秩序のとれた海 例えば君とふたりで
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―…コミュニティが、消えた。ぼくの、すべてだった場所。
UNHCR事務所の受話器を置き、ありがとうございました、と頭を下げてドアを閉めた。これから、どうすればいいのだろう。なにを信じ、どう生きればいいのだろう。冬の空。よく晴れている。

あの軍事的反政府組織のクーデターが成功裏に終わって、日本はふたつに分断されてしまった。クーデターの中央組織が置かれた、ぼくらみたいなマイノリティコミュニティにとっては危険な太平洋側国家。そこからいくつもの山を越え、国連軍に保護された比較的安全な日本海側。あれから、もう、15年。
ぼくらのコミュニティ…自給自足で暮らすベジタリアンが集まる、のんびりした、神さまがつくってくれた楽園みたいな場所。いくつかの共同体的ルールはあったけれど、ぼくたち家族みたいに時代の流れについていけなかったものにとっては、天国みたいなところ。もう、どこにもない。ぼくの家族も、あの共同体も。

15年前、弾圧を受けつづけるコミュニティから「逃げろ」と言ったのは、ぼくにとってはお姉さん的存在だった小菊さんだった。
「いい?風埜、なにがあっても生き延びて」。
小菊さんの最後のことばを胸に、ぼくは山伝いに日本海側を目指した逃避行をはじめた。初秋のことだった。ぼくらは木の実や山菜を食糧にすることもあったから、山中の食べてはいけないもの、食べられるものの区別は容易だった。いくつもの秋の実りに救われて、震える足で必死に走った。ぼくはまだ、12歳だった。
そして、27歳になるいま、ぜんぶを喪った。

小菊姉さんは言った。
「風埜、難民キャンプってわかる?」
「なんみ…?」
「国連難民高等…風埜にはわかんないね、とにかく、あたらしい国境の近くにキャンプがあるの」
「キャンプって、テントを張ったりキャンプファイヤーをしたりする、あれ?」
「全然ちがう。あなたが生き延びるために、国連っていうところがつくってくれる居場所」
小菊さんは大学で外国語を勉強していたらしい。難しいことばでなにやら書きつけ、ぼくにそれを握らせた。そして、言ったんだ。
「風埜、なにがあっても生き延びて」
小菊姉さんの言っていた『キャンプ』に辿りついたのは、冬の足音が聞こえ始めるころだった。ひとりで逃げてきたぼくを、キャンプにいただれもかれもが『奇跡の子』と呼んだ。小菊さんの走り書きを係員みたいなひとにみせると、彼は立ち並ぶテントのひとつにぼくを連れていってくれた。そこに暮らし始めて、15年。

いつか帰れると信じていた。いつか戻れると思っていた。でも、コミュニティが、消えてしまった。

壁沿いに歩いた。行く宛もなかった。ただ、心に空洞があって、そこからなにもかもが抜け出していくようだった。生きる力も、希望も、なにもかも。
パシャッと、音が聞こえたのはそのときだった。飛びあがって音のほうを向くと、大きなカメラを構えた男性がこちらにレンズを向けている。戦場カメラマン。こういうひとがたまにいて、ぼくらの写真を撮っている。なんのためなのかはわからない。無性に腹が立った。なににでもいいから八つ当たりしたかった。小石を拾って、彼のほうに思いきり投げつけた。
「おいおい、きみ、危ないじゃないか」
ことばのわりにのんびりと、彼は言った。ぼくより5歳くらい年上。
「どうしたんだ?国境沿いの壁は危険だろ」
危険。弾圧が始まって…いつだったかの小菊姉さんのことばが蘇る。
『風埜、コミュニティの外に出ちゃダメよ。壁のむこうは危険だから』
やさしかった小菊さん。もう…いない。どこにも。共同体でさえ、どこにもない。空を仰いだ。まだ青い。不意にそれが歪んだ。掠れた声でコミュニティの呼称を口にする。どっと涙があふれた。帰る場所。消えてしまった。

戦場カメラマンは名瀬と名乗った。ぼくの追跡取材をしたいという。
「どうしてですか?」
ぼくのテントの写真を撮っている彼の後ろ姿に訊ねる。
「どうして、ぼくなんですか?」
カメラを構えたまま、彼の背中が言った。
「きみ、弱小コミュニティから逃げてきた、『奇跡の子』だろ」
「……もう『子』って歳じゃないですけど」
わざと、つっけんどんに言ってやった。このひとは、きらいだ。
「やっぱり!」
ぼくの口調などお構いなしに彼はうれしそうに振り向いた。イライラする。
「滅んだコミュニティの生き残り。絶好の取材対…」
歩み寄ると、彼が言い終わらないうちに頬を殴った。数秒、ぼくの時間が止まった。コミュニティの教訓。『暴力は禁忌』。破ってしまった。

それが、ぼくのなかでコミュニティが消えた瞬間だった。信じるものが、生きるための縁が、崩れ去った瞬間だった。

その日の晩の炊き出しは、ごわごわした米飯と薄い肉のスープだった。いままでなら、スープからきれいに肉だけを除いて食べていた。食べ残しはとなりのテントに暮らす家族の子にあげていた。ベジタリアン、菜食主義。懐かしいことばを守りつづけるほうが、苦痛だった。コミュニティの亡霊に縛りつづけられることが。生まれて初めて口にした食べ物は、ひどい臭いがした。それでも噛み砕いて飲み込んだ。吐きそうになりながら、食器を戻しにいった。
毎朝、『恩寵』に祈りをささげるのも、やめた。神さまなんてどこにもいない。恩寵なんて、どこにもない。テントの壁にチョークで描いた簡素な『感謝のことば』を手のひらで擦って消した。
雨に祈りを、日差しに感謝を捧げること。毎晩、コミュニティで歌い継がれていた唄をうたってから眠ること。いろいろな、コミュニティの慣習。ひとつずつ、やめていった。
そのたびに、ぼくのなかであのコミュニティが生き絶えていった。

ぼくが壊れていくのを、別のぼくがどこかからじっと見ていた。そして、レンズ越しにあの名瀬、という戦場カメラマンも。ぼくより、ずっとつらそうな顔をしていた。そんな顔をするなら、取材をやめればいいのに。

コミュニティで、絶対に絶対に『してはならない』こととされていた、自ら命を絶つ行為。それだけを考え続けた。なにもない世界。こんなところに、生きている価値なんて、ない。ただ、残念なことに、ぼくはなにをどうすれば自分が死ねるのか、わからなかった。だから、訊いた。

「あの、死にかた、って知ってます?」
「は?」
「自分で死にたいときに、どうやったら死ねるのか、知ってますか?」
呆気にとられた表情の名瀬さんは、まじまじとぼくを見た。
「きみ、死にたい…の?」
「あたりまえじゃないですか!」
悲鳴のように叫んでいた。
「コミュニティがなくなって、帰る場所を奪われて…信じられなくて、なにも信じられなくて……、これから先、どうなるのかも、どうすればいいのかも…わからなくて……、ずっと信じていたものも捨てて、ぼくが壊れて…」
ひどい眩暈がする。倒れそうになったぼくを名瀬さんが抱きとめた。そのまま、ぼくをテントの隅まで運ぶ。しばらく、重い沈黙が流れた。
「絶望が」
名瀬さんが言う。

「絶望が、希望を照らすことがあると、俺は信じたい」

それから、名瀬さんは話してくれた。彼の、妹の物語。長い長い話だった。最後、名瀬さんの妹さんは、自ら命を絶った。
「毎日毎日、考えたよ。俺も死のうと思ったよ。だけど」
つぎの名瀬さんのことばが祈りのようにぼくの心にしんと沁みた。
「生まれてきた、ってことは、どんなことがあっても、なにもなくても、少なくとも生きることは赦されてる、ってことだよ」
悲しくはなかった。ひたひたと胸の内を潮のように水が満たし、それが波になって溢れたようだった。声をあげて泣いた。コミュニティが消えたあの日から、ずっと泣くことなんてなかったのに。名瀬さんは、黙ってぼくの頭をずっと撫ぜていた。その手のひらが、小菊姉さんを思い出させて、つぎからつぎから涙が溢れた。

ぼくが泣き疲れて膝に顔を埋めると、名瀬さんが正面に回りこむ気配がした。
「風埜」
呼ばれて顔をあげる。次の瞬間、ぼくは名瀬さんの腕の中にいた。
「風埜…、つらいなぁ…」
また涙が零れそうになるのを押し留め、ぼくは名瀬さんの背に手を回した。名瀬さんがちょっと身じろぎした。あたたかい。名瀬さんは、そしてぼくは、生きている。ぼくも名瀬さんみたいになれますか、と、ぼくは訊いた。いつか、絶望が希望を照らすことがあると、心から信じられますか、と。
ぼくは名瀬さんを見上げた。そんな目で見られると困る、と、彼は言った。
困ってください、と、ぼくは言った。

名瀬さんの耳元で、彼を身体の奥深くに感じながら、何度も名瀬さんの名を呼んだ。行為の感覚は、帰る場所がなくなった、あのときの心許ない感じによく似ていたから。名瀬さんも、幻のように消えてしまいそうだったから。絶望の溢れる心のなかで、あと何度、ぼくは希望を信じられるだろうか。

外に出る。夜が明けようとしていた。名瀬さんは眠っている。テントを後に、ぼくは歩きだす。ときどき、木の実を取りに行く森があった。なぜだか、無性にそこに行きたかった。
雑草を、すっかり葉を落とした灌木をかき分けていると、ぽっかりと開けた場所に出た。空が見える。暁の光が低く、影を投げかけていた。走り出していた。
光の中に跪き、手を組み、目を閉じた。
『恩寵』。
あのことばが、聞こえた気がした。


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******

今月の幹事さまは『Stage Direction』の甘楽さんです。
ありがとうございます。

わたしはお題(B)で行ってみたのですが…。
近未来の日本…、『日本難民』って。
どれだけ暗いものを描けば、わたしは気が済むのでしょう。
(『J.R.C.』⇒『Japanese Refugee Camp』の略です。
せめてタイトルだけでも近未来的に…!)

難民キャンプやUNHCRの活動について調べていたら、
気持ちが暗くなってしまいました。
ですので、キャンプの描写はかなり端折ってあります。
いつか、しっかり書けるようになったら、ちゃんと描くべきテーマだな、と。

あと、リアルタイムの行為シーンにはじめて挑戦してみました。
あの……、そういう描写はどうやったら書けるのか
どなたかご教授いただけないでしょうか…(笑)

『恩寵』ということばはとても好きなことばで、
いつか小説の中で使えたらいいな、と思っていたので、
お題SSのキーとして出てきてくれたのでうれしいです。

感想などお聞かせ願えると、さいわいです。


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【2014/09/02 09:18】 | お題SS。
|

えなりさんへ
砂凪
こんにちは、えなりさん。

近未来って全然…わたしのなかで…きれいなイメージがなくて。
進歩の末の崩壊か、軍国国家への変貌か…それしかなくて。
で、こんなお話になっちゃったのですが、その世界観に引きこまれた!って、ありがとうございます。

"東北"自治区で"原子力"村って、なんだか預言書のようですね。
わたしの場合の衝撃近未来小説は、こどものころに読んだ『2050年東京物語』(…だったかな?)なのですが、
その『近未来』が…すごくて…ゴキブリに支配された東京がドーナツ化して、それでもそこで生きる人々、というお話でした。(←!!!)
描写がリアルで、そのあとしばらく子供心に『こいつら、未来支配するかもだな』と彼らを見るたびに思いました。
その方の(こどものころなものなので、著者ど忘れ…)『やわらかな記号』という別のSFもすごかったですが。

風埜は自分にもまわりにも絡め取られ、動けなくなっていたときに
名瀬という『第三者』によって解放される…というのがベースラインです。
泥水によって、息がラクになることってありますね。

いえいえ、こちらこそ読んでいただきありがとうございました。
わたしもえなりさんの作品を拝読したのですが…むぢゅかちくて…うまく感想が書けませんでした…。
この場を借りて、お詫び申し上げます。


えなり
世界観に引き込まれました。
分断された日本というのに、『2030年東北自治区』(作:半村良)という作品を思い出しました。(半村作品のわりには評価低いようですが、今月のお題である近未来日本が舞台です)
近未来SFなのですが、原子力村が出てきて、その描写がとても印象に残ってます。
・・・あ、2030年ってわりとすぐですね。読んだときはまだ20世紀だったのに。。。(^_^;)

主人公がとても苦しそうだったので、最後に光がさしてちょっとほっとしました。
清すぎる主人公が、名瀬と身体を重ねたことで泥水を少し飲み、それによって息がラクになったのかな…などと思って読みました。
読ませて頂き、ありがとうございました。

とおりあいみさんへ
砂凪
こんにちは、あいみさん!

読んでくださってありがとうございます。
近未来に退廃的なイメージを持っているの、わたしだけじゃなかった…!(感動)
どうにも、これから先…日本がいい方向に向かう気は全然しなくて。

『日本難民』…。
難民…世界中にたくさんいて、生きる権利や命の尊厳もギリギリの生活を強いられて。
大学時代に調べたことがあって(課題で)、今回ちょっとまたUNHCRのHPを見たりしました。
……凹みました。わたしは…、わたしは、なにをしているのだろう、と。

風埜はキャンプ全体の『希望』みたいな存在で。
(信条を捨てないで生きてきた15年間、ずっとそんな感じだった設定です)
そういうことって、重荷で苦痛ですよね…。
名瀬は、風埜のそういう危なっかしさに気付いた唯一のひと。
部外者だから、ちゃんと見ることができたのかな、と思います。

Rシーン…!
はじめて書きました!そしてそう呼んでいただけました!
しかも素敵だと…。
頑張って精進しようと思います(笑)

未来のこと、考えていただけたのならうれしいです。
『ひかりのひと』、読んでくださっているとのコメント、ほんとうに勇気になりました。
いつもありがとうございます~。

牛野若丸さんへ
砂凪
こんにちは、若丸さん!

毎回毎回毎回、ヘビーな設定ですみません。
(思い返すだけで、『言霊の罪』・『捨て子』などなど)
でも、日本って…戦争になったらどうなるのかな、と考えてしまって。
集団的自衛権の閣議決定にズーン…、となっていたひとなので。
だから『日本難民』なんです←長い言い訳。

>しあわせを感じるためのもの
……そうならなかったのは、わたしがいまだに『しあわせ』がわからないからです。
注がれることにも、満たされることにも慣れない。
さびしい、とか…そういう状況のほうが落ち着くんです。つらいですけど。
(はい、ズドーン発言。)
もう、それは性格上の問題というより、星の巡りレベルの…。
永遠に『しあわせなR18シーン』を描けそうにないです。

近しいひととの別れ。
しあわせなことに、まだ大事なものを失ったことがありません。
欲しいものを、手にいれたくないからかもしれませんが。
いつも手にするまえに、なくすことを考えて、
「なくして傷つくくらいなら、最初からないほうがいい」と思ってしまうんです。
でも、両親や親友や…そのうち、亡くすんですよね。
いつかそうなったら、ますます重い作品が書けそうです。自分に期待!←ええ!?

こちらこそ、お読みいただきありがとうございました~。


とおりあいみ
砂凪さん
拝読しました。
近未来って、こういった退廃的なイメージ、ありますよね。
難民かぁ。
今の日本では想像できにくいですが、世界中であふれているんですよね、今も。それを考えると、胸が痛いです。
「奇跡の子」とされた風埜が不憫でなりません(ちょっと込み上げてきてしまいました)。が、ちゃんと名瀬によってちょっとだけでも未来を感じ取ることができたので、心から安堵しました。
Rシーン、素敵でしたよ。このSSなら、丁度いいと思います♪
リアルでも少し未来のことを考えさせられるSSでした。ありがとうございます。


拝読しました
牛野若丸
日本人が難民キャンプの対象、という現在では全く想定できないヘヴィな近未来ですね!
身体を繋げるシーンは、BLだと通常は幸せを感じるためのものですが、本作では「生きるため」、「命を感じるため」の行為だと感じました。
僕も近しい人の別れがいろいろありましたので、こういう「命」の大切さを感じられるSSは深くしみます。
今月も素敵なSSをありがとうございました!

荻野ベル恵さまへ
砂凪
こんにちは、荻野さま!
このたびはお読みいただき、ありがとうございます。

わたしは荻野さんと真逆でして…
『近未来にはドラえもんがいたんだった!』と(笑)
どうしても…、素敵な未来を想像できない残念な脳みそです。

現実にある世界を描けるひとをわたしはいつも「すごいなー」と思いつつ、ネット小説を読んでいます。
名瀬は風埜の追跡取材をしているうちに、彼に惹かれていった、という設定です。
で、風埜は名瀬のことばで立ち直りのきっかけをつかんだ、という。
描き切れていませんね、ダメダメです。

読んでいただけてうれしいです!ありがとうございました。

拝読しました
荻野ベル恵
こんにちは。ss拝読いたしました。
近未来の日本というお題を見て私はまずドラ○もんのような 未来を想像したのですがこのような考え方もあるのだと感心しました!!
近未来やファンタジーなど書くのが苦手なので現実にない世界を自分で作れる人に憧れます。
二人とも大切な人をなくしたという共通点があって惹かれ合うものがあったのかなぁと感じました。
素敵なssありがとうございました。

矢島知果さまへ
砂凪
こんにちは、矢島さん!
このたびはお読みいただき、ありがとうございます。

短いんですよね、SSって!←当然のことです。
世界観を全然描き切れていないので、
これをもとに長編を書いてもいいかな…と思っています。
>日本が分断されて難民になっている設定に~…
ありがとうございます~。
退廃的すぎて、どなたにもついてきていただけないかと思っておりました(つд`)゜*・。

ここから自分ツッコミなのですが…
冬の日本海側にはもれなく雪がついてきます。
すっかり忘れていました、日本海側豪雪地帯在住なのに…。
余計に風埜の逃避行がたいへんなことに。

大地讃訟、いい曲ですよね。
風埜が暮らしていたコミュニティはこの曲っぽい地だった、という設定です。
(案の定、描き切れていませんが…)
『恩寵』ということばをうたうたびに、
なにか…神々しいような気持ちになったことを覚えています。

おもしろかった、とおっしゃっていただき光栄です。
感想、ありがとうございました。


矢島知果
拝読しました。
SSなので、短い中でこの世界観を書ききるのは大変かと思うのですが、
私は日本が分断されて難民になっている設定にどっぷりつかりました。
こういう世界観、私はけっこう好きです。
国が分断されるSFちっくな設定の映画を昔みたことがあって、
アメリカが西と東で分断されて、自由の地をもとめて逃げるという話でした。

作品は日本が舞台ですが、
主人公が山を越えて逃げるのは、かなり大変だったろうということも想像つきますよね。
「奇跡の子」と言われるのも。
「恩寵」ですが、大地讃頌!!
私、あれ大好きです。「恩寵」いい言葉ですよね。

面白かったです。楽しませていただきました。

甘楽さんへ
砂凪
こんにちは、甘楽さん。
今月の幹事さま、ありがとうございます。
いやいや、どなたも参加なさらない…ってことはないですっ!
お題A、お題B、それぞれとってもおもしろそうですもの。

『近未来の日本』…すみません、どうにも日本の未来が明るいものとは思えなくて。
自分の脳みそがたまに思う、『日本難民』を作品(…と呼べるほどのものでないですが)にしてしまいました。

いちばん最初のほうで、あっさりサラッと触れただけで終わってしまったのですが…←反省点。
文明はそれなりに先進国的なのですが、そこからドロップした風埜みたいな人たちがいて。
そして、軍事的反政府組織のクーデターが成功して。
で、『日本難民』なのです。
UNHCRは大学時代のレポート提出の際に調べたことがあって、
『命の尊厳』とか『幸福論』までつながっていってしまった暴走課題になった思い出があります(笑)

名瀬さん、戦場カメラマンとして実は『自分の信条』を持っていた、っていう設定なんです。
全然うまくは表現できなかったのですが…
「絶望が希望を…」とか「生まれてきたってことは…」とか、そのへんを名瀬さんは信じています。
このあとのお話も実はあったのですが
(風埜がキャンプでコミュニティの再生をはかり、名瀬さんがそれを支える、というもの)
それを描いたらものすごい長編になってしまったので、ここまでにしました。

『恩寵』は小学校時代(!)から好きなことばなんです。
『大地賛賞』という合唱曲に出てきまして、意味を担任に聞いたところ
「神さまの贈りもの」ということだよ、と教えられ、そのときに一目惚れしました…ことばに。
いまだに『大地賛賞』を口ずさむことがありますが、神さまはいないと諸事情のため思っています(苦笑)

いやいやいや、変なことばかりに興味を持つひとです、わたし。
いまだに、英語の“fish”が必ずしも不可算名詞ではない(!)ということを調べつづけております。
“furniture”も気になります……。なんで不可算名詞なのか。
でも、知ることは好きです。
興味を持ったことはとことん調べないと気が済まない面倒くさいひとです。
BL方面にそれを活かせることを信じて…!

読んでくださって、感想をくださって、ありがとうございました~!

拝読しました。
甘楽
この度はお題SSを執筆&発表して頂き有難うございます。誰も参加していただけなかったら、どうしようと不安だったんですよ(ノД`)・゜・。

お題B「近未来の日本」とさせて頂いて、後から難しかったかしら? と思っていたのですが、砂凪さんは難なく近未来の日本を舞台に作品を書いて頂いきまして、お題発案者として大変うれしく思います!

物語の設定で難民キャンプがある日本ということは、日本文明が廃れて食糧難なんかが起きているということでしょうか。土地は痩せ、建物は崩壊し、廃墟に住みつく悪人がいたり……。弱者は賊から逃れるために森へ逃げ……。そんな時代なのでしょうか。どんな世界なのかを想像しながら読んでいました。ちなみにUNHCRについては、恥ずかしながら存じ上げておりませんでした。UNHCRについて、私も勉強させて頂こうと思いました。
次に人物像を掘り下げますね。風埜くんが、名瀬さんと出会い、お互いを知り、辛いことばかりではない人生を歩めるのではないか、という光が見えるラストでした。いつか、名瀬さんと木の実を取った森へ二人一緒に向かう日が来るといいな、と思いました。

お題『恩寵』。全く意識するとこにあらず(-_-;)そのような言葉と接する機会が無縁なため、全く思いつきません出した。砂凪さんは、物知りで羨ましいです(*´Д`)

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コメント
この記事へのコメント
えなりさんへ
こんにちは、えなりさん。

近未来って全然…わたしのなかで…きれいなイメージがなくて。
進歩の末の崩壊か、軍国国家への変貌か…それしかなくて。
で、こんなお話になっちゃったのですが、その世界観に引きこまれた!って、ありがとうございます。

"東北"自治区で"原子力"村って、なんだか預言書のようですね。
わたしの場合の衝撃近未来小説は、こどものころに読んだ『2050年東京物語』(…だったかな?)なのですが、
その『近未来』が…すごくて…ゴキブリに支配された東京がドーナツ化して、それでもそこで生きる人々、というお話でした。(←!!!)
描写がリアルで、そのあとしばらく子供心に『こいつら、未来支配するかもだな』と彼らを見るたびに思いました。
その方の(こどものころなものなので、著者ど忘れ…)『やわらかな記号』という別のSFもすごかったですが。

風埜は自分にもまわりにも絡め取られ、動けなくなっていたときに
名瀬という『第三者』によって解放される…というのがベースラインです。
泥水によって、息がラクになることってありますね。

いえいえ、こちらこそ読んでいただきありがとうございました。
わたしもえなりさんの作品を拝読したのですが…むぢゅかちくて…うまく感想が書けませんでした…。
この場を借りて、お詫び申し上げます。
2014/09/18(Thu) 09:31 | URL  | 砂凪 #-[ 編集]
世界観に引き込まれました。
分断された日本というのに、『2030年東北自治区』(作:半村良)という作品を思い出しました。(半村作品のわりには評価低いようですが、今月のお題である近未来日本が舞台です)
近未来SFなのですが、原子力村が出てきて、その描写がとても印象に残ってます。
・・・あ、2030年ってわりとすぐですね。読んだときはまだ20世紀だったのに。。。(^_^;)

主人公がとても苦しそうだったので、最後に光がさしてちょっとほっとしました。
清すぎる主人公が、名瀬と身体を重ねたことで泥水を少し飲み、それによって息がラクになったのかな…などと思って読みました。
読ませて頂き、ありがとうございました。
2014/09/17(Wed) 21:56 | URL  | えなり #-[ 編集]
とおりあいみさんへ
こんにちは、あいみさん!

読んでくださってありがとうございます。
近未来に退廃的なイメージを持っているの、わたしだけじゃなかった…!(感動)
どうにも、これから先…日本がいい方向に向かう気は全然しなくて。

『日本難民』…。
難民…世界中にたくさんいて、生きる権利や命の尊厳もギリギリの生活を強いられて。
大学時代に調べたことがあって(課題で)、今回ちょっとまたUNHCRのHPを見たりしました。
……凹みました。わたしは…、わたしは、なにをしているのだろう、と。

風埜はキャンプ全体の『希望』みたいな存在で。
(信条を捨てないで生きてきた15年間、ずっとそんな感じだった設定です)
そういうことって、重荷で苦痛ですよね…。
名瀬は、風埜のそういう危なっかしさに気付いた唯一のひと。
部外者だから、ちゃんと見ることができたのかな、と思います。

Rシーン…!
はじめて書きました!そしてそう呼んでいただけました!
しかも素敵だと…。
頑張って精進しようと思います(笑)

未来のこと、考えていただけたのならうれしいです。
『ひかりのひと』、読んでくださっているとのコメント、ほんとうに勇気になりました。
いつもありがとうございます~。
2014/09/07(Sun) 09:32 | URL  | 砂凪 #-[ 編集]
牛野若丸さんへ
こんにちは、若丸さん!

毎回毎回毎回、ヘビーな設定ですみません。
(思い返すだけで、『言霊の罪』・『捨て子』などなど)
でも、日本って…戦争になったらどうなるのかな、と考えてしまって。
集団的自衛権の閣議決定にズーン…、となっていたひとなので。
だから『日本難民』なんです←長い言い訳。

>しあわせを感じるためのもの
……そうならなかったのは、わたしがいまだに『しあわせ』がわからないからです。
注がれることにも、満たされることにも慣れない。
さびしい、とか…そういう状況のほうが落ち着くんです。つらいですけど。
(はい、ズドーン発言。)
もう、それは性格上の問題というより、星の巡りレベルの…。
永遠に『しあわせなR18シーン』を描けそうにないです。

近しいひととの別れ。
しあわせなことに、まだ大事なものを失ったことがありません。
欲しいものを、手にいれたくないからかもしれませんが。
いつも手にするまえに、なくすことを考えて、
「なくして傷つくくらいなら、最初からないほうがいい」と思ってしまうんです。
でも、両親や親友や…そのうち、亡くすんですよね。
いつかそうなったら、ますます重い作品が書けそうです。自分に期待!←ええ!?

こちらこそ、お読みいただきありがとうございました~。
2014/09/07(Sun) 09:09 | URL  | 砂凪 #-[ 編集]
砂凪さん
拝読しました。
近未来って、こういった退廃的なイメージ、ありますよね。
難民かぁ。
今の日本では想像できにくいですが、世界中であふれているんですよね、今も。それを考えると、胸が痛いです。
「奇跡の子」とされた風埜が不憫でなりません(ちょっと込み上げてきてしまいました)。が、ちゃんと名瀬によってちょっとだけでも未来を感じ取ることができたので、心から安堵しました。
Rシーン、素敵でしたよ。このSSなら、丁度いいと思います♪
リアルでも少し未来のことを考えさせられるSSでした。ありがとうございます。
2014/09/07(Sun) 02:30 | URL  | とおりあいみ #-[ 編集]
拝読しました
日本人が難民キャンプの対象、という現在では全く想定できないヘヴィな近未来ですね!
身体を繋げるシーンは、BLだと通常は幸せを感じるためのものですが、本作では「生きるため」、「命を感じるため」の行為だと感じました。
僕も近しい人の別れがいろいろありましたので、こういう「命」の大切さを感じられるSSは深くしみます。
今月も素敵なSSをありがとうございました!
2014/09/06(Sat) 12:32 | URL  | 牛野若丸 #-[ 編集]
荻野ベル恵さまへ
こんにちは、荻野さま!
このたびはお読みいただき、ありがとうございます。

わたしは荻野さんと真逆でして…
『近未来にはドラえもんがいたんだった!』と(笑)
どうしても…、素敵な未来を想像できない残念な脳みそです。

現実にある世界を描けるひとをわたしはいつも「すごいなー」と思いつつ、ネット小説を読んでいます。
名瀬は風埜の追跡取材をしているうちに、彼に惹かれていった、という設定です。
で、風埜は名瀬のことばで立ち直りのきっかけをつかんだ、という。
描き切れていませんね、ダメダメです。

読んでいただけてうれしいです!ありがとうございました。
2014/09/06(Sat) 08:05 | URL  | 砂凪 #-[ 編集]
拝読しました
こんにちは。ss拝読いたしました。
近未来の日本というお題を見て私はまずドラ○もんのような 未来を想像したのですがこのような考え方もあるのだと感心しました!!
近未来やファンタジーなど書くのが苦手なので現実にない世界を自分で作れる人に憧れます。
二人とも大切な人をなくしたという共通点があって惹かれ合うものがあったのかなぁと感じました。
素敵なssありがとうございました。
2014/09/05(Fri) 21:32 | URL  | 荻野ベル恵 #-[ 編集]
矢島知果さまへ
こんにちは、矢島さん!
このたびはお読みいただき、ありがとうございます。

短いんですよね、SSって!←当然のことです。
世界観を全然描き切れていないので、
これをもとに長編を書いてもいいかな…と思っています。
>日本が分断されて難民になっている設定に~…
ありがとうございます~。
退廃的すぎて、どなたにもついてきていただけないかと思っておりました(つд`)゜*・。

ここから自分ツッコミなのですが…
冬の日本海側にはもれなく雪がついてきます。
すっかり忘れていました、日本海側豪雪地帯在住なのに…。
余計に風埜の逃避行がたいへんなことに。

大地讃訟、いい曲ですよね。
風埜が暮らしていたコミュニティはこの曲っぽい地だった、という設定です。
(案の定、描き切れていませんが…)
『恩寵』ということばをうたうたびに、
なにか…神々しいような気持ちになったことを覚えています。

おもしろかった、とおっしゃっていただき光栄です。
感想、ありがとうございました。
2014/09/05(Fri) 08:46 | URL  | 砂凪 #-[ 編集]
拝読しました。
SSなので、短い中でこの世界観を書ききるのは大変かと思うのですが、
私は日本が分断されて難民になっている設定にどっぷりつかりました。
こういう世界観、私はけっこう好きです。
国が分断されるSFちっくな設定の映画を昔みたことがあって、
アメリカが西と東で分断されて、自由の地をもとめて逃げるという話でした。

作品は日本が舞台ですが、
主人公が山を越えて逃げるのは、かなり大変だったろうということも想像つきますよね。
「奇跡の子」と言われるのも。
「恩寵」ですが、大地讃頌!!
私、あれ大好きです。「恩寵」いい言葉ですよね。

面白かったです。楽しませていただきました。
2014/09/04(Thu) 19:58 | URL  | 矢島知果 #WpbHSf/E[ 編集]
甘楽さんへ
こんにちは、甘楽さん。
今月の幹事さま、ありがとうございます。
いやいや、どなたも参加なさらない…ってことはないですっ!
お題A、お題B、それぞれとってもおもしろそうですもの。

『近未来の日本』…すみません、どうにも日本の未来が明るいものとは思えなくて。
自分の脳みそがたまに思う、『日本難民』を作品(…と呼べるほどのものでないですが)にしてしまいました。

いちばん最初のほうで、あっさりサラッと触れただけで終わってしまったのですが…←反省点。
文明はそれなりに先進国的なのですが、そこからドロップした風埜みたいな人たちがいて。
そして、軍事的反政府組織のクーデターが成功して。
で、『日本難民』なのです。
UNHCRは大学時代のレポート提出の際に調べたことがあって、
『命の尊厳』とか『幸福論』までつながっていってしまった暴走課題になった思い出があります(笑)

名瀬さん、戦場カメラマンとして実は『自分の信条』を持っていた、っていう設定なんです。
全然うまくは表現できなかったのですが…
「絶望が希望を…」とか「生まれてきたってことは…」とか、そのへんを名瀬さんは信じています。
このあとのお話も実はあったのですが
(風埜がキャンプでコミュニティの再生をはかり、名瀬さんがそれを支える、というもの)
それを描いたらものすごい長編になってしまったので、ここまでにしました。

『恩寵』は小学校時代(!)から好きなことばなんです。
『大地賛賞』という合唱曲に出てきまして、意味を担任に聞いたところ
「神さまの贈りもの」ということだよ、と教えられ、そのときに一目惚れしました…ことばに。
いまだに『大地賛賞』を口ずさむことがありますが、神さまはいないと諸事情のため思っています(苦笑)

いやいやいや、変なことばかりに興味を持つひとです、わたし。
いまだに、英語の“fish”が必ずしも不可算名詞ではない(!)ということを調べつづけております。
“furniture”も気になります……。なんで不可算名詞なのか。
でも、知ることは好きです。
興味を持ったことはとことん調べないと気が済まない面倒くさいひとです。
BL方面にそれを活かせることを信じて…!

読んでくださって、感想をくださって、ありがとうございました~!
2014/09/04(Thu) 09:21 | URL  | 砂凪 #-[ 編集]
拝読しました。
この度はお題SSを執筆&発表して頂き有難うございます。誰も参加していただけなかったら、どうしようと不安だったんですよ(ノД`)・゜・。

お題B「近未来の日本」とさせて頂いて、後から難しかったかしら? と思っていたのですが、砂凪さんは難なく近未来の日本を舞台に作品を書いて頂いきまして、お題発案者として大変うれしく思います!

物語の設定で難民キャンプがある日本ということは、日本文明が廃れて食糧難なんかが起きているということでしょうか。土地は痩せ、建物は崩壊し、廃墟に住みつく悪人がいたり……。弱者は賊から逃れるために森へ逃げ……。そんな時代なのでしょうか。どんな世界なのかを想像しながら読んでいました。ちなみにUNHCRについては、恥ずかしながら存じ上げておりませんでした。UNHCRについて、私も勉強させて頂こうと思いました。
次に人物像を掘り下げますね。風埜くんが、名瀬さんと出会い、お互いを知り、辛いことばかりではない人生を歩めるのではないか、という光が見えるラストでした。いつか、名瀬さんと木の実を取った森へ二人一緒に向かう日が来るといいな、と思いました。

お題『恩寵』。全く意識するとこにあらず(-_-;)そのような言葉と接する機会が無縁なため、全く思いつきません出した。砂凪さんは、物知りで羨ましいです(*´Д`)
2014/09/03(Wed) 19:38 | URL  | 甘楽 #-[ 編集]
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