわたしも万策尽き果てた。もう、『磁力』を利用するしかないだろう)
(駄目です。無理です。あれが祠に封印された『力』なのは、あなたもご存知のはず)
(彼に…祠の『磁力』の開放を依頼すれば、静ヶ瀬市の『意識』に対する脅しになる。むろん、実際に『磁力』の行使はしない)
(でも、解放するには危険が伴うはずです。遥を巻き込むわけには…)
(仕方ないだろう)
(嫌です!彼はこれまでも充分に力を尽くしてくれました。もう、彼に負担をかけるわけにはいきません…)
(手段はそれしかないんだよ、わかるだろう、葉)
(わかります、わかりますけど…)
考えた。ぞっとする。
(もし、『町の狭間』に彼が消えたらどうするんですか?)

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【2015/02/09 09:53】 | CODE TOWN
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