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秩序のとれた海 例えば君とふたりで
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【もみじ日和】

「おーい、じいさんズ!今日も仲良く棺桶に片足突っ込んでるー?」
縁側からの陽気な声に勲が腰を上げようとするのを、正志はあわててとどめる。
「おまえ、このまえぎっくり腰やったばっかりだろ。俺が行ってくる」
居間に続く縁側に面した小春日和の庭先に、少年がふたり。栗色の髪のほうと眼鏡のほう。と、正志は認識している。名前を覚えようという努力はとうに放棄だ。栗色の髪には「そういう姿勢が認知症を招くんだぜ」と軽口をたたかれ、眼鏡には「新しくものを覚えるのは、脳の活性化にいい気がしますよ」といわれている。おなじことでも、言い回しのちがいで随分な相違である。
「おい、栗。年長者に向かって棺桶はないだろう、棺桶は」
「だって、俺らよりじいさんズのほうが墓場にずっと近いじゃん。ネンチョーシャだし?」
いけしゃあしゃあと栗毛はのたまう。眼鏡がその頭を乱暴に叩く。ばしっといい音がする。
「痛ぇよ、みっちゃん。俺の頭は打楽器じゃないって。そうバシバシ叩くな」
そう言いながら縁側に靴を脱ぎ捨て、栗頭は勝手に勲の家にあがりこんでくる。眼鏡は自分の靴と栗が脱ぎ捨てていった靴をきちんと揃えてから、正志を見上げる。
「すみません。あいつ、人懐っこいと無礼を勘ちがいしていて。お邪魔します」

栗髪と眼鏡のふたりはなんでも、高校のボランティアサークルの仲間。『近隣独居老人茶飲み相手事業』という名目でここに来ていたのだが、眼鏡のほうが勲の語る戦時中の話に興味を示し、こうしてたまに休日にも来訪してくる。手を振り歓迎のそぶりを見せる勲を正志は睨みやる。おまえがどうにも話し好きだから、平穏な秋日和が台無しではないか。

「みっちゃんも物好きだよねぇ。センソーの話なんか聞いて、なにが面白いんだか」
出してやった緑茶をすすりながら、栗毛は言う。勲の話を眼鏡のほうが聞き出しているものだから、自動的に正志の話し相手はちゃらんぽらんの彼である。
「そのみっちゃんとやらに付き合って、休日を老人宅訪問に費やすおまえもよほど物好きだな」
緑茶の椀を卓袱台に置き、栗毛はのんびりと言う。
「俺はどこで休日を過ごしたっていいの。みっちゃんがここにきたいのなら、俺もここに来るの。じいさんも鈍いねぇ」
栗毛の髪を秋の風が揺らし、ふと、昔の己の髪の感触を正志は思い出す。おなじようにさらさらしているのだろうか。
「鈍いねぇ、とはなんだ」
染めたのか地毛なのか判然としない髪をわさわさと掻き、若者は卓袱台に目を落とす。聞き取れないほどの小さな声で、言う。
「俺がみっちゃんのこと好きなんだ、っての、じいさんならわかってんだろ」
栗毛が眼鏡に好意を寄せている。ことは知っている。昔、正志自身が勲にかなわぬ恋をしていたように。
「栗、おまえなぁ、」
呆れ果てたふうを装い、かたくなに卓袱台をにらんでいる彼に言う。
「そういうことは、自分で大事に抱えているもんだ。ぺらぺらと他人に話すものじゃない」
栗毛は、わらう。
「じいさんは、自分で大事に抱えすぎてたんだろ。俺は、生憎ながらじいさんみたく岩並みの秘密主義じゃないもんで」
わらったまま、こちらに目をあげる。その目が雄弁に『知っていること』を告げている。
「…私が、なにを自分で大事に抱えすぎていたって?」
「俺、カンがいいからわかるんだよねぇ。じいさん、あっちのじいさんのこと好きなんだろ」
年甲斐もなく動揺する。否定しなければいけないのに、勲のほうを顎でしゃくったことを咎めるべきなのに、あまりの衝撃に口をついたのは
「…どうして」
という台詞だ。
「どうしてもこうしてもないよ。好きでもなきゃ、じいさんになってまで親友ごっこ演じないだろ」
正志は表情を苦める。ぐうの音も出ないというのは、こういうことか。湯呑みの欠けた部分をなぞりながら栗毛はつづける。
「まったく報われないよねぇ、じいさんもさ。だけど、俺は、なんとかしてみせる。じいさんみたいに棺桶の中だの墓の下だのに気持ちを持っていくことなんて、しない」
「…そうか」
「そうだよ。じいさんの未来はもう半年もないかもだけど、俺はあと60年も生きるはずなんだから」
「…そうだな」
「ま、俺がじいさんのことがうらやましいのは、最期まで好きな相手といられた点だな」
栗毛はわらうが、その表情に力がない。なんとかしてみせる、と嘯きながらも、なんともできないことを知っている笑顔。かなわない願いを持て余し、未来が見えないことに怯え、その先で大事なものを失うことを恐れている表情。
不意に、この不躾でずうずうしくて礼を失する若者を、正志ははじめて好ましいと感じる。持て余すということは、大切にしているということだ。未来に怯えるということは、懸命に生きようとすることだ。失うことを恐れることは、大事なものを持っているということだ。誰しもそうだというわけではないこと。

橙色の光が鈴なりになった庭の柿の実を照らすころになって、高校生ふたりは勲の家を辞した。せっかくの小春日和を、なにが悲しくて栗坊主の相手をするだけに費やしてしまったのだろうか。
勝手知ったる他人の家、勲のために湿布薬を取りに脱衣所に向かいながら正志は思う。けれど、と思う。
今日、『秘密』は未来に引き継がれた。己の死とともに肺にも骨にもならなかったはずの想いは、あの栗毛の若者の頭の中に生き続ける。ときに教訓となり、ときに踏み台になりながら。
勲の家の庭の柿はとうに闇に沈んでいる。正志はふと、幼少期、勲とともに柿を盗んではどやしつけられたことを思い出す。鈴なりの柿に手を伸ばした記憶。

手を伸ばせ、と正志は念じた。
不躾でいいかげんで礼儀に事欠く若者のため。
私には届かなかった幸福に、君は臆せず手を伸ばせ。

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【2016/11/01 10:17】 | お題SS。
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小太郎さんへ
砂凪
こんにちは、小太郎さん。
とんでもなくリプが遅れてごめんなさい。

意表をついてますか!?
わーい、ありがとうございます。°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

読後感が心地よかったという褒めは初めてじゃないでしょうか……。
めっちゃうれしいです。
これからも、すっきりとした読後感目指してがんばりますです。



那須の小太郎
これはまた、意表を突くような内容で(゜_゜)
世代を超えて、じいさんズが出てくるなんて意外でした!

このSS、スラスラとテンポよく読めて
読後感が心地好かったですよ(^.^)/~~~。

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【So beautiful is your world】

――……影絵みたいに景色を映し出せるなら
君の見ている世界はどんなにうつくしいだろう。

「やばい」と数学の試験の解答用紙が返却された授業のあと、七生が声まで青褪め切っていった。
「ここまで数学はまずいまずいと思って、でも超低空飛行でなんとかきたんだ」
俺は昼下がりの机の上、模範解答と自分の解答用紙を照らし合わせながら話の先を促す。
「で?」
「救済キャンプにいかなきゃいけない、みたい」
救済キャンプ、放課後補習のことだ。嘆くなよ、と俺は言う。
「こっちも古文がキャンプ送りだ」
七生は無遠慮に俺の指数対数単元の解答を見て、ため息をついた。
「数学で89点取ってて、なんで古文で35点以上がとれないの」
「うるせいやい」

七生は完全に文系で、科目ごとの上位者リストに必ずその名を連ねる。俺は理系が得意で、その数学版で。

定期演奏会が近いのに、それなのに、楽団の練習にいけねぇ、と七生はぶちぶちと不平不満を述べている。
「絶対、コンマスの池上さんにアホ扱いされる……」
「だな」
「だな、じゃないよ。なんとか励まそうよ。まじでこわいんだって、あのひと」
隣室の数学研究部とは大変な格差だ。しかし、管弦楽団は野球部につづいて多額の部費を学校からせしめているので、当然の報いである。(ちなみに数研は、幽霊部員だらけで部活そのものが幽霊と化している)

「古典文法とかほんとに覚えてこの先何に使うの、って感じだよな」
「それ、そっくりそのまま指数対数にも言えるよな」
中庭でグルーミーにパンをかじりながら互いにぼやく。つつぴー、と名前を知らない鳥が飛んでいく。
「なぁ」と不意に七生が言う。
「数学得意なやつの世界って、どんな感じ?」
「え?」
「一瞬でもいいからさー、お前の目と耳で数学の授業を受けたらきっと楽しいと思うんだ」
他意はないのだろう。だから残酷で優しい。だから、冷たくて温かい。「そうかな」と受け流す。
「好きになりたいんだよね、したら楽じゃんね」
「……なんの話?」七生の口にした『すき』に無防備に動揺して、メロンパンに目を落とす。
夢には夢のままでいてほしい。そうしたら、ずっと隣にいられるから。
「丘ピーの数学の授業。もう、2年後半になってから暗号にしか聞こえない」
「末期だな」
メロンパンの空き袋を放る。やり場のない恋とは逆に、きれいにごみ箱に吸い込まれた。

七生。
俺も、お前の見てる世界を見てみたい。
そこは、どんなにうつくしいことばで溢れているんだろう。
そして、いつか。きっと、すぐに来るいつか。
お前はどんなことばで、だれに心を語るんだろうな。

影絵みたいに景色を映し出せるなら……――

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【2016/11/02 09:23】 | お題SS。
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るるさんへ
砂凪
こんにちは、るるさん。

きれいなことばを、ありがとうございます。
光が音のない声、という表現がとても好きです。

心がここに移るといいな、という…。
せつない。

ことばをかけてくださって、ありがとうございました。


るる
ゆらゆらと、揺れる水面に映る君。
虹色の陰と、光が音のない声。

君の心が、写ると映ると移ると、良いな。
どこに何処に、ここに。

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おひさしぶりです。
短編を、おとどけします。

【くすりゆび】

「みつけた」
雑踏のなか。蒼乃の耳は網で魚を掬うように、声を拾い上げた。
網にとらわれるように、右の上腕をつかまれる。
振り返るな、と。振り返らなきゃ、とが。相混ざった気持ちで、それでもやっぱり蒼乃は振り向いた。
「やっと、みつけた」
な、と同意を求めて笑いかけるまだ若い男に蒼乃は見覚えがない。
それでも相手は、蒼乃を見上げて「ずっと、さがしていた」という。
「……だれ」
水があふれたその最初のひとしずくのような声で、蒼乃は問いかける。「忘れたの」と、突然まばゆい世界の光がすべて消え、途方に暮れるような声で、相手は答えた。
―……ワスレテナイ、ワスレテナイ、キミハ。
頭の奥で声がする。ちいさなころから聞いていた声。だれかを探している声。必死になって、両手を傷だらけにして。
「忘れたの、も何も、俺は……」
うろたえたように答えた蒼乃の声に、相手の顔は空そのものを見失ったように曇る。
右腕をつかんでいた手が離れ、魚のような声も弾まなくなった。
そのまま、すべてを飲み込むような静かな目で蒼乃を見上げ、「ほんとに覚えていないんだ」と無感情な声でいう。
うたうように「ごめんね」と言葉を落とす。踵を返すと、淡い青のシャツはすぐに雑踏に見えなくなった。

蒼乃はうずくまった。左手の、傷みがひどくなっていた。左手の、薬指の痛みが。
切り落とされる寸前のように、ぎりぎりと痛む。

その晩、夢をみた。
目の前に、知らない女が横たわっている。その頬はシーツに溶け込むように白く、横になっている体があるはずの布団はほぼ平らで、「あぁ、このひとはもう死ぬのだな」と思った。ざあっと鳥肌が立つような、底のない、純粋に『悲しい』と訴える悲しみが込みあげ、夢の中で蒼乃の視点を持つ人物は、女の左手をとる。
―……だいじょうぶよ。また生まれてくるわ。そしたら、あなたをまた探すから。
女は弱々しくわらうと、傍らの薬指に薬指をぶつける。
蒼乃の胸裏に、言葉があふれる。
一緒には逝けない。暗くて寒くてどうしようもない場所に、このひとはひとりで逝こうとしている。どうして。こんなに、こんなにも、自分は、
「愛しているのに」
蒼乃の声とはかけ離れた低い声に、女の笑みがわずかに深くなった。

そこで、目が覚めた。
薬指の付け根は千切れんばかりに傷んでいる。
闇に手をかざし、蒼乃は息をのんだ。痛む場所がぬらりと青白く発光していた。

再び、淡い水色のシャツを見つけたのは、それから半月経ったころだった。
「みつけた」
蒼乃に言えるのは、それだけだった。
振り返った相手は、笑みを浮かべて蒼乃の薬指に手を伸ばす。
「約束を覚えている最善の方法は、約束を違えることだから」
指切りのように薬指を絡めたまま歩き出した水色のシャツの背中を蒼乃は早鐘のような鼓動で見つめた。
戻ってきてくれた。会いに来てくれた。どうしようもない場所から、こんな明るい場所まで。
君を愛そう。
生まれ変わる前に、そうしていたように。

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【2016/11/15 09:07】 | お題SS。
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【竜宮城の世界で】

ぎりぎりと、音がする。
ぴったりと閉ざした扉の向こうで、時間が回る音。
僕はたったひとりでその音を聞き続けている……もう、何年も。

コンポからは、数年前に流行したミスチルの曲。
本棚に並ぶのは、同時期にお気に入りだった小説や漫画の類。
時間の止まった部屋から外に出るため、佐埜類(さの・るい)は立ち上がり、身支度をはじめる。
黒いセーターの上からファージップコート、スキニージーンズ。
モカシンを履いたところで忘れものに気づき、室内に取って返した。『友人』に頼まれていた、画集。

待ち合わせ場所の図書館の一般開架コーナーに赴くと、当の『友人』は窓際のソファーで初冬の晴れ渡った公園の風景を見るともなしに見ていた。
背後に歩み寄ると「ああいう景色を見ているとさ」とこちらを振り向かない背中に語りかけられた。
指さすほうを見やる。ゆったりと散歩する老夫婦。ボールを投げあっている幼いきょうだい。きっと、たわいのない雑談をしながら歩いているだろう、高校生の群れ。
「ああいう景色を見てると、しあわせになるのってすごーく簡単なことのような気がしない?」
「そうだなぁ」と同調するふりをした。そのあとに一言。
「少なくとも、不幸になるのと同じくらいには簡単だろうね」
「あー、ひねたやつ」とやっとこちらを向いた顔はかすかに笑っている。
「しあわせな風景を見ながら、お前は俺がわざわざ図書館まで出向いてくるのを居眠りしながら待ってたわけか」
「居眠りはしてないよ。ただ、いい天気だな、みんな楽しそうだなって思ってただけ」軽やかにいうと、こちらに手を伸ばす。その手に持参した画集を手渡すと、にっ、とこちらを向いてわらう。
「ありがとー。さっすが、類」
「うるせー。こっちは中間が近くて気が立ってんの。わざわーざ、探してやったんだからな」
「え、嘘。俺の大学、先週にもう中間終わったよ。だから、早めの帰省」
「火に油を注ぐっていう諺、知ってるか?」と言うと、ひゃーと肩をすくめた相手は「代金払うから」と財布を取り出そうとする。その手を押さえた瞬間。なつかしさが込みあげて、類は目を閉じる。この手。だれよりも近くにあって、だれよりも類を慈しんでくれた手。
『友人』はするりと手を引き抜くと、屈託なくわらう。
「じゃあ、昼おごる。どこがいい?」
記憶の中で、同じことばを同じ声が、ちがうニュアンスでささやく。
―……るい、どこがいい?どこ、こすってほしい?
満ち足りた、遮光カーテンを引いただけのみだらな薄闇。ねだった自分も与えた相手も、もういない。長い袖が日焼けのあとを白く変え、夏をなかったことにしてしまうように。
「気にすんなって。俺、中間試験の勉強しないと」
後ろ姿で手を振りながら、竜宮城の部屋に帰ったら、ひとりで何度でもいやらしい行為に耽溺するだろう、と思った。

画集を受け取った手は、高校生のころにつきあっていた相手のものだ。
類を撫ぜ、類に触れ、類を求めていたはずの。
相手が首都圏の名の知れた私大に合格を決めたときも、そのままでいられると思っていた。甘かったのは自分で、現実的だったのは賢い相手だった。
会えなくなるな、と。ただ、それだけ言われた。能天気な自分でも、それが別れの言葉だとはわかった。
まだ続くだろうと暢気に構えてみていた映画のスクリーンに突如、エンドロールが現れたようだった。

図書館から公園のエリアに足を踏み入れた時。
あの頃に時間をとどめたままの部屋に帰るのが、不意にむなしくなった。それが何にもならなくても、あの声を聞くだけでいい、食事を共にするだけでいい、またわらってもらえるだけでいい。それがどんなにみじめでも。
かさかさの落ち葉が靴の下でぎゅっといった。
図書館に走って戻る。二階への階段を駆け上がる。
果たして。先ほどまで『元・恋人』が座っていたソファーには見知らぬ若い女が座っていた。
がくり、と落とした肩をとんとん、と叩かれた。
「ごめん」
泣き出しそうな『現・友人』、『元・恋人』の声が、類の名を呼んだ。

竜宮城の部屋の扉が、ひらく音が聞こえた気がした。

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【2016/11/16 09:56】 | お題SS。
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こんにちは。
aquarium管理人、砂凪です。
いつもここにいらしてくださる方、ありがとうございます。
そうでない方も、はじめまして、やっぱり、ありがとうございます。

寒い季節ですね。お元気ですか?
わたしはなんだか数か月間ずっと、心の均衡が危ういです。
なにがあったわけでもないのに。
大切なだれかやなにかを亡くした、失くしたわけでもないのに。
それなのに、つらくてつらくて、もう無理で仕方ないといったところでしょうか。

仕事がなければ2、3日ずっとうつらうつら眠り続けたり、真逆に3日間ぶっ通しで起きて延々と暗ーい音楽を聴いていたり、ふと自分が置かれている状況に涙したり。食事がほとんどとれず(食べても戻してしまう)、ここ1か月で5kg痩せたり。たりたり。

よくない。
とてもよろしくない状況なのはわかっているのですが、ケータイのアドレス帳を開いても、いったい誰に何を言えばいいのかわからない。どこからどう攻めてみても、行き詰まって考えの先が開けない。
どうしたらいいんだろうね、とひとりで呟いています。

自分が(心身ともに)脆弱な生きものであることは重々承知の上で生きてきたのです。
その、生きてきた、そのことにどの程度の意味があったのか、もうわからなくなってしまいました。
死にたいわけじゃないけれど、特段、生きていたいと痛切に願っているわけでもない。
ごめんなさい、でも、どうしてもそんな風にしか思えない。
中途半端。宙ぶらりん。このままじゃ、どこにもいけない。

息苦しいなあ。生き苦しいなあ。

楽しいことが皆無、というわけじゃないけれど、どうしてもそこに手が伸びない。
頭では「きっと気分転換になる」と分かっているのに、行動に移すだけの気力がない。
ぜんぶ、ため息で流れ出したみたいに。

本題ですが。
しばらく、数か月間、この水族館をおやすみにしようと思います。
平坦な気持ちじゃなにも拾えないし、中途半端にお話を書きたくないという想いもかろうじて残っているし。
もしも、更新を楽しみにしてくださっている方がいらっしゃったら、本当に申し訳ないです。
わたしのことなのに、わたしの力ではどうにもならない、ままならないことがあるのだと痛感しています。

ごめんなさい。
また、戻ってきます。
たぶん今度は、もうすこし強い生きものになって。
鰭も鱗も疲れたので、海底にひっそり潜んでいようと思います。

大丈夫です。
ここで、なんとか棲息しています。
どうにか、鼓動をつないでいます。息をしています。
叶わない願いに、楽になりたいという想いそのものに、溺れそうになりながら。

【2016/11/28 16:13】 | お知らせなど。
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るるさんへ
砂凪
るるさん、こんにちは。
お返事がたいへん遅くなり、申し訳ありません。

……インフル!!!
わたし、同じ型のインフルに一年で三度かかったことがありますが(笑)あれはつらいですよねぇ。
いま、病院ではインフルの可能性があると別室ですよね。
わたしがこどものころは、熱が40度あってもおなじ待合室だったのに。

ともあれ、大変でしたね。
平熱に戻られたとのこと、なによりです。
それからの体調はいかがですか?お元気でいらっしゃることをお祈りしています。

「そのままのあなたでよいのです」
このごろ、ちょっと意味が分かるようになりました。
ほんのすこしだけ。
わたしのままで大丈夫なら、自分を笑っちゃうような人生でもつづけていいのかな、と思います。

お声がけ、ありがとうございますね。
そろそろ、もぞもぞ、動いています。
生きております。

ちょっと息抜きを
るる
28日、朝から頭がチクチク痛い。夜中に鼻水が酷くて咳も出る。体温37.2だけど、何だか調子が悪い。よし!と病院へ。
待合室で座っているうちに目が回ってきた。
体温計を渡されて計ったら38.9!へ?即、隔離室へ。
検査の結果立派にインフルエンザ。
会計も隔離室、薬局で薬を吸い込み、帰って寝た。
29日朝36.7ほぼ平熱。
インフルエンザ発症発熱時に病院に居る珍しいケースだと。ははは。

原因不明の体調不良って辛い。
血液検査で酷い貧血が判明して治療薬を続け、2ヶ月位で体調不良も改善した事がありました。

あなたはただ一人のあなただから、
そのままのあなたで良いのです。
辛い時は無理せず休み、元気になったら出てくる。
あなたのペースで、あなたのリズムで。
あなたのままで、大丈夫。
あなたのままで、良いのです。

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