秩序のとれた海 例えば君とふたりで
漂流しあうひとりとひとりが、絆や想いさえ結べないのであっても。
このひとの傍にいたのは誰なんだ?
……このひとの傍に、光をみつけることをやめてしまったのは。あるいは、あたたかな椅子をさがすことをやめてしまったのは。

茅野さんだって、ひとりだった。
筏にしがみついたそのもう片方の手を、僕にむかって差し出している。それを絆ではないとどうして、だれが、言い切れるのだろう。……僕は、なんと傲慢だったのだろう。

「隣にいたいと思う気持ちを、僕にくれたのは、はじめてくれたのは、茅野さんで」

そうだ、雪が溶けたのだ。もうどこにでも行ける僕は、茅野さんの部屋を選んだ。安寧じゃない、怠慢でも、狡さでもなく。

「だから、間に合うから。僕の『これから』は、ちゃんとぜんぶ、ぜんぶここにあります……茅野さんのとなりに」

間に合う保証などなにひとつない。
もう、とうに手遅れなのかもしれない。僕は、そして茅野さんも、すっかり遅いのかもしれない。
それでも、信じていたくて僕は言う。信じて、いさせてほしくて。

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【2017/05/13 07:30】 | 世界の果ての暖炉で
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