秩序のとれた海 例えば君とふたりで
海水浴場に車が停まると、あづみはちぐさが後部席に座る4人乗りの車にかけよった。
「ちぐさー…」
地面にべたんと座り込んで名を呼ぶと、兄がいたずらめいた表情であづみを覗きこんだ。
「どうだったよ。お姉さんたちとのドライブは」
「すごく、疲れた」

女性6人、男性5人、プラスアルファあづみの面々は、7月の海に向かう。
ちぐさにべったり貼りついていると「兄貴冥利に尽きるなぁ」と友達らしき男性が楽しそうに言った。「だろ?」とちぐさがなぜか威張る。
浮き輪やボールを膨らませてもらう段になって、ようやくわくわくしてきた。

「泳いできていい?」

兄を見上げると、「はいはい、俺はここで見てるから安心して泳いでこい、な」と背中を軽く押された。
青い浮き輪につかまって、ブイを目指す。あづみが泳ぎが得意なことをちぐさも知っているので、「遠くに行きすぎんなよー」とだけ、声が聞こえた。
顔にかかる水飛沫は塩辛く、水平線は空と溶け合うまで広がる。海だ、とはじめて実感した。
足をバタバタしたまま右から左に目をやると、なるほど水平線は確かにやわらかに丸い。

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