秩序のとれた海 例えば君とふたりで
あづみは、おとなになるのがこわかった。
中学生や高校生になるのも、ましてや『大学』などという得体のしれないところへ通うのも、とてもこわかった。
どうして、ずっとこのままでいさせてくれないんだろう。どうして、なにも足りないものはないのに、それ以上を求めるように成長してしまうんだろう。
ときどき、自分がとてもいびつな生きものになった気がすることがある。
心を伴なわず手足だけがのびていく、ぶきみで滑稽な怪物。

でも、とあづみは思う。大雨が、全部を止めてくれる。終焉の雨のなかで、あづみは永遠にこどものままだ。

「あづみくん、どしたー?」
まどかが顔を覗きこんでくる。
「ちぐさとわたしはもう食べちゃったんだけど、キッチンにミスドがあるから、好きなのひとつもっておいでよ」
「うん、ありがとう」
まどかににっこりしてみせると、あづみはドーナツを取りに階下に降りる。好物のエンゼルフレンチが残っていたので嬉しくなった。

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【2017/10/18 08:52】 | いつか、ひかりへ辿り着く
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