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秩序のとれた海 例えば君とふたりで
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***

なにをするために辻本の家に行ったのか、俺にもまったくわからなかった。
走りだした車を呆然と見送る辻本の眼が、脳裏に焼きついている。
責めたかったのか、詰りたかったのか、それとも傷を撫ぜてほしかったのか。
そのどれもを俺は中途半端に、辻本に残してしまった。

ただ、わかること。
あのメールにあった辻本の声。新しい世界を見ている眼。
突き刺さる事実の見えない棘を、優しい声で『先生の思い過ごしですよ』と言ってほしかった。そうは告げなかった嘘のつけない彼。

この恋に先が、未来がないことなど、わかっていたはずなのに。
辿り着く場所に、なにもないことなど、わかっていたはずなのに。

辻本の気持ちを見失ってはじめて、見つけたことがある。
『どうして、赤ちゃんができないのかな?』
形のある、消えない絆の象徴として。
似つかわしくない幼い台詞で辻本はそれを望んでいたのに。別に赤ん坊でなくとも構わなかったのに。
それを馬鹿みたいに字面通りに受け取って、家族を持ちだして彼を突き放したのは、俺のほうだ。

『移っていません!』
わざと確かめるようなことを言う俺を遮ったつらそうな声。
すれ違いかけている。互いがおなじものを望んでいるはずなのに。それを、これほど苦しいと思ったことはない。

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【2015/10/01 08:11】 | そこは命のあるところ
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また蘇る、温室の記憶。自分の脳をそっと撫ぜるように優しく思い出す、想い出。
俺は辻本の両腕に軽くひと抱えはある鉢を押しつける。

『ほら、この鉢、家に持って帰れ』
『……え?』
『どうせお前の家、クリスマスっぽいことなんかしないんだろ。せめて、花でも飾っとけよ』
『……でも、これ』
辻本は鉢に顔を埋めて、笑う。
『ポインセチアでもシクラメンでもないですよ。そもそも花がないです。どうして挿し木で増やしたウツボカズラなんですか?』
『ウツボカズラを馬鹿にするなよ』
『知ってますよ。先生が仰っていましたから。触覚手がふたつあって2回接触を察知しないと……』

しゃがみこんで細い指先で植物に触れている柔らかい表情。
情景を頭から消す。切願する。あのころに、戻れたらいいのに。屈託のない愛をそっと差し出せていた、あのころに。

***

乗り越えられないなにかがある。それなのに、避けがたいなにかがある。
僕は、どうすればいいのだろう、なにを選べばいいのだろう。
「……風里先生」
届かない声で呼んでみる。好きです、それなのに。
名前に触発されたかのように、涙が零れた。小学生のころから使っている、木製の机を手のひらで撫ぜた。この机で勉強していたころ。先生は全力で僕を支えてくれていた。

『できるだけ、先生の傍にいるつもりです』
自分が打ってしまった何気ない文面の残酷さに、その文章を受信したひととおなじくらいに僕は傷ついていた。

風里先生はいつか言った。
『眞琴、お前にとって俺は通過駅にすぎないかもしれないな』
そんなことはないです、そんなはずないです、と僕は答えた記憶がある。
それなのに。先生が抱えていた不安や寂しさや視界に、あのことばに込められた気持ちに、なぜ僕は気付けなかったのだろう。
なにを言ってもなにをしても、先生を、自分をひどく傷つけてしまう気がした。
下手をしたら……、下手をしたら、先生がくれた眼差しも優しさも愛おしさも、ぜんぶ嘘になって僕から離れていってしまう。
震えるほどの恐怖とともに、届かない声でもういちど、風里先生の名を呼んだ。

******

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【2015/10/02 08:16】 | そこは命のあるところ
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鍵コメさまへ
砂凪
こんにちはっ!
コメント、本当に本当に、ありがとうございます~~~。
PC開いて小躍りしました!
ひとりでキーボード叩いているのはちょっと孤独なもので……。

『できるだけ、傍にいるつもり』
なにを隠そう、これ、砂凪が大学のころの彼氏にいわれて思いっきり凹んで、「なんのつもり!?」と凹むあまりに逆上した台詞です。
いやー、こんなところであの苦ーい経験が生きようとは。ちなみにその彼とは別れました(爆笑)

……元彼の言いたいこともそうだったのでしょうか。
ひとりでブチ切れて申し訳なかったなぁ……と、鍵コメさんのお言葉を読んで思いました。

本当に、心をことばにするのは、難しいです。
特に、愛を語ろうとするとどうしても相手とのことばのセンスのちがいとかそういったものですれ違っちゃったり…しますよね。

コメント、本当にありがとうございます。
これからもおつきあいいただければうれしく思います!
ではではー。

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***

金土日、と続いた連休も終わり、辻本は日曜である今日の午後、地元を離れる。
もしもこのまま。もしもこのまま、気まずいまま、辻本が地元を離れてしまったら。心を寄せ直すチャンスは少なくとも数週間後だ。
いや、もしかしたら…永遠に訪れないかもしれない。このまま自然消滅を辿ることだってあるかもしれない。
どれだけ愛しても想っても、手遅れになる可能性だってあるのだ。届かなくなることが。
まだ起きてもいないことに、底抜けの喪失感を覚えた。

散々迷ってその挙句、メールを入れる。
『駅まで車で送るから、あのファミレスにいてくれ』
微妙なタイムラグの後、返信に携帯が震えた。
『ありがとうございます。では、3時半くらいにお待ちしています』

時計は10時45分を指している。昼過ぎまで、連休明けの小テストの問題用紙をパソコンで作成するもどうにも集中できない。

辻本にひどいことを言った自覚がようやく芽生えてきた。なぜ、ひとの心は移ろうもの、などとあんな口調で言ってしまったのだろう。
俺の眼の届かない遠くなんか見るな、あのころのように手の届くところにいてほしい。心配できる距離に、気にかけることができる場所にずっといてほしい。なぜ、正直な形をしたことばを差し出せなかったのだろう。

本当はわかっている答え。自尊心、矜持、無駄なプライド。
年上であること、教師だった自覚。
どうしても、辻本に対してどこかで優越した感情を抱いている。
……そして、そんな自分を俺は微かに軽蔑している。

プリントを作成途中で上書き保存する。パソコンの電源を落とす。
どうすればいいのか。ひとつだけ打開策があるような気がした。
温室の記憶は、辻本の網膜にも映し出されているものだろうか。
椅子を蹴って立ち上がる。ジャケットを手に取る。アパートのドアを開けた。

******

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【2015/10/03 08:00】 | そこは命のあるところ
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孝弘が粉末状のスポーツドリンクを冷水に溶かすべく、2リットルのペットボトルをジャカジャカ振っていると明次が起きてきた。時刻は既に午前10時半を回っている。廊下を歩いてくると、のんびり言った。
「おはよー」
「おそよう。お前、起きるの遅っ!」
「おーおー、だれかさんがきのうの夜、っていうかきょう未明くらいまで、俺を容赦なく貪ってたからねー。あー、怖い怖い」
「呪うぞ」
孝弘の呪詛のことばをさらりと無視し、明次は時計を見上げる。
「まはるちゃんは?」
「11時。いまのお前の台詞を聞いてたら、まはるがお化けに怯えてたところだぞ」
「5歳児の使用語彙には『むさぼる』がないと思うけど」

土曜日の朝、9月中旬。残暑はいつまでも残り続け、いまだに熱中症患者が出るそうだ。
姉のこども、まはるを脱水症状にさせてはならぬと思い、しかし市販のドリンクをそのまま飲ませるとまはるがカロリー摂取過多になるのではないかと危惧し、手製で甘さ半分のスポーツドリンクをこしらえている。

インタフォンが鳴った。孝弘が出るより一瞬早く、明次がモニターを覗く。姉とまはるがモニターのなかで頬を寄せ合って柔らかな表情を浮かべていた。
「はーい、いま開けますねー」
明次が愛想よく言うと、ややあってエレベーターの箱が到着した微かな電子音。ドアを開けるベく孝弘が玄関に向かう。
ノブを掴んで扉を開けるなり、5歳女児、まはるが僅かに開いたドアの隙間から室内に乱入する。
「メーーーイちゃーーーん!」
またこれかよ、とがっくりしている孝弘に、姉がいぶかしげな視線を送る。
「『開けますねー』って声、あんたじゃなかったけど、だれかいるの?」
「気のせいだよ。いないいない、じゃあね」
同棲相手の存在を隠すため、慌てて「まはるなら大丈夫だから、夫婦旅行楽しんできて」と姉を半ばあがり框から押し出す形で見送った。

「メイちゃん、ジェットコースターしてー」
リビングに戻ると、まはると明次がじゃれ合っている。おうおう、と蕩けそうな声で応じる明次を冷ややかに一瞥する。
ゆうべ、つれない態度でいまいち乗り気でない様子だったのは、『ジェットコースター』のためかよ。お前はロリコンの変態か。
「じゃあ、市民公園に行こうな」
「やったー!」
まはるが喜んで飛び跳ねる。白い腕が昼前の初秋の陽射しを跳ね返す。その残像がまぶしくて、孝弘は眼を逸らした。

日焼け止めスプレーを明次に「おかーさんがこれ、おそとにでるときに、しゅーしなさいって」と差し出したまはる。
「まはるちゃん」
「なにー?」
「目瞑って、口閉じて、鼻閉じて」
いやいや最後のひとつは無理だろう、と弁当を詰め込んだバスケットを持ったまま、孝弘は噴き出す。
しばらく考えていたまはるは右手で鼻をつまんだ。おお、その手があったか幼児よ。
全身にくまなくスプレーを施されたまはるは明次と手を繋いで歩きだす。孝弘はバスケットを片手につき従う。この構図はなんだろう、と考える。本来ならば、明次の手のなかにあるのは俺のもののはずなのに。

明次の肩のうえでまはるが悲鳴に近い歓声をあげている。大喜びの悲鳴の主に肩車をして、ふくらはぎをしっかり押さえ、恋人は5歳女児とともに閑散とした市民公園を全力で走りまわっている。ジス・イズ・ザ・ジェットコースター。
「いやー、こわいー!」
笑い声の合間合間に『いやがってもこわがってもいない』声が聞こえる。しているときの明次とおなじだ。触れあっている部分からなにかが伝播しているのだろうか。
「つぎー!ブンまわししてー!」
やや物騒なことばを吐き、まはるが明次の頭をがくんがくんと揺さぶる。
まはるを地上に下ろした明次は両手を5歳児と繋ぐと、そのちいさな手の主をぐるぐると回した。信じられないくらいに、人形の靴なんじゃないかと思うくらいにちいさな靴が、ふわっと地面から浮く。まはるがタガが外れたように狂喜する。
時刻は2時半を回っている。マンションから5分の暑い公園で、このふたりは延々とこのテンションで遊びつづけている。孝弘はそろそろ恋人の脳内年齢を危ぶんでいるところだ。
「めいじー、まはるー、すいぶーん!」
そして自分は給水係である。なんだかなぁ、と思う。
あまり手のかからなくなったまはるがちょいちょいと孝弘に預けられるようになってから、明次と甘やかな時間を過ごすはずの週末は、『ジェットコースター』やら『ブンまわし』やら『宙づり逆走り』に潰えている。すべて、いうまでもなく明次が考案したらしきまはるのための遊びである。
「サンキュ」
額の汗をぬぐいながら甘さ半分のドリンクを受け取る恋人をそれでも愛しているのだから、俺の懐は驚愕するほど広いのではないだろうか、と孝弘は思う。

飽きることを知らない、というのは幼児の特権だ。日が暮れるまで、まはるは明次と遊びまくった。
「たかおじちゃん、おなかすいたー」
明次の手を握り締める帰り路、振りかえり振りかえり、まはるは繰り返す。
はいはい、あなたの仰せの通りにハンバーグ手作りケチャップソースがけを用意してあります。
市販のハンバーグにはなにやら理科っぽいものがてんこ盛りらしいから、俺の手作りです。
それでもお前は明次を俺に譲る気はないんだな。
それらすべてのことばを押し殺し、孝弘はわらってみせる。
「まはるの好きなハンバーグがあるぞ」
「やったー!」
5歳女児は左手を宙に突き出した。

まはるが宿泊する際にあてがっている部屋を覗くと、すーすーという穏やかな寝息が聞こえてきた。
それでいい。健やかに、眠りたまえ。決して、断じて、物音や人声で起きてはならぬ。すぴすぴ、という音がときどき混じる寝息に孝弘は言い聞かせた。
セミダブルのベッドの置かれている寝室に向かうと、こちらでも健やかな寝息が聞こえ、がっくりと肩を落とした。
それでも一応気を取り直し、肌掛けの下に潜り込み横になり、恋人の背をパジャマ越しになぞった。眠っていたひとは目を覚まし、どうした?と聞いてくる。

不意に、泣きたくなった。鈍すぎる恋人に、5歳女児にやきもちを焼いている自分に。

「まはる、喜んでたな。えらいえらい」
皮肉をこめて言ったつもりが、明次はそれをそのまま受け取って「そうだろう」と返してきた。
「俺、ああやって遊んでもらった記憶しかないからさー、できることって自分のしてもらったことしかないだろ?」
ひゅうっと、つむじのあたりが冷える気がした。必死に幼少期の記憶をまさぐる。
手を繋いでぐるぐると回してもらった記憶も、肩車されたままで全力疾走された記憶も、どこにも、どこにも……見当たらなかった。

孝弘の場合は学校から帰ると、だれもいないリビングの空気によそよそしく包まれるのが常だった。
遊びから転んで帰っても、学校で洋服を汚して帰っても、だれも、なにもいない部屋だった。
共働きの両親は何でも買い与えてくれた。だから、最新のゲーム機で遊んでいた。なにも見ないなにも聞かない……なにも感じないバリアを、自分の心に張り巡らせて。

「だから?」
いらいらと尋ねた声はくぐもっていた。気取られまいとしているときに限って察しのいい恋人の長い腕がくるっと身体に回された。
「どうした?」
さっきとおなじ台詞。けれど、心配を含んだ声。
「俺にはないよ。あんな風にして遊んでもらった記憶なんて、ひとつもない」
「うん」
あやすように背中を撫ぜられる。
「……じゃあ、これからあんな風に遊ぼうか」
「バカ。っていうか、ほんとバカ。俺を肩車したらお前は脊椎を折って一瞬であの世行きだろ」
「いいよ、孝弘がそうしてほしいなら、それでもいいよ」
「いやだ」
自分よりずっと優しくて穏やかで懐の広い恋人はわらった。
「……どっちだよ」

眠ってしまった明次の頬に手をあてて、祈った。
この優しさが、穏やかさが、損なわれませんように。
俺はそのためならなんだってできるから、だから、どうか。
どうか、やきもちを焼いても嫉妬をしても、このひとの傍に、俺を置いておいてください。
時計の音と柔らかな闇に包まれて、孝弘の涙もやがて穏やかな寝息に変わった。
穏やかな夜が、三人分の命を乗せて空中を彷徨うようなマンションの一室を包んでいる。

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【2015/10/03 15:03】 | まはるシリーズ
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3時15分に鞄を肩にかけてファミレスの駐車場に足を踏み入れる。名を呼ばれた。
「眞琴!」
新しい車の運転席から風里先生が手を振っている。
「お待たせしてしまいましたか?」
「いや、学校に寄ったから、ちょっと早めに着いてな」
僕は首をかしげた。学校?今日は日曜なのに。
「お前に渡したいものがあるんだ。取りに行っていた」
そう言って先生は助手席を示した。乗れ、ということなのだろう。

ドアを開けて乗り込むと、先生はちいさな鉢を差し出した。
「ほら、ミラクルフルーツの苗だ」
受け取ると、さわさわと木の葉擦れの音がする。
「……懐かしく、ないか?」
様々なものが、記憶が想い出が感情がこみあげて、ことばにならない。
そのかわりに、微笑むことができた。風里先生が、笑った。
「お前が植物を見るときの眼、ずっと変わらないな」
「……先生が」
僕はようやく口を開く。
「『生まれてきたら、必死に生きるしかないだろ』って。そうおっしゃってくださいましたから……ひとつだけ、それだけで生きていけることばです」

不意に頭を撫ぜられた。
「お前はいい子だな、眞琴」
先日の夜とおなじ台詞。でも、宿している温度がまったくちがう。

「すみませんでした」
「ごめんな」
声が重なった。眼を見かわす。先生が、苦く笑って言った。
「俺、どうにもうまく言えなくてなぁ…。お前に傍にいてほしいのに、だんだん変わっていくお前が怖くて、でもプライドが邪魔してそんなよわっちいことが言えなくて……」
うん、と頷いた。ことばが続く。
「お前のことをずっと心配していたい。傷ついたら一番に慰めたいし、寂しいなら隣にいたい。お前のためじゃなく、俺のためだよ」
前方を見据えたまま、風里先生は話し続ける。
「お前のなかに変わらないものがあることに気付けなかった。時間は止められないから、お前の成長も変化も、俺にはどうしようもないから……一番大事なものに気付けなかったんだ」

優しい声に包まれる。高2の二者面談のときのように。ずっとこうしていたい、と僕は心から願った。
「帰りの新幹線、遅らせてもいいですか?」
わらって言う。体の向きを変えて抱きつくと、こらこら、と額を小突かれた。部屋に来るか?と訊かれ、頷いた。これから先が見えないのなら、いま、できるだけ傍にいたい。

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【2015/10/04 08:24】 | そこは命のあるところ
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ゆりさんへ
砂凪
こんにちは~、ゆりさん。
コメント、本当に本当に嬉しいです!ありがとうございます☆

切ないですか!?ほんとですか!?嬉しいです!
わたしの目指しているところは『痛切ないBL』なんですよー。
(そのせいでBたちが上手にLしてくれないという弊害はありますが)

ほんとに、、、やっと両想いになってシーズン2であまあま展開と思いきや。
まさかの、はじめての喧嘩。
これはないだろう!とわたしも書いていて思いました……。

ぎこちないのは最後まで眞琴が丁寧語と敬語を外さなかったせいもありますね。
この子、ほんとにお行儀がいいわー…と半分呆れていました。

『がんばった』シーンをざっくり削除しましたが(笑)
懲りずに次回作にもお付き合いいただければうれしいですー。

それでは、コメント入れてくださってありがとうございました!


後藤ゆり
こんばんは!
私もコメントするのは久しぶりですが…
だって、砂凪さんのお話しこそ切ないんだもん!
やっと両想いになって、ここからラブラブか?と思いきや、いえ、互いの心の奥深くではラブラブなんでしょうけど、
ぎこちないと言うか何と言うか…そこがドキドキでもあるのですが。
どんなに好きでも他人同士、言葉にしなきゃ、行動しなきゃ、伝わらないですよね!
風里、真琴、頑張れっ!!!!

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***

「お前の荷物、増やしてわるかったなぁ…そこまで気が回らなかった」
ざわつく駅の構内で俺が詫びると、辻本は軽やかに笑った。
「いいえ、転学手続きをしてこっちに戻ってくるにしても今年度が終わってからですし、ひとりには慣れていますけど、やっぱり部屋に戻ってだれもいないのはまだ変な感じですので……」
ミラクルフルーツの入った袋をかさかさと揺らす。
「世話をするものがあるのは、僕にとっていいことかもしれません」
「植物は話し相手にはならんが」
「テレビと話しているよりマシですよ」

部屋の片隅で緑に語りかける辻本を思わず脳裏に描き、笑った。
じゃあ、そろそろ行きますねと言って、新幹線の自動改札を通り抜けていく。これでまた、しばらく会えない。
そう思ったとき、辻本が振り返った。眼に、俺を映す。

「連休にバイトの休みが取れたら、またすぐに帰ってきますから!」

澄んだ声で言う。俺の好きな声。アパートで優しく確かめあうように身体を重ねたあと、先ほどまでこの声が紡いでいたことばを思い返す。

『“ずっと一緒だよ”、“変わらないよ”。確かにそう思っているんですけど、そうであればいいと思っているんですけど……どこかで曖昧になってしまって……“きっとね”って思っている僕もいて』

時間の止まったあの温室から動けない俺、流れゆく時間に従っていく辻本。
仕方ない、とはまだ割り切れない。でも、温かな光を湛えた眼はまだ俺の傍にいる。ここは辻本にとってまだ、帰ってくる場所だ。
これからの話に怯えるより、今あるものを愛そう。
俺はゆっくりと新幹線の改札に背中を向けた。晩夏の陽射しが眩い世界。

あぁ、あれから、辻本との恋が始まってから、3年経つのか。不意に、そう思った。

******

本当はこの前に『眞琴が散々にあんあん言うシーン』があったのですが
何度読み返してもそこだけ浮いているので、バッサリ削りました。
さわやかに終わり!
……拍手、していただければこのふたりのがっつりエロも描きたいのですが……←最っ低。
「読んでみたい!」というかた、よろしければ拍手ボタンをこっそり押してください(笑)

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【2015/10/05 08:14】 | そこは命のあるところ
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栞さんへ
砂凪
こんにちは、栞さん。
長い長いお話に、おつきあいいただき、毎日お越しいただきありがとうございました。

『生まれてきたら必死に生きるしかない』
共感いただけて、ほんっっとーうに嬉しいです!
悲壮感と希望に溢れた風里先生のこの台詞を考えるのに一晩寝ずにPCを睨みつけていたので。
大切なひとに出会えたら。
きっと、生きるしかない、じゃなくて。
生きていたい、になるんでしょうね。。。

風里先生は色々と心労が絶えないひとで、描いていて気の毒になるほどでした。
これからも、きっといろいろもやっとしながら眞琴との日々を過ごしていくのでしょう。

感想にばっちりなっております!もうばっちりです!

番外編は栞さんの気に入っていただけるかどうか…怪しいです(涙)
もうひたすらサービスシーン(つまりはエロ)で終わっているので。

コメント、ありがとうございました♬

立花さんへ
砂凪
おひさしぶりです!立花さん!!!
立花さんの更新再開、お知らせいただきありがとうございます。早速すっ飛んで行きます。
こうやって日付が重なるなんて……運命以外のなにものでもないですね(≧ω≦)ノ☆゜*・。

一気読みしてくださったとのこと、ほんとーにありがとうございます。
そうですそうです、もうしあわせに過ごしていくんです。
違和感はあるけど身体同士はハーモニー♬みたいなっ!(さらっとこのふたりのがっつりエロ短編の宣伝。)

すみませんですー。
あの、リクエストは短編だったんですよね。
だったらもう、お礼がわりのだけでよかったんじゃないかと思えてきました。。。

次回作は《村役場職員×酪農家の限界集落ラブ》です!
どんなお話になるかは乞うご期待!

ではでは、立花さん宅へGO!

小太郎さんへ
砂凪
こんにちは、小太郎さん。
こちらこそ、長い連載におつきあいいただけて嬉しかったですよー!

先生と教え子の恋が定石かどうか…。
商業BLでは廃れつつあるように思います。
あ、でもそんなことないのかな?

……攻め受け!小太郎さんの発言、だんだん腐になってきてませんか?(笑)
っていうか、攻めと受けの役割分担(?)どっちがどっちなのかご存知なのですね!
風里先生が攻めの、眞琴が受けです。
ここは譲れません。

幸多かりしこと…うん、今日しあわせになってる(笑)

ではではー☆コメントありがとうございました!

鍵コメさんへ
砂凪
こんにちは~。

眞琴はまだ発展途上で、風里先生は若いけど大人。
そのズレってどうしても埋められないんですよね。年齢差って。

>同じ生活を繰り返している……
塾講バイトをしていると(しているんです…)、たまに虚しくなります。
どんなに頼ってくる子も、大学にいってしまうのだから。
もし、愛していたら(絶対にないですが)……ものすごく不安だと思います。

こういう、もやっとしたものを残しつつ終わる感じが好きです。
(自画自賛ですね、すみません)

ハッピーエンドの証拠?にえっろいSS連載を書きましたので、そちらもよろしくお願いします。

いつもいつも、お声掛けしてくださりありがとうございます。
がんばれ!っていわれているみたいで、超長編連載においてすごく勇気を頂きました。

こんばんは。
草木栞
連載お疲れ様です。

『生まれてきたら必死に生きるしかない』
私も似たようなことを思います。
悲しくても辛くても、呼吸を止めるまでは生きていくしかない。
その中で、大切な人と出会えたらいいですね。
先のことを考えてしまうのは、幸せな今があるなら当然のことだと思います。
幸せとは大変なものですね。


感想になっていますでしょうか?
番外編を書かれるそうで、これからも応援しています。
まとまりませんが、今回はこの辺りで失礼いたします。


立花
お久しぶりです〜砂凪さん!
ちょうど私もまた更新し始めたときに、砂凪さんの作品が完結ということで(運命?☆)…ほんとうにおめでとうございます!!!!

ここまで一気読みさせて頂きました♡
とってもステキな物語でした٩(๑^o^๑)۶

これからもお互いの違和感をすり寄せながら、2人は幸せに過ごしていくんでしょうか〜♬

私のリクエストから、こんな立派な話を書いてくださってありがとうございました!!!
長い間、お疲れ様でした♡♥︎♡

次回作も楽しみにしてますね〜٩(๑′∀ ‵๑)۶•*¨*•.¸¸♪





那須の小太郎
長い連載お疲れ様でした。

異性間の先生と教え子の恋はよくあることのようですが、
BLの世界でも定番なのでしょうか(・・?

真琴と風里先生は攻め受け、明確に分かれてますか?(^_^;)
お二人に幸多かりしことを祈ります(^_^)/

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『そこは命のあるところ』の最終話にたくさんの拍手、ありがとうございました。
20個きたら、がっつりとエロい短編をあげようと思っていた、ら!
昨晩の時点で28拍手!
…ふふっ。
というわけでぜんぶR指定のSS連載はじまりでーす(ノ´▽`*)b☆


***

いつまでたっても部屋のドアを開けてくれないので「どうしたんですか?」と尋ねた。
「部屋にあがったら、二度と帰れなくなるぞ」
と、風里先生はからかうように言った。
僕は真面目に、そのリスクとメリットを脳内で天秤にかけた。とても正常な判断ができているとは思えない頭で「構いません、べつに。ちょっとだけ困りますけど」と答えたら、頭ひとつ分うえから笑顔が降ってきたので答え方はまちがっていなかったのだろう。

そのやりとりを聞いていた風里先生のアパートのドアが閉まったのが、つい20分ほど前の話。
あがり框で抱きしめられてキスされて、ゆっくり話したいと思う僕の頭よりも、ここ3週間持て余していた身体のほうがお互い正直なものらしく、こうしてベッドで裸身も露わに仰向けに縫い止められている。
風里先生はこの体位で僕を抱くのが一番好きだという。「顔を見ながらしたい」という。僕にとっても特に異論はない。
こういうことで見解の相違がある恋人同士は、いちいち血を見るような喧嘩をするんじゃないだろうか……と、先生にあちこち撫ぜられたり舐められたりして、霞がかりかけている頭で考えている。

「眞琴」
「なん、ですか?」
「ここ、きつく噛まれたい?優しく舐められたい?」
僕の薄い胸の、色がちがっているあたりに唇を這わせながら、先生は訊く。ぼっと顔に血がのぼる。
「やだ、そんなこと……」
「可愛いなー…」
微笑んで呟くと、僕に圧し掛かっているひとは期待に尖った部分にそっと歯を立てた。
「……やあっ、あっ」
「そういう声もまだ初々しいなぁ……」

歯の隙間から胸の先端に舌先が触れると、どうしようもない声がぽろぽろと口からこぼれる。顎が上向くと、自分の荒い息づかいが聞こえて恥ずかしい。
指と指をからめて握っていた右手から風里先生の熱が離れる。快楽の予感に腰が震えた。僕の下肢で脈動をはじめているものに指をからめて、風里先生は囁くように訊いた。

「こっちはどうされたい?」
「…なん、で……訊くのやだ……」
「ここできゅうって締めつけられて、親指で孔を弄られんの好きだよな……すぐぬるぬるになって声が高くなるから、わかる」
ばさばさと頭を振っていやらしいことばを否定するも、形だけの否定は肯定。風里先生はその通りにするから、僕の身体もその通りになる。
「……あっ、ん!んんっ!……ふうり、やめて」
「なんで、気持ちいいだろ」
「いい…から、こわい、やっ!」

手で触れられているだけなのに、自分だけ先に突っ走って簡単にいってしまいそうになるから。
ぽこぽこと湧きあがってくる快感に、悶えるしかなくなるから。

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【2015/10/06 08:19】 | そこは命のあるところ
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立花さんへ
砂凪
こんにちは、立花さん!
コメタイトルの『♡』でわらってしまったわたしをお許しください~~~。
ほんと、『♡♡♡』くらいでも構わない展開になります。
あまあまラブラブです!!!

「部屋にあがったら、二度と帰れなくなるぞ」
……すみません、深く考えずに打鍵音を響かせていました。
ふかーく考えたら…ものすんごくどろどろエロな台詞ですね。どうしよう…(爆笑)
先生ステキですかー♪ありがとうございます。
台詞、いくらでもお持ち帰りくださいー。
っていうか、なにも考えずにこれ書いてたとか……わたし意外とエロ方面の伸びしろがあるのかも!(自分で言うな)

ねちっこいのが好きです……。商業BLでもねちっこいシーンが出てくると『わーい!』ってなります。
あと、ことば攻めも好きだったり……。
どこにいった、わたしの清廉性!(もともとあったのかどうかも怪しいものですが)

いままで禁欲していたぶん、好き勝手書いております~。
わたしも自分がピーーーだけのSSを書くなんて!という感じです。
いや、ひとは変わりますね……。

楽しみにしていてくださいね。うふ。

ゆりさんへ
砂凪
こんにちは、ゆりさん!
【海空】とはなんともはや、いやいや、ニアミスで完結しましたね~♡
ありがとうございます。

風里先生は気苦労がこれからも絶えないんじゃないかな……と思います。
しあわせを願ってくださり、ありがとうですっっ!
っていうか、風里先生、弱気攻めっぽくないですか!?
いや、スピンオフのこのシーン、そんなことないか……。

あんあんされちゃう眞琴……すみません、若いぶん(9歳ちがいなんですね)眞琴のほうが貪欲☆です!
もうもう、ゆりさん、わたしになにをいわせるんですかーーー!←勝手に申し述べた。
眞琴の開発されっぷり、存分にお楽しみください♬

ではではー!


立花
↑٩(๑^o^๑)۶
うンもうラブラブですね〜L♡VE・L♡VE!

「部屋にあがったら、二度と帰れなくなるぞ」
キャ〜〜〜〜₍₍ ( ๑॔˃̶◡ ˂̶๑॓)◞♡
なんていやっらすぅぃのでしょう!!バンバン!!
ステキ過ぎます先生!!抱いて!!
てかむしろパクらせてください、この台詞(笑)
勝手にお気に入りです(⋈◍>◡<◍)。✧♡

センセー、えちは意外とねっちこいのですね、言葉攻めですか、エロ親父ですか、大歓迎ですっ!!(諸手を挙げて)

今まで禁欲的だった印象の強い砂凪さんがピーーーだけの短編を書くだなんて!
楽しみにしてます(´。✪ω✪。`)ギラギラ


後藤ゆり
こんにちは^^
本編完結おめでとうございます、お疲れさまでした^^
風里先生、今後も素直過ぎて不器用な真琴の発言にいろいろ苦悩しそうですが、
2人とも幸せになって欲しいな~🎶
風里先生にアンアンされちゃう真琴をもっとみたい💛 と思ってたらこのSS、
むふふ💛
開発されていく可愛い(エロイ)真琴が楽しみです💛


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風里先生は低く囁いた。
「気持ちよくしてやるから、黙ってろ」
すこしかさついた親指で、傷のようなちいさい孔を広げられるようにぐりぐりと捏ねられるともう、ダメだ。
自分の声とはジャッジしたくない淫らな音声で室内が溢れる。
「あぁ……いい、んっ、あ、はぁん…」

風里先生の手の動きに合わせて腰を揺らすと快感がいや増して、瞼の裏に光が横溢した。
目を開けているのか閉じているのかもわからないほどの強い光。

「出し、たい……いきたい、…あぁ、だめ!ああっ!」
好きなところを散々捏ねまわされたせいで、痙攣するような激しい、いきかたになる。
恥ずかしくて目を伏せると、左手で頭をくしゃっと撫ぜられた。
「ごめん、つい…。お前、一回いかせてからのほうが、なかが柔らかくて気持ちいいんだ」
「……ひど、い…」
恥ずかしい台詞に、じとっと見上げると苦笑される。
「しているときだけ、無意識に丁寧語と敬語が外れるとか……お前どんだけ可愛いの」
蕩けるような笑顔がいたたまれなくて、無駄な抵抗を試みる。
「ひどいことをおっしゃらないでください!」
「無理すんな、お前の気持ちいいことは俺の気持ちいいことだから」

先生のものが腿の内側に触れて、その熱だけでまた感じてしまいそうになるのを堪える。
僕は一度いくと、自分でも歯止めがかからなくなる。求めても求めても、足りなくなる。風里先生に呆れられるほど。
「じゃあ」
ほら言うぞ、ほら恥ずかしいことを言うぞ、と覚悟を決めて口にする。
「風里も、僕で気持ちよくなって」
「……おい、いまの軽くヤバかったぞ」
苦笑いした風里先生が、それでも興奮の度合いを増したのがわかって僕は微笑む。

******

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【2015/10/07 08:20】 | そこは命のあるところ
|

ことゆりさんへ
砂凪
こんにちは、ことゆりさん。
わたしの水族館にウェルカムです!
水族館の最高経営責任者(わたしでいいのか!?)、砂凪です。

「僕で気持ちよくなって」
もう、いろいろ脳内アラートを外して書きました(笑)
かなりやばいとの反応、ありがたく頂戴いたします!

それでは、今後ともよろしくお願いします!


ことゆり
「風里も、僕で気持ちよくなって」
きゃぁ~~~っ(〃ω〃)
軽く・・・どころか、こっちはかなりヤバいです!
( *´艸`)クス

コメントを閉じる▲
「あぁ、いいっ…いい……っあ、そこ、いつもみたいに……ああっ!」
僕の腰が何度も跳ねる。
ふたりぶんの荒い息づかいと僕の上擦ったいやらしい声、濡れて光る音、淫猥な行為のかけらが部屋に充満する。
「…こう、だろ?」
僕が感じて感じて、どうにもならなくなる場所を風里先生のものがいつものやりかたで擦る。
「あぁ、それっ…!それ、もっとして……」

自分でも淫らで恥ずかしいことを口走っていると思う。
けれど、ぶつぶつとジャムを煮詰めるみたいな粘性のある音を立てるように沸騰する快感に負けてしまう。いつも。

「眞琴」
「あ、はぁ……、なに?」
「胸、自分で弄るか?」
疑問形なのは、僕がもうそれに従うしかなくなっていることを風里先生が知っているから。
ぐったりしかけている両手で、散々捏ねくりまわされたせいでぽってり腫れたようになった自分の胸に触れる。
ばっ、と一気に快楽に油が注がれる。気持ちいいのはお互いで、後ろが風里先生を締めつけたのがわかった。
先生のものの脈動が、僕の口からこぼれそうだ。
腰を揺する。気持ちいい。もっと気持ちよくなりたい。もう、それしか考えられない。
胸の蕾を指で摘むと、指で苛める。
「あ、はぁ…っ!ん、うん、……あぁっ!」
「おい、待てって…おいっ!うわっ―…」

僕の視界が白く発光し、細い管から粘度を増したものが迸ると同時に、風里先生が僕のなかで弾けた。隘路に溢れるものの感触に、僕は背をわななかせる。

「なぁ……眞琴、お前」
荒い息の隙間からなにか言いかけた風里先生の唇をキスで塞ぐ。
もっとほしい。まだ、足りない。欲情がサーモグラフィーみたいに色彩で判定できるなら、僕の頭も身体もきっと真っ赤に光っている。
「もっと、して。……たくさん、いかせて」

******

砂凪、歌声を『ちょー鬱エロい』と親友にいわれたことがありまっす!(´∀`*;)ゞアハハ...
鬱くない!エロくない!

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【2015/10/08 08:18】 | そこは命のあるところ
|
「きもちいいから、もっと」
僕の声に先生が目を見開く。すぐにそれは優しく細められた。それと同時に『柔らかくて気持ち』よくなったはずの部分が微かに次を察知する。
先生は僕の背中に手を回すと、僕を抱き起こした。先生の腰と太腿のあいだに正面から乗り上げる形になる。
自分ではどうしようもないやりかたで繋がりが深くなり、SOSを求める悲鳴のように、息もできないほど喘ぐ。

「あ、あ、あっ、深……っ!」
「お前、これもきらいじゃないだろ?」
「あ…、すきっ、いい……!あぁ、きて、きて、もっと、そこ…!」
何度でもいかせてやる、と優しく言った先生が激しく腰を突き上げてくる。僕もゆるゆると身体を揺らす。

身体の内外のあわいに溶けてしまいそうだ。蕩けてしまいそうだ。
不定形の生きものになり果てて、ただ、快感だけを求めてしまいそうだ。でも、それも悪くないかもしれない。

ぐちぐちと、繋がりあった部分から音がする。その淫蕩さに興奮する。
膝ががくがくと勝手に痙攣して、風里先生も僕も、また達した。いったばかりで荒い息の隙間から、先生が言う。
「お前だけだよ…、眞琴。好き、だ」
「うん、風里、好き、大好き」
首にしがみついて甘える。もっと?と先生が訊く。僕は頷く。奥が蠢く。苦しいのに熱くて、快感で溺れそうになる。

大好きなひとと交わることがこんなにしあわせなんて。もっともっと、と望んでも底知れぬほど気持ちいいなんて。
知らなかった。風里先生がいなければ、きっと知らないままだった。
目を閉じる。また光が明滅する。この光はきっと、命そのものだ。惚けた頭で、そう思った。僕がしていることは、きっと、命を紡ぐことそのものだ、と。

溶けていく正常な思考のなかで、白い世界をふたつの影が歩いていく幻を見た。
がんばれ、と僕は言う。だいじょうぶ、がんばれ、と。

******

ただひたすら『なさっている』短編って落とし所が難しいですね。
……なくてもいいようなものですけど。

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【2015/10/09 08:37】 | そこは命のあるところ
|
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