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秩序のとれた海 例えば君とふたりで
こんにちは。
おひさしぶりです、砂凪です。
新規のお魚搬入(更新)が止まったかと思いきや、前言も予告もなく閉館する水族館。
そんなフリーダムな経営方針を持つ館長ゆえに古参のお魚たちも若干戸惑い気味っっ⌒☆゜

………じゃないですね、ご心配をおかけしました。
わたしは、ちゃんと元気です。
元気なのですが、ちょっとまぁ、『コンバット with 現実モンスター』を繰り広げるにあたり、いったん閉館させていただきました。

『コンバット with 現実モンスター』。
まぁ、見事闘いに破れて「国破れて山河あり……」と呟きながらここに戻ってきたわけですが。。。
「もう知らない!ぷい!ひとりで生きるもん!」と実家を飛びだし、首都圏在住の親友宅に転がり込み(この時点で全然ひとりで生きてない)、ゴールデンウィーク返上でバイトを探していたのですがことごとく不採用、優しい親友ちゃんにこれ以上迷惑かけられないが故、「レ・ミゼラブル……」「国破れて山河あり……」とへろへろ自宅回帰しました。
……まじかよ!と画面のむこうからのツッコミがありそうですが、まじです。
嘘みたいなほんとの、ってやつです。

親友ちゃんにも指摘されましたが、わたしは《思い込んだら一直線のひと》みたいです。
しょうがないじゃん、思い込んだらもはや、前しか見えないんだから。

以下、思い込むに至った経緯についてです。
『わたしの人生のために、わたしはいま何ができているのか』という自分に自分で課した謎の命題の答えがひとつも思い浮かばず(3月後半)、頭のなかが『わたしは、わたしは、わたしは』『なにをやっているんだろう』というフレーズでいっぱいになりロックイン状態になり(4月前半)、折悪しく家族トラブルが頻発し眠れなくなり(4月中旬)、「実家にいるからわたしダメにんげんなんだわ…」という短絡的結論に落ち着き、ました。
……いま落ち着いて考えてみると、自分でもまじかよ!とツッコミたくなります、ええ。

でも3月、4月はつらかった、苦しかった、情けなかった。
アナログ日記から抜粋すると、以下のように縷々述べています。
《もうわからない。なにが嬉しくて、なにが好きで、なにが楽しくて、なにがしたいのか、全然わからない。どこに行っても八方ふさがりだ》
《どんどん、洞窟の奥に奥に迷い込んでいくだけの人生みたいだ。トンネルじゃなく、洞窟。だから出口も光もマトモな空気もない。ただ暗い道が続いていくだけのわたし》
《いったいぜんたいなにがどうなって、こんなところで座礁しているんだろう。答えが見つからないまま、心はおなじレールの上をぐるぐる回る》
《◎◎という物質の含まれた物体、としか対象物を認識しないでごはん食べてる。生きるために食べるのか、食べるために生きるのか》
……自分で抜粋しておいて言うのもなんですが、あまり再読はお勧めしません。ウツりそうです。ドン暗いよ、わたし!分析癖入ってる割に全然冷静じゃない太宰治みたいだよ!

お食事系アラートが出たあたりで実家を逃亡し(親友ちゃんに「……やつれた?」と言われました)、なんにも解決してないけれど、『コンバット with 現実モンスター』には破れたけれど、3月4月よりは気持ち的にだいぶ楽です。いったん家を出てみて、よかった……のかもしれません。たとえそれが、非常識でアホで馬鹿でどーしようもない行いだったとしても。
ただひとつ言えることは、太宰phaseに入りかけたら、だれかに頼ってでもいい、「まじかよ!」みたいなことをしてみたらどうだろう、わたし。

そして。
非常識でアホで馬鹿でどーしようもないワタクシ、砂凪ですが。
よろしければ今後とも、どうぞよしなに。

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【2016/05/12 17:00】 | つぶやきサボり。
|

ぶれこみさんへ
砂凪
こんばんは。
なにはともあれ、ただいまです。
帰るつもりは毛頭なかったのですが、仕事が見つからない限りはどうしようもありません。

突発的ではなく、ひと月前くらいから計画だけはたてていたんですよね。
で、GWに友人の都合がいいというので決行を連休にしたというお話になりました。
ついでですが、わたしはトーシツではないみたいです(モッチーによると《抑うつ性不安障害》らしい。診断が変更になりました。)

大仰に書きすぎたかもしれません。
「暇な時間」の蓄積のなかで、「なにやってんだろう、もっと有意義に過ごさなきゃ」と。そう思ったのです。
《現状の目の前のことがなにもない》という現実に屈しちゃったんです。

飛ぶ前に見ると動けなくなるので(笑)、考えずに動くこともたまには必要みたいです。←それを見切り発車とひとは言う。
田舎は物価も地価も安いですよね←痛感した。
野菜なんか夏場になると余るほどあるし。

まー、自活できるように頑張りますです。

へぇ~、冒険してきたんだ~。
ぶれこみ
 なにはともあれ、おかえりなさい♪
 無事帰ってきてくれて嬉しいよ!! (*^_^*)
しかし、なんかそういう突発的行動は、統合失調症的だよね。でも、受け入れてくれる友達が居るというのは強みだよね。大切にしてね。
 自分の人生のために何が出来ているか?というのは、割合誰でも思うことでは無いかな? でも結局たいしたことは出来なくて、現状の目の前のことをやるしか何も出来ないというのが、殆んどの人だと思う。それを、思い切って短期間とはいえ行動に出したのだから、実行力はあると思うよ。でも、本当の意味の行動力というのは、考えて動かないとつかないものなのだと思います。
 田舎にいるから何も出来ないわけではない、田舎には田舎なりの利点がある、そういうこともよくよく考えてみると良いかもしれません。
 

小太郎さんへ
砂凪
こんにちは、小太郎さん。

申し訳ありません、ごめんなさい、弁解の余地なしです。
予知広告を出すわけにもいかなかったので(まさか《お家を出ます!》とは言いづらい)、予告告知一切なしで閉館。
小太郎さんは……心配してくださっているだろうな、とは思っていました。
経緯をお伝えして、安心していただけてよかったです。

いままでの仕事をやめてしまったので(思慮浅薄)、実家近辺でまた、職探しをしなければ。
とりあえず、ハローワークに行ってきます……。←身から出たさび、自業自得。
これは座右の銘たる《他力本願》はダメなので(これを銘しているのとかまじでサイテー)、頑張ってがんばります。

コメントありがとうございました。
おバカな管理人ですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☆

おかえりなさいですm(. .)m
那須の小太郎
砂凪ちゃん、こんばんは。(。・・。)

急に閉館されてしまったので、戸惑うとともに不安で心配でした(T_T)
経緯がわかって取り敢えず安心←安心していいのか(゜_゜)

今は、まともな仕事を見つけるのは容易じゃないよね(-_-;)
焦らず気長に行ってください。ご家族仲良くね~(^_^)/~

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その転校生の第一印象は「なにこいつ、最悪やん」だった。そしてそれは、クラスメイトの大半の統一見解だった。
学期の途中の編入生、イレギュラーな闖入者はどんな奴なのだろうか。
滅多にない事態の発生に、いきおい、その好奇心と警戒心が綯い交ぜになった視線を浴びながら。地域のママさんパパさんによると《息子を入学させたい中学校第一位》たる中高一貫の男子校への転入生は無愛想な棒読みもあんまりだろ、という声で簡潔にこう言った。

「月田です。よろしく」

担任のミミセンは苦笑いして、月田に「もうちょっとなんかないんか」と声をかけた。「趣味とか特技とか別にないんで」と答え、首をかしげてすこし考えた月田は、微笑んだ。
夏のはじまりのじとっとした空気のなか、染めているのか地毛なのか判然としない茶髪が揺れた。

「薄気味悪いって思いますね」
ミミセンがぽかんと闖入者を見た。
「なにここ、男ばっかで気持ち悪いなぁって、思いました」

関西弁もあまり好きではないです、と続いたきれいな標準語のイントネーションに、クラス全員が呆気に取られてフリーズした。
一応の進学校に意気揚々と入学して、たった半年の中学生。こんなこと、言われる筋合いはない。
取り繕うように、ミミセンの声がした。夏の教室に虚しく響いた。
「……まぁ、なかようしてやってくれや」

取り繕う気もフォローする気もない、僕も含めた全員の統一見解再び。「やなこった!」
共学校への憧れと、自分たちへの微かな自虐。その心理を、鋭くえぐり、突かれた。まるで狙い澄ましたかのように、見透かしたかのように。

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『irreplaceable=かけがえのない』です。
英作文で使うと褒められワード(from英語教師)になります!

【2016/05/17 16:14】 | irreplaceable/Holy you
|

ぶれこみさんへ
砂凪
おはようございます、ぶれこみさん。

もうほんとにいつも読んでくださっていて、ありがとうございます。
つかみ……ありがとうございますー。
褒められて伸びる子なのでどんどん褒めてやってください。

でも、確かにつかみは難しい。
いちばん、つかみに苦労したのが『そこは命のあるところ』で、プロットはあるのに「まじかよ書けねーよ!」って思いました。
まぁ、結果としてそこそこ納得いくものになったので結果オーライです。

以後…どうなんだろう、ご期待に沿えるかは自信がないですが…よろしくお願いいたします。

小太郎さんへ
砂凪
おはようございます、小太郎さん。

出没時間がばらばらすぎますよね……。
心許ない感じで動いています。
凹むことばっかりですが。

『イリプレーザボー』みたいに発音します。
日常会話ではあんまり使わないかもしれません。
そうですー。こんどは中学生が主役です。

いつもこめんとありがとうございますー。

つかみが巧いね~!!
ぶれこみ
 「Painkiller」のときも「奈落の揺り籠」のときも感じたけど、砂凪ちゃんはつかみがとても巧いですね。ぐっと興味を惹かれて、先を読みたくさせる、そんな冒頭部が特に最近の作品では目立っているように思います。
 僕の作品はどれもこれも、つかみがド下手なんですよ。地味で暗くて、先読みたくねー、って感じの導入部ばかりです。ここは、砂凪大明神を礼拝して、少し才能を分けて貰おうかな。今度、米と榊と塩をお贈りしますよ、どうぞ受け取って下され……。(←嘘つきは泥棒の始まり)
とまれ、以後期待できますね。また読ませて戴きます。


再開あざーす(^O^)
那須の小太郎
こんばんわ~(^。^)/

出没時間がバラバラなようで!
生活スタイル少し変わったんでしょうか(?_?)

『irreplaceable』読めない、発音できない(。・_・。)
今度は中学校が舞台なんでしょうか(・?・)

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「ホリィ、ホーリィー!」
昇降口から焼却炉にごみ箱を持っていく途中。同級の中尾が箒を片手に肩をすくめて追いついてきた。
3日ほど前から聞こえはじめた蝉の声が流れ込んでくる。
制服のシャツをぱたぱたやりながら、いつになったらクーラーが入るのだろう、と冷暖房完備のはずの校舎を見上げた。
中尾の不機嫌な声がする。お調子者の彼、いらいらしたこの声のトーンは珍しい。

「なぁ、あいつ、何なん?」
「僕かて知らんわ」
僕がバッサリ切り捨てると、中尾は級長さーん、という。
「なんとかしたってくれや。あいつアホちゃうか、何なん?気持ち悪う、かて自分も男子やんか」
「せやから、知らんて。それにアホ言うたらあかんで」
「けど、あいつ、何なん?第一印象、めちゃアホやろ」
「だから、言うたらあかんて。ミミセンに言うたるで」
両手でふりあげた箒の柄を僕の頭上すれすれまで降り下ろす中尾は剣道部だ。むくれた顔で呟く。
「ミミセンかて、自分、アホだのクソだのしかよう言いはらへんやんか」
「それも言うといたる。てか、アホはお前や」
「なんで」
「ガッコの木で竹馬作るのやめとき言うたやろ。しばかれんで、そのうち」
なんでバレとるんや、級長は千里眼や……と立ち尽くしている中尾をその場に残し、焼却炉に向かった。

暑いなぁ、とすかんと晴れ上がった空を見上げる。良くも悪くも現代っ子、冷暖房がないと生きていけない。
『男ばっかで気持ちわるいなぁって、思いました』
聴き慣れない標準語の声がふと、蘇る。正直すぎる感想。あいつにとっては、ここは居心地のわるい場所なのだろうか。冷房のない猛暑日のように。

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【2016/05/20 06:00】 | irreplaceable/Holy you
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どうも、こんばんは。砂凪です。
『irreplaceable』が不定期更新でほんとに申し訳ありません。
いろいろ、方向性で行き詰まっている…っていうか、中学生が主人公なのとか「大丈夫なのかな、わたし」と今更思っています。
連載始めちゃったので、最後まで書こうとは思います。
ご期待(なんの?)に沿えるかどうかはわかりませんです、はい。

さておき。
みなさまご存知の通り、わたしも大概へんなひとですが。
わたしに、わたしの人格形成に、いちばん深くかかわったひとがそれに輪をかけてへんなのでは…とは常々疑っていたのですが、きょうそれを確信したのでちょっとお伝えいたします。

わたしの形成者……母、です。

どうやらわたしが家を空けている間に、わたしの部屋のテレビ(やわらか銀行さんのフォトビジョン)の録画履歴をなぜか見たらしく。
その行い自体は…まぁ、うちのリビングのテレビに録画機能がないのでしょうがないのはしょうがないのです。
(ほんとはやだけどね!)
だけど、その録画履歴から『葬式の際のBGM希望曲』を拾うのはやめてくれ…と切に願うばかりです。。。

きっかけは先程。
「あした、Eテレのびじゅチューンの日やんな?」と、あしたに関する想定していない角度の質問がきて。
ちょっとびっくりしたわたしと平然とした母の会話は以下の通り。
砂:「そうだけど…っていうか、なんで知ってるの」
母:「あした日曜やん」
砂:「や、そうじゃなくて。なんで日曜はびじゅチューンだと……」
母:「あんたの部屋のテレビの録画見てんけど、ぜんぶあの番組で」
砂:「はぁ…(まじかーーーーー!←内心の声)」
母:「あした、『鳥獣戯画ジム』やる?」
砂:「いや、あしたは『お局のモナリ・ザさん』」(毎週チェックとはファンの鑑!)
母:「わたし、あの曲好きでな」

次に、母がこうのたまうのを、わたしは聞きたくなかったのです。
母:「わたしが死んだらな、『鳥獣戯画ジム』をお葬式のBGMにしてほしいねん」
MA☆JI☆DE!?いや、ちょっと待ってちょっと待って。
曲調がまずダメでしょう。
ちなみにこの曲です。1分半、耳を傾けてください。



……パーティーじゃなくてもしものお葬式!「ドレスが入らない」ってなに着て棺桶に入るの!筋肉どころか骨になってるはずだよ!
かーちゃんのお葬式は我が家のネタかよ!
母:「いや、お母さんエアロビクスしてるし、ジョギングでだいぶ痩せたやん?」
砂:「……そうか、人生賭けてたんだ」
母:「そうやぁ。だから、葬儀屋さんにお願いしてなー」
やだよ。無理だよ。恥ずかしいよ。

……妹の珠湖ちゃん(仮名)も『びじゅチューン!』このあいだから好きだなぁ。ぶるぶる。
いま、わたしの一番の願いは天然の妹ちゃんと風変わりな母親が、お葬式びじゅチューン同盟を組んだりしていないこと、です。
っていうか、わたしの好きなものを有事にぶっ込んでくるからさ。
「そうかー、嫌でも母はわたしより先に死ぬんだなー…」って思っちゃったじゃん。
でも、ちっともしんみりできないーーー!!!

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なんかこのカテゴリでいいのかな。。。

【2016/05/21 21:32】 | つぶやきサボり。
|

小太郎さんへ
砂凪
こんにちは、小太郎さん。

蛙の子は蛙、とはよく言ったものですね。
かくいうわたしも、「もしも結婚式(たぶん一生訪れない人生イベントですが)挙げるなら、入場のBGMで『兵馬俑ウェディング』かけたい!」と思っています。
まぁ、こっちは式場のひとの苦笑いと共に許されそうですが(……その前にだれと結婚するのかが問題で、わたしの理想のひとは『未婚』『男性』『びじゅチューンをしってる』『ザ・包容力』なのですが、最後のハードルが高くて困ります)

ちなみに、わたしはしばじゅんの『君へ』をお葬式に流してね、と妹に伝えてあります。
まじで泣かれてビビりましたが…(苦笑)
あの曲は、いい歌だ。

いつもしょーもないエントリまで、優しいコメントをくださってありがとうございます。

おはよーさーん♪おはよーさーん♪
那須の小太郎
血は争えないね(@_@;)
賑やかなお葬式になりそうですが高齢になったら
また好みが違ってくるかもしれませんね(。・・。)

私も20代の頃お葬式にはお坊さんの、お経ばかりじゃ寂しいので
こんな曲をかけて欲しいというのが有りましたσ(^_^;)


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空になったごみ箱を片手に教室に戻ると、賑やかに放課後の掃除が執り行われていたはずの教室の空気が凍りついていた。
「どうしたん?」
入り口近くで啞然としていた西木を捕まえて訊ねると「最悪や」という返事が返ってきた。
「最悪ってなにが」
問いかけながら、その答えのおおよその見当はついていた。
「あの転校生な、『掃除進まんから、俺付き合われへん』みたいな態度で帰りよったわ」
転校初日からアホだの最悪だの、散々な嫌われ様である。
「なんでなん?」
「知らんわ。ほんまに、宇宙人が転校してきよった」

月田はその後3日と経たず、その宇宙人ぶりを遺憾なく発揮した。
班ごとの昼食の席を外し、午後になると消え、体育と数学の授業はことごとくサボった。
僕がミミセンに呼び出されたのは、宇宙人の来訪からたったの1週間後。呼び出す相手がまちがっている。

「なぁ、堀井。頼むわ、月田が馴染めるようにしたってくれや」
「えー、そんなん、先生の仕事やないですか」
「堀井は人当たりええから、だれとでも仲良くできるやろ」

埃っぽい教務室で自分の職務をいとも簡単に放棄し、とんでもない理屈を持ち出したミミセンに、僕は猛然と抗議したけれど、ミミセンに手を合わせ拝まれ「な、頼むわ。この通りやで」と言われるにあたり『宇宙人月田の学校馴染ませ係』に任命されてしまった。

だれとでも仲良くできることは、だれに対しても同じ一線を引いていることだ、ということにミミセンは気付いていない。
だれとも当たり障りなく。そうだ、当たらず、障らず、一定以上の距離からは敬して遠ざける。
そうして過ごしていくのなら、僕だって取り返しのつかないことをしてしまうことはないのだろうから。
だれかを大事に思い、それなのにそこに生じる相反ずる感情で、だれかを永遠に失うこともないのだろうから。
……きっともう、二度と。

それなのに。それなのに、どうして僕は、面倒くさそうなことこの上ない新規クラスメイトに関わろうとしているのだろう。

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【2016/05/23 07:30】 | irreplaceable/Holy you
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小太郎さんへ
砂凪
こんにちは、小太郎さん。

そうなんですか!?
小太郎さんが周囲にイライラしてたなんて意外に思います。
(勝手な思い込みでごめんなさい)
そーですよねぇ、わたしも小中学生のころは男子が異様に怖かったです。

ちなみにわたしは掃除の時間、面倒なのでしょっちゅう遁走していました。
大学に入ってなにより驚愕したのが「掃除のおばちゃん」が各講義室の掃除をしているということです。
わたしの掃除嫌いっぷりが推して測れようというもの。。。
自分の部屋の掃除は大好きなのですが、『わたしはきれいに使っている公共の場所を、なんで自分まで掃除しなきゃならんの』ととんでもない理屈がどこかにあったのだと思います。

「ミミセン」の由来はのちほどー。
ではでは☆彡

宇宙人と呼ばれて
那須の小太郎
此処での転校生、自分の小学生の頃のような感じです(・_・;)
小中学生の男子って何であんなにふざけるんだろうね(゜_゜)

私は掃除がそれほど嫌いではなかったんですが
さっさと済ませて少しでも早く家に帰りたかったのに
掃除当番の時、皆がふざけたりダラダラして
何時までも帰れなくてイライラしてました(ー_ー)!!

先生どうして「ミミセン」って呼ばれてるの(・?・)

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「月田」
体育館裏のイチイの樹の下。そこが宇宙人の特等席だった。繁茂する葉っぱが無数の日だまりを作っている。
陽射しが遮られるお陰と、風が吹き抜ける立地で涼しい場所だ。

夏の風に髪を煽られながら昼休み、そっと歩いて近づく。
月田は黙って俯き、なにやら本を読んでいる。静かにしていると、寂滅の境地にいるみたいだ。
「月田」ともういちど呼ぶと、ハリセンボンみたいな声が飛んできた。前言を胸の内で瞬殺的に撤回する。
「またお前?なにか用?」
本から視線すら上げずに月田が言う。
「用がないと来たらあかん?」
「まあね。俺が不快だし」

もうほんとこいつ何様やの。
内心嘆きつつ、それでも近寄っていくと月田は一応、読んでいた本をパタンと閉じた。
決して、断じて、好意的とはいえない静けさが広がる。沈黙に耐えかねて、僕は言う。

「なんの本、読んでたん?」
「素粒子論」
「……はい?」
「だから、素、粒、子、論。頭、わるいの?」

2重3重の意味で絶句した僕を、ちらっと見て月田はちいさくわらった。
ばかにしているわけでも、嘲笑っているわけでもなさそうだ。うたうように月田は言う。
「級長は大変だな。転校生が馴染めないみたいだから、なんとかしてくれって担任に頼まれたんだろ?」
「半分当たりで半分外れや。僕が級長やいう認識は一応あんねんな」
「いかにも優等生ですーみたいな顔してるし、お前」

なんやの、この褒めている風味のチクチク感。
僕はわざとつっけんどんに何度目かわからない台詞を言うことにする。

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【2016/05/24 07:30】 | irreplaceable/Holy you
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「……嫌われるようなこと、なんでするん?仲良うしよう思わへんの?」
月田は淀みなく答えた。
その答えを、既に準備していたかのように。
「ばかばかしいことしか言わないし、しないし。なに言っているのか、なにがしたいのか、そもそもなにをしているのか……ついていけない。本読んでるほうが、数千倍、有意義」
「月田、毒ありハリセンボンみたいやな」
無意識に思ったことを口にすると、意外なことに月田が笑い転げた。
仏頂面か完全な無表情以外をはじめて目の当たりにし、多少たじろいだ。
「だな、俺もそう思うけど、生まれついてだからどうしようもない」
「せやな。恨むんやったら神さまやで」

毒ありハリセンボンはため息をついた。
「マトモに話しできそうなの、お前しかいないな、あのクラス」
ちらっと名札に目をやって、月田は僕を呼んだ。
「堀井、千尋。お前な」
「うん」
「クラスメイトと仲良くしようなんて欠片も思っていないのは、お前もおなじだろ」
「……え?」

まさか、そんな。そんなはずはない。絶対にばれているはずはない。
なによりもだれよりも、器用に取り繕って隠し続けている『僕』を月田が知っているはずはない。僕はぎこちなくわらっていう。

「僕、級長やで。みんなと仲良うせえへんわけ、ないやんか」
「だからだよ。クラス長やってれば、全員と公平に平等に接するしかない。だから、お前はあの面倒なクラスで、わざわざ級長なんてやっている。ポジションにいることで、自分を保っている。ほんとにご苦労さまとしか言いようがないけど」
肺の奥のほうから、不意になにかがせり上がってくる。
月田のペースに乗せられてはいけない、誤魔化さなければ、と脳裏で鳴るアラートとは反対に。僕はすべてを認める台詞を吐いていた。

「どうして……?」
月田は静かにわらった。夜の海のような、わらいかただった。
「俺とは正反対の方法で、お前が自分を隠そうとしているからだよ」
月田の顔を見ることができなかった。ただ、心のなかで繰り返した。
――…なぁ、ヒロミ。どうか、どうか、僕を許して。いや、そうじゃない、絶対に許さないで。

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【2016/05/25 07:30】 | irreplaceable/Holy you
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ぶれこみさんへ
砂凪
こんにちは、ぶれこみさん。

いいえ、某曲のひどい台詞は「君の未来のために君の笑顔のために/僕は今すぐ君の前から消える」です。
でも、この歌詞を深読みすると女性のほうが若干怖い感があります。
……関係ないか。
ヒロミの名前の由来は全然別です。のちに明らかになります。
そういえば、しばじゅんの歌に「HIROMI」があった…とびっくりしています。


今回は「日常会話をがんばろう」というまるで英会話教室のスローガンのような目標を掲げて書いております。
だから気付いてくださってうれしいですー。
わたしは関西弁しゃべれるんですけど、なにせ母方だけの関西ハーフなので若干へんな関西弁になっている点、ご容赦願います。

あのですね、今回かぎりは、いまワードのファイルにある下書きだと「くっつき現象」が生じていないんです。
恋愛小説じゃないです、ミステリみたいになっています、なんとかしなきゃ…。
でも、いままでの更新でかなり伏線はっちゃったから、このままあげるかもしれません。。。

今後はびっくりするような展開です。びっくりしてください、お願いします(笑)
ではでは☆彡

「お前がそんな顔するから、俺はお前のこと何も判らなかったんだ」
ぶれこみ
 だったっけ? ちょっと記憶あやふや。HIROMIってここから取ったのー?
 ちひろとひろみのストーリーも興味があるなー。

 こんばんは、砂凪姫。今宵は風も止んで過ごしやすい気候の富山です。
 でも、月田と堀井のキャラが生き生きと描かれていて面白いね。ミミセンもおもしろげな先生だけど、関西弁だからとても性格が色濃く演出されているね。ところどころ、変ななまりがあるようだけどネ。

 BLだと判っているから、ああこいつとこいつがくっつくんだ、と予想付くけど、言わなきゃ判らないよね。ていうか、予想を裏切るくっつき方をしてもおもしろいかも……。(-_-;)

 今後の展開、楽しみにしています。
 
  

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「宇宙人はどうしてあんなにちょーきょーせーがないんかな」
中尾が暮れかかった帰り道で鞄をぶんぶん振りまわす。薄暗い物思いのなかでも僕は指摘してあげる。
「中尾、それ言うたら協調性やで」
僕が訂正すると、中尾はため息をつく。
「俺な、あの……なんやったっけ?伸ばす音」
「促音?」
「そうそう、それがあることば、ようわからんねん」
僕はくるっと中尾に向き直る。
「はい、中尾くん。タンパク質の摂りすぎで起こる病気は?」
「ああ、あれやんな。ええっと…ふーつー?じいちゃんがそれで病院いっとるわ」
「痛風です」
あかんわー…まじでわからんわー…と嘆く中尾。ほんまにこいつは、アホちゃうか。

でも、その能天気に救われている僕がいる。

屈託のない級友の姿は、例えば荒れ狂う暗い海に投げ込まれた浮き輪だ。
しがみついている僕は、どうにかこうにか溺死を免れている。
自分の記憶の海のなかに沈みこみ、身動きできなくなる状況を、僕は何より恐れている。

だれか、言い切ってほしい。僕を断罪してほしい。
救いも赦しも、僕には訪れないのだと。一生、言霊の影を引きずって歩くしかないのだと。
そのことばがあれば僕は、自分で自分の影法師に怯えるような終わらない鬼ごっこを終えることができる。

知っている。わかっている。僕は、だれよりも愚かで自分勝手だ。
……むかしむかし、殺すべきは、ことばだったのに。

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【2016/05/26 07:30】 | irreplaceable/Holy you
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日曜日。きょうは毒ありハリセンボン月田の世話係・飼育係をしなくていい。なんだか、これまで以上に休日がありがたい。
「めっちゃ気楽やー…」
呟きながら、冷蔵庫から卵を取り出した。かつり、とシンク台にぶつけてボウルに割りいれる。
守られていた殻から頼りなく滑り出した、ふたつの卵黄。生まれることのない、生まれる命。

「あ、ふたたまたまご」
こどものことば遊びのような単語がするっと零れた。
いつのまにか背後に立っていた母親の声がした。
「あら、ほんと」
「ひとつでふたつ分やな。なんや、ラッキーな感じやで」
菜箸でかき混ぜようとしたとき。母親の手が伸びてきて、僕の手を押さえた。
「目玉焼きにせえへん?双子や。千尋とおんなじじゃない」
双子。ヒロミ。かわいいヒロミ。大事なヒロミ。幼いころ、母親は言った。ちひろ、ひろみ、しりとりみたいな名前やろ。でも。
「母さん」
振り払うという動詞があてはまるその直前の速度で、僕は母親の手から逃れる。ボウルを見たまま、言う。
視界と感覚が大きくぶれる。口が渇く。自分が声を出せるのが、不思議だった。たとえ、もうなにもないところから、無理に紡ぎ出す糸のような声だったとしても。

「ヒロミは、死んだやん。もう、ずうっと昔に。せやから、僕は双子とちゃうで」

背中で、母親の視線が凍りつくのがわかった。
ヒロミハシンダ。我が家の禁句。踏んではならない、地雷のようなことば。
「……せやな。ヒロミちゃんは、もうおれへんな」
自分に言い聞かせるように、母親は言った。
僕は、がしがしとそのことばを掻き消すように菜箸でふたつの卵黄を崩した。
―……離れない死の影。だれにも裁くことのできない罪。纏わりついて、絡みつき、僕を窒息させようとする黒い糸。

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【2016/05/27 07:30】 | irreplaceable/Holy you
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月田が転校してきてからひと月、経った。
井理(いり)、というのが月田の名前だった。
まるで意固地な角砂糖のように、クラスに馴染もうとしない。
ただ、僕に対する態度だけは若干の軟化をみせている。『なにか用?』、という台詞を月田は口にしなくなった。

昼休み後の予鈴が鳴ったので僕ば言う。緑色に溢れるイチイの樹。まだらに降り注ぐ木漏れ日。
「イリ、はようせな、音楽の授業はじまるでー。音楽室、旧校舎やから急がな」
「だから、俺のこと名前で呼ぶなって。そして、俺のことは放っといてくれ」
「ええやん。フレンドリー、フレンドリー。せや、イリは標準語で喋るん、やめた方がええで。えらいキツう聞こえるわ。関西弁喋られへん?」
「無理です。不可能です。バカみたいに聞こえるだろ」
「ほな、うちのクラスはアホばっかや」

月田は肩で静かにわらった。
「堀井、お前、パッと見は普通なのに、まじで変なやつだな。なんで俺にかまうわけ?」
「ミミセンに頼まれてんから、しゃあないやろ。お前のせいでミミセンが胃潰瘍になったら気の毒や」

月田は完全にクラスで浮いていた。
当人が転校初日に故意にクラス全員を敵に回したのだと、そのころになってやっと僕は気付いた。月田がぐるっと自分のまわりをかこった線。

「あの担任、なんであだ名がミミセンなわけ?」
「気の毒になぁ。まだ若いのにむっちゃ耳遠いねん。耳栓してるみたいやなーって、ミミセンや」
「かんっぜんに、お前らバカだな」
呆れかえった、という調子の月田を掻き消すように、ひび割れた音で本鈴が鳴った。
月田はイチイの樹の蔭から音楽の教科書を取り出した。
「じゃあ、俺、そろそろ行くわ」
「え?は?ちょっと待ってちょっと待って!」
くるっと背中を向けて音楽室のある第二校舎に向かう月田を慌てて追いかけた。

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【2016/05/28 07:30】 | irreplaceable/Holy you
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